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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

マルケス、JJ、ウルトラ……最近買ったり読んだりした伝記本たち。

自伝・評伝の違いはありますが、ぼくの好きな人たちの生き方をめぐる本が、今年の後半になって続けて刊行され、うれしい悲鳴です。


  • ガブリエル・ガルシア=マルケス『生きて、語り伝える』(新潮社)
  • 津野海太郎『したくないことはしない 植草甚一の青春』(新潮社)
  • 古谷敏『ウルトラマンになった男』(小学館)



『生きて』は、言わずとしれた『百年の孤独』他のマルケスの自伝。予備知識なしで読みたいなと思い、買いはしたものの、まだ目次にも冒頭の1頁にも目を通していない状態です。この冬休みにじっくり読みたい本の1冊。ちなみに、意識して読まないようにしてますが、書評にはたとえばこんなのが。「「語りの魔術」の土壌」(12/7読売新聞)。書き手は、あきらかにマルケス他のマジックリアリズム的手法に影響を受けている感じがする小野正嗣さん。


『したくないこと』はJJファンなら必読の1冊……なんですが、この人の評伝でこの書き手、そんな本が晶文社から出なかったことが、なんだかちょっとさびしくて、出てもしばらくは買えずにいたもの。でも、ようやく買いました。冬休み読書の1冊かな。これも書評を1つ紹介しておきます。「『ファンキー仙人』の生き方」(12/13東京新聞)。評者は鈴木義昭さん。


『ウルトラマン』は、初代ウルトラマンのスーツアクターにして、『ウルトラセブン』のアマギ隊員役の俳優という、昭和特撮世代には超のつく重要人物の手になる回顧録。



文章は決してうまくはありません。ウルトラがらみのエピソードが時系列で丁寧にまとめられているわけでもないし、詳細な年譜があるわけでもない。ご本人の記憶に基づく、感覚的な書かれ方で話は進んでいきますから、背景に関する知識のない人にはついていきにくい部分も多々あるでしょう。


でも、それが悪いかというと、もちろんそんなことはまったくない。いまさら、初代マンやセブンがいつ放映されて、第一回のエピソードが何で、なんて話が必要な人に向けた本じゃあ、そもそもありませんからねね。


スーツアクターの本は、ゴジラの俳優で、本書にも何度か名前の出てくる薩摩剣八郎さんの本が筑摩書房他から出ているが、ぼくの知るかぎりウルトラ関連では過去に単著はないはずだし、映像関連本のなかでもやはりめずらしい部類に入るでしょう。




そのスーツアクターの葛藤や苦労、なにしろ苦労などということばではまったく足りないほどの、地獄の撮影だったようなのだが、それが、ご本人の決してなめらかといえない語り口のためにかえって、その苦しさがリアルに伝わってくるという感じになっているのが本書です。セブン以後、最近、『ギララ』で復活するまでの古谷さんの人生については、よほどのマニアでもないかぎりまず知らないだろうと思うけれど、そのあたりについての記述もあって、なかなか新鮮。


というわけで、ウルトラ者の必携文献にまた1冊新たな定番が加わったといっていい1冊。昭和特撮者は必読です。


ちなみに、先日、増床してリニューアルオープンなったというジュンク堂書店書店ロフト名古屋店。同店で、こんなイベントがあるようですよ。小学館刊「ウルトラマンになった男」刊行記念 古谷敏さんサイン会。いいなあ、行きたいなあ、けど、同店で本を買わないと整理券もらえないようだし、もう買っちゃってるし、だいたい、サイン会のために名古屋まで行くのもなあ、とぼくは泣く泣くあきらめますが、中部エリア在住の方でこれから本書を買おうという方は要チェック。ちなみに、日時は、2010年1月17日(日)、14時からだそうです。



◆今日のBGM◆





BGM、ではないですが、「ぼくの好きな人たちの生き方をめぐる」メディア紹介の流れで。これ、期間限定上映を見逃していたんですが、アンコール上映が吉祥寺でもあったので、先日、誕生月割引価格で観てきたのです。


……いやあ、これ、ほんとすばらしかった。よかった。おわり。としたいぐらい、もう何も言えない感じです。これ、マイケルファンは言うまでもないですが、音楽が好きな人、音楽が持つ力を信じている人、全員に観てほしいです。


だって、言ってみれば、ただのリハーサルの記録映像、なわけですよ。なのに、何度も涙腺を刺激されてしまうなんて、思いもよらないじゃないですか。それほどの力を持った作品だったわけです。ただのリハ記録ものではまったくありません。


とにかく。この作品のすばらしさについては、もうさんざん語り尽くされている感がありますから、何も当方の駄文でよけいなことをいまさら付け加えようとは思いません。とにかく観てほしいです。できれば大画面、大音量で。マイケルになんてまったく興味なしを宣言していた家人がなぜかこのDVDを予約してたりするので、DVDも購入、また近いうちに見直しますが、でもこれはやはり劇場で観ておいてよかったなと、心からそう思います。


何も書かない、と言いながらなんですが、ちょっとだけ書くとすれば、マイケルを盛り上げる周囲の人たちのすばらしさかなあ。ぼくはとくにダンスには興味がないし、よしあしもわからないんですが、オーディションに残った10人ほどのダンサーたちの動きは、そのようなダンス野暮なぼくが見ても、ぞくぞくするほどすばらしいです。


あと、バックバンド。「ビリー・ジーン」や「スタート・サムシング」や「今夜はビートイット」を、生演奏の(打ち込みでない、という意味での)バンドで聴けるんですよ。それだけでも観たくなるでしょ? 超タイトなドラムに、ファンキーなベース(作品の冒頭近くで、ファンキーさが足りないとマイケルから指導される場面がありますが、素人耳には十分にファンキーでかっこいい)、そしてギター。


やっぱりギターが気になります。ギターが小さくみえるほどの巨漢黒人ギタリスト、トミー・オーガン、美少女ギタリストとして一部では話題を呼んでいるらしいオリアンティ(・パガナリス)の、見た目もプレイも対照的なコンビ。




一応、リードがオリアンティとなっている。「今夜はビートイット」のソロでは、完コピではないけれど、エディ・ヴァンヘイレンの名ソロの雰囲気をそれらしく再現したかっくいいプレイを披露しています。対するトミー・オーガンは、オリアンティのようにタッピングや速弾きをきめたりなどの今風なプレイはないけれど、ジミヘン風に頭の後ろでギターを弾いたりなどそれなりに見せてくれたり。あと、「スタート・サムシング」の、あの超かっこいいシングルトーンのカッティングもぱきぱきに決めてくれてました。


ぼくは、マイケルのステージギタリストでは、ジェニファー・バトゥンを観たかったので、その意味ではちょっと残念だったんですが、でも、ギター的・バンド的にも、とても楽しめる作品だったことは明記してきたいと思います。


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