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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

冬の真夜中によむ短篇たち

短篇が読みたくなる。で、こんな本たちを書棚から抜き出し、枕の脇に積み上げて、寝床にもぐりこむ。


  • ディック『パーキーパットの日々 ディック傑作集1』(ハヤカワ文庫)
  • 川崎賢子編『久生十蘭短篇選』(岩波文庫)
  • 津原泰水『綺譚集』(創元推理文庫)



久しぶりのディックもいいけど、「母子像」「黄泉から」「無月物語」……十蘭はやっぱりいいなあ。いつもは教養文庫だけど、今日はこの岩波で。


津原泰水さん、『ブラバン』もよかったけど、やはり彼の本領は、こちらのタイプにあると思う。ところで、十蘭と津原さんをピックアップしたのは、別に意図したことではないんだけれど、津原本の解説を読むと、東雅夫さんが津原氏を評したことば「短篇の魔術師の異名をとった久生十蘭の再来と呼ぶにふさわしかろう」が引かれている。こうして本がつながる感じ、ちょっとうれしい。


まだまだ読む。がしがし読む。


  • アストゥリアス『グアテマラ伝説集』(岩波文庫)
  • R・F・ヤング、ジャック・フィニイ、中村融編『時の娘 ロマンティック時間SF傑作選』(創元SF文庫)
  • 川端康成『水晶幻想・禽獣』(講談社文芸文庫)




続けて文庫化なったボルヘスの再読をのぞけば、最近はちょっと離れ気味だったラテンアメリカもの。アストゥリアスは、以前所有していた国書刊行会の親本で読んでるけれど、文庫になったらやっぱり持っておきたいよね。




どこを開いても、まさに魔術的としかいいようのない不思議な情景が美しい文章で綴られている。牛島信明さんの翻訳のすばらしさによるところも大きそう。冬の真夜中の読書にぴったり。マルケスの評伝も出たし、またちょっとラテンアメリカをまとめて読んでみたくなってきた。




『時の娘』……ヤングにフィニィかあ、一時期は好きだったなあ、熱心に読んだなあ、でも、この年で、ロマンチックSFでもないかなあ、と、なんとなく敬遠してしまったんだけど、結局買って、読んで、そして涙してます……(苦笑)。だって、たとえば、ヤングの、このセンチメンタルさはどうだろう。ふだんは恋愛ものなど一切読まない観ない興味ないの無粋な40男でさえ、ほろっときてしまうのだから。


なんでも、ヤングの代表作にして、同じタイム・トラベル・ファンタジーの傑作、「たんぽぽ娘」を含む同題の作品集が、河出書房新社の「奇想コレクション」から復刊されるのだとか。これは楽しみだなあ。以前は、集英社コバルト文庫から出てたんだよね。




川端は、なんといっても表題作がいいんだよね。



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コメント

ごぶさたです

瞬く間に年末ですね。光の早さで老けていきそうです(苦笑)

ひとつ前の話題で恐縮ですがクリスマスにいろいろ悩んだ日々、というのが微笑を誘いました。ワタクシあまり興味なく過ごしてきたつもりなんですが、なんだかそれを言っても負け惜しみ感が満載で(再び苦笑)、やっぱり気になっていたんでしょうね…。「あのブドウは酸っぱかったんだい」的な…

話は変わって。『時の娘』というとワタクシ的にはジョセフィン・テイを思い浮かべてしまいました。
確か読んだはずなのに、内容が全く思い出せません…二度楽しめる、という点では記憶力の目減りもいいのかも知れませんね(三度苦笑)

  • 2009/12/27(日) 13:27:09 |
  • URL |
  • 駝鳥 #-
  • [ 編集 ]

光速老化

駝鳥さん>
>光の早さで老けていきそう

光の国の人みたいですねえ、って何重にも誤解した
返答は老化によるものではなく、意図的なんですが(苦笑)。

> 『時の娘』というとワタクシ的にはジョセフィン・テイ

という方は他にもいらっしゃるようで、webのレビュー
などにも書かれてますね。ぼくはこちらの作を知らなかった
のでまったく違和感なしだったんですが、直訳が重なった
のか、単なる偶然なのか……。

> 確か読んだはずなのに、内容が全く思い出せません…二度楽しめる、という点では記憶力の目減りもいいのかも知れませんね(三度苦笑)

いやあ、まったく同感です。っていうか、この話、本好きと
話するときにもよく話題になりますが、ぼくなんて、
キホン、全部これですよ。だから、再読がかぎりなく初読に
近くて、もう楽しくてしかたない(笑)。

知り合いにも、ものすごく細部にわたって記憶の鮮やかな
人がいて、まるで本や映画を、昨日見聞きしたかのように
話したりしていて、驚かされます。記憶力の差、はもちろんある
のでしょうが、なんというか、タイプの差なのかなと思います。
そのような人たちのことを、ぼくは「ディテールの人」
と呼んで、違う人種なのだと思うことにしています。

しかしなあ、
「○○○っておもしろいよね」
「そうなんですか。どんな話?」
「えーと、なんというか、主人公がいて、それで、
……なんだっけ?」
みたいなことを繰り返していると、読書人としての
信用というか、立場というか、そのようなものが
危うくなるのも事実のように思われ、やっぱり
気をつけねばいけませんねえ、お互いに(苦笑)。

  • 2009/12/28(月) 21:49:02 |
  • URL |
  • 空犬 #-
  • [ 編集 ]

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