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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

尾道坂道書店、すごい本屋……最近読んだ書店本たち。

昨日の記事に書いたブックチバの会合、場所が船橋だったので、ときわ書房本店に寄ってきました。


決して広くはない、というか狭い、と言い切ってしまっていい店内はお客さんでいっぱい、壁の棚も平台も本でぎっしり、妙な言い方になりますが、店内がぎっしり感でいっぱいです。棚の間をゆったりとって、什器もかっこいいのをそろえた、おされな本屋さんとは正反対のお店づくりですが、でも、街の本屋さん、それも活気のある街の本屋さんって、やっぱりこんなふうでなくっちゃね。いるだけで、なんだかわけもなくうれしくなる、そんな店のたたずまいです。


店の規模からすると、文庫などの積み方が半端じゃない感じ。ミステリー関連の充実は、茶木さんや宇田川さんの存在を考えると当然なのかもしれません。個人的には、お店の奥の棚、ハヤカワ文庫SFの青背の量がうれしい。こんなにSF文庫そろえてるところ、もっと大きな店だって、そうはないですよ。あと、壁にはられたたくさんの色紙! サイン本もけっこうあります。作家や版元の信頼が厚くことの証拠でしょう。


たくさん買い物していきたかったんですが、会合にも遅れそうな時間だったので、船橋にはしばらくは毎月来るだろうからと、泣く泣く買い物なしでお店を出ました。


最寄り駅から電車で1時間離れると、いくらいいお店があるとわかっていても、ふだんはやはりなかなか足を運ぶチャンスはありません。近郊でもこんな感じですから、地方となると、仕事がらみか旅行のついででもないと行けませんよね。なので、書店好きには、地方の書店の姿を伝えてくれる、こういうすばらしい書店本の刊行は大歓迎なのですよ。


  • 児玉憲宗『尾道坂道書店事件簿』(本の雑誌社)
  • 井原万見子『すごい本屋!』(朝日新聞出版)



『すごい本屋!』には、陸の孤島のような山村のお店、イハラ・ハートショップが、『尾道坂道』には、広島県内に20店舗を展開する書店チェーン啓文社が登場します。ふだん行けない本屋さんがどんなふうなのか、その雰囲気だけで味わうことができれば書店好きとしては満足ですし、書店本としてもの役目も果たせていることになるでしょう。この2冊、とくに『すごい本屋!』のほうにはそういう面も十分にあるのですが、2冊とも、単なるお店の紹介本や書店員の身辺雑記にはおさまりません。


前者では著者の病気のことがありますし、後者では圧倒的な立地の不利さのことがあるにもかかわらず、とにかく著者の語り口がポジティブなんです。しかも、2冊とも、こんな時期に出された本だというのに、出版不況がどうの書店の苦戦がどうのなんて話はぜんぜん出てきません。こういう人たちが本の仕事に関わっているかぎり、書店も出版もまだまだ大丈夫なんじゃないかと、そんなふうにまで思えてしまいます。


予想をはるかに上回る充実の読後感、大当たりの書店本でした。本を売ることの楽しさ本を読者に届ける仕事の魅力が、こんなにもストレートに伝わってくる書店本にはなかなか出会えません。すべての本好き、書店好き、そして出版関係者に強くおすすめします。


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