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空犬通信

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白水社の新しい世界文学シリーズに期待

こんなシリーズが出るそうですね。《エクス・リブリス Ex Libris》白水社)。小冊子のコピーによれば、《独創的な世界文学を厳選して贈るシリーズ》とのことで、推薦人に柴田元幸、古川日出男、桜庭一樹の3氏の名が挙がっています。


エクス・リブリス

↑書店店頭で無料配布されているリーフレット。


翻訳文学は売上的には苦戦と聞く状況下のシリーズものとしては、かなり勇気のある企画だと思います。河出の世界文学もよくぞこの時期に的な企画でしたが、あちらは選者が池澤夏樹、いくら従来の世界文学全集のカテゴリにおさまらないような作家・作品を入れたとはいえ、ラインナップにはぜんぜん知らぬ名ばかりが並ぶわけではなし、しかも第1回配本は、日本でも知名度・人気の高いケルアックの新訳『オン・ザ・ロード』でしたからね。




それに比べると、こちらのラインナップはすごい。よほどの世界文学通でないかぎり、これらの作家・作品をすべて知っている、(原書で)読んでいる、などという方はいないでしょう。それだけ刊行意義ありと言えますが、商業的に大丈夫かなあと心配になってしまいます。



さて、最近そんなに翻訳文学を熱心に読んでいない空犬がこのシリーズに注目したのは、3/5の第1回配本に挙がっているのが、デニス・ジョンソンだったから。しかも、作品は、おお、なんとなんと、空犬が愛してやまない短編集『ジーザス・サン』ではないですか!


  • Denis Johnson『Jesus' Son: Stories』(HarperPerennial)



デニス・ジョンソンは、ぼくの知るかぎり、これまでに単独の邦訳はなくて、『バースデイ・ストーリーズ』『月曜日は最悪だとみんなは言うけれど』(ともに、村上春樹編訳、中央公論新社)にそれぞれ1編ずつ収録されているだけ。




こんな状況だし、原著のハードカバーは1992年刊と17年も前、まさか、今になって翻訳が刊行されようとは夢にも思いませんでした。


この本、ぼくは、なんというか、入れ込みが強すぎて、シンプルなことばで簡単にこの本の魅力を言い表すことができません。上のAmazon.co.jpにくわしい内容紹介が載っていますから、ぜひチェックしてみてください。《ブコウスキーというよりはジュネに似たタイプの作家デニス・ジョンソンは、醒めることのない奇妙な魂の夢の中へといつしか読者をひきずりこむ達人である。》などと評されていますよ。


Jesus's son

↑大事にしている1冊。ぺらぺらですぐ読めちゃうので、何度も読み返してます。


『ジーザス・サン』、空犬通信大推薦の傑作です。そして、この本を第1回配本に持ってくるなんて、《エクス・リブリス Ex Libris》の選球眼には大いに期待ができます。しかも、デニス・ジョンソンは、もう1冊入ってる……うれしいなあ。



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