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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

試し弾き、テレキャスター、ノッサン……最近買ったギター本たち。

ギター好きなら買わずにはいられない本が続けて出ましたね。


  • ヴィン★セント秋山 『この店でいちばん高いギターを弾かせろ』((えい)文庫)
  • 森岳史『フェンダーテレキャスターブック』(シンコーミュージック)
  • 小野瀬雅生『小野瀬雅生のギタリスト大喰らい 炎のロック★ギタリスト大全』(ブルース・インターアクションズ)


(えい)文庫はギターのビジュアルものをたくさん出してくれる、ギタリストにはありがたい文庫。なにしろ、レスポールで1冊、テレキャスで1冊あたりはまだわかるとして、ムスタングでも1冊ですからね(笑)。これはすごい。


(以下、今日のはちょっと長いです。)




この『いちばん』は、タイトル通り、楽器店で、いちばん高いギターを弾かせてもらった様子をおもしろおかしくまとめたもの。帯に《ギターショップで試奏する勇気がなかったあなたへ捧ぐ!》とありますが、お店でふつうに試奏するにもそれなりに度胸がいるものなのに、それも店でいちばん高いものを要求するなんて、うーむ、やってみたいけど、やったことないなあ。


ちなみに、この本でいちばん最初に紹介されているお店が新星堂ROCK INN吉祥寺ですから、実はこの本、ちょっと強引ですが吉祥寺関連本でもあるというわけで、我々吉祥寺愛好者・利用者なら、それだけで即買いです。


『テレキャスター』、関連本はもう何冊も持ってますが、でもやはり、我が愛機テレキャスを主役にした本が出ると買ってしまうわけです。たとえそれが、100頁少ししかないぺらぺらのムックで1680円もするものであったとしても……。


ノッサンこと小野瀬雅生氏は、なかなかユニークな文章を書く人で、小説なんかも手がけたりしているようだし、『ギターマガジン』に連載中の「小野瀬雅生のKEY OF LIFE」もおもしろい。


おもしろんですが、ただクセはあって、本書でも、ギタリストが食べ物にたとえられたりしていて、わかりにくいといえばわかりにくい。たとえばこんな感じ。

《たとえてみれば、老舗すぎて、あまり気軽にお客さんは行けない個人経営の名料亭なのかな。もちろん今もちゃんと営業中。ただし、店主が話し始めると要注意。どんどん脱線して話が長くなりますから。》

これ、誰のことかわかります? フォーカスのヤン・アッカーマンです。って、わかりませんってば(笑)。


あと、文章だけじゃなくて、セレクトも独特。ビートルズの3人で始まる最初のところはいいとして、パート2になると、いきなりギター好きでも知らない名前が並びます。バック・ダーマ、ロッド・プライス、フィル・ハリス、アンディ・スコット、ランディ・チョーニング、バリー・グドロー、ケリー・リヴグレン……ぜんぶ知ってたら、あなたはよほどのギター好きか70年代音楽通でしょう。


あと、話題の選び方がこれまた独特なんですよ。ギタリストがギタリストを語るなら、まず愛機、つまりどんなギターを使ってるか、に始まる機材の話がいろいろ出てきそうですが、これがほとんどない。


代表作、代表曲が紹介されていない人もいるし、バイオ的なことにふれられていない人もけっこういます。たとえばテリー・キャスなら、プレイ面なら「長い夜」の長い長い名ソロの話、それ以外の面ならロシアンルーレットで亡くなってる話はまず書きたくなるはず。前者への言及はありますが、死因に関してはふれられず(小さなバイオ欄にはあり)。


でも、こうした特徴がキズになっているかというと、そんなことはぜんぜんなくて、むしろこういうノリだからこそおもしろい読み物になっているんでしょう。全編ノッサン話術で貫かれていて、あきさせません。凡百のギタリストガイドとはまったく異種の本になっているわけです。ギタリストにはもちろん、あなたがギター弾きじゃなくても、ロックギターが活躍する音楽が好きならば、手に取る価値大いにありですよ。


◆今日のBGM◆


さて、ノッサンの本に触発されちゃったもので、この「今日のBGM」コーナーはしばらく、「空犬が愛したギタリストたち」編で、お送りしたいと思います。好きなギタリストというくくりだと、とにかく大変な数で、いつまでたっても終わらなさそうなので、とりあえずは、ギターキッズ時代に影響を受けた人たちを中心に、毎回1人1曲ずつ紹介していきたいと思います。トップバターはこの方。じゃーん。


  • Deep Purple『Live in Japan』


ギタリストはリッチー・ブラックモア、曲は「ハイウェイ・スター」。それも、スタジオ盤『マシーン・ヘッド』のバージョンじゃなくて、ライヴバージョンです。これこそ、ぼくが初めて聞いたリッチーのギタープレイだったんです。


リッチーと言えば、日本のギターキッズ、それも70~80年代のキッズにとっては、もっとも人気のあった一人。ぼくもご多分に漏れず、ディープ・パープル、レインボーは片っ端からコピーしてました。


先にも書いた通り、この曲で初めてリッチーの曲にふれたぼくは、まだスタジオバージョンを聴いてなかったので、オリジナルのソロを知らないんですが、オリジナルを知らない耳にも、このギターソロ、特に出だしから、中盤まではなんだか適当に手癖で弾いているように聞こえました。


ノッサンの本でも、このライヴ盤の「ハイウェイ・スター」についての言及があります。

《この曲、実はギターの調子が悪かったのか、チューニングが不安定です。リッチーはそれをかなり気にして、イライラしながらプレイしていたんじゃないかな。》


でも、それがダメな感じじゃなくて、なんかかっこいいんですよね。トレブリーになったりウォームな感じになったりと、ソロの途中でくるくる変わるギタートーンも新鮮でした。で、ソロが盛り上がるのは後半で、例の16分音符の速弾きフレーズが降りてきてからのフィニッシュがすごい。ここでのアーミングはもうなんていうか、鬼のようなうにょうにょぶり。フロイドローズじゃなくて、シンクロナイズドトレモロですからね。ここまでぐにゃぐにゃにやっちゃっていいのか、って聞いてて心配になるぐらい、くるったアーミングが聴けます。


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コメント

驚いた

空犬通信、多分、一日一回くらいは覗いているので、かなりの事でも驚かないが、今回のは本当に驚いた。空犬氏のギター好き、本好きぶりに。ギターがわからない俺にはさっぱりわからない話だけれど、超安定した文体で、超思いいれたっぷりの文章というのは空犬氏らしいというか、アンタ、本当は何者なの?的な面白さがあって凄く楽しめた。それから今の今のタイミングでこれだけの熱く長い文章を書いた空犬氏に敬意を表する。エライ。

  • 2008/10/19(日) 18:47:37 |
  • URL |
  • SATOMI #-
  • [ 編集 ]

ギター好き、なもので

SATOMIさん>
いやいや、好きなこと、書いてるだけですから、そんなの大袈裟に驚かないでくださいよう(苦笑)。

しかし、なんというか、やっぱりギターのことを知らないかわからないかの方々には、わからないこと書いてるんですよねえ、わたくしは。猛省。
でも、やっぱりギター好き目線でわからないことを書いちゃうんですけどね。

次は、我がハンドルネーム=空犬の由来となったギタリストについて書きますよう。

  • 2008/10/21(火) 02:17:45 |
  • URL |
  • 空犬 #-
  • [ 編集 ]

のっさんが本出したんですか。一時寝ても覚めてもCKBという時期があったんで、読んでみたい気もするけど、元ギター少年でないとわからない本のような気も。

  • 2008/10/25(土) 11:35:57 |
  • URL |
  • SAKURAM #-
  • [ 編集 ]

CKB好きなら

SAKURAMさん>
たしかにギター好き、ギター弾きでないとわからないような記述はあるものの、本文に引用したところからもおわかりのとおり、技術論とか機材論とか、プレイヤー限定な話題はあんまりないんですよ。

とはいえ、全編ギターの話題だらけの本なので、ギター好き、ギター弾き以外に強くはおすすめできませんが、CKBがお好きだったのであれば、いいかもしれませんよ。


  • 2008/10/26(日) 10:02:00 |
  • URL |
  • 空犬 #-
  • [ 編集 ]

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