先日の書店員さんたちとの飲み会の席で、グレゴリ青山さんの本の話が出たんです。空犬通信大推薦図書『ブンブン堂のグレちゃん』のグ印ことグレゴリ青山さんですね。わたくしのような古本本好き以外の読書人のみなさんには紀行ものが人気のようです。
で、その日の晩、タカクラさんのブログ「本屋タカクラの日記」をいつものようにのぞいたら、なんたる偶然、当日の記事でグレゴリ青山さんの『グレゴリ青山のもっさい中学生』が取り上げられているではないですか。
男子が年齢を問わず阿呆な生きものであることは実感的に知っているのですが、女子(の一部)もそうなんですか。しかも、その阿呆ぶりがこちらの好みっぽい感じ。読みます読みます、すぐ読みますよう、これ。
で、今日の昼休み、いつものように神保町の書店を回遊、田村書店の均一箱をのぞくと、『小出楢重随筆集』が。持ってる本だけど、100円なら重ねて持っててもいいやと購入。
で、早速ぱらぱらやっていたら、こんな一編が目に止まりました。「もっさりする漫談」。
《もっさりするという言葉は、何んでも本筋のものでなく田舎風で野暮でそのくせ気取っている処の、しかもしゃれてはいない処の、上等でもなく、美しくもない、多少きざに見える処の、何かゴタゴタして垢抜けのしないものを指してもっさりしているという。》
何やらこの文章自体がいささかもっさりした感じではありますが、まあ、なんとなく感じはわかりますよね。グ印さんの本ではどうかというと、Webの内容紹介に《もっさいとは、京都でよく使用する言葉で、野暮ったくてあかぬけないさまのこと。》とあります。「もっさ“り”」と「もっさ“い”」の違いはありますが、もちろん同じことば。東京でふつうに目にしたり耳にしたりすることのない関西のことばに、こんなふうに続けて出会う偶然。
こういう、本がつながっている感じ、ってなんだか好きです。
◆今日のBGM◆
- 高田渡『ファーストアルバム ごあいさつ』
弘栄堂書店吉祥寺店の里見さんにいただいたもの(里見さん、Thanksです!)。山之口獏の詩に曲をつけた一連の作品がいい感じ。あと、なんか意外にかっくいいギターが入ってるなあ、しかしこんなエレキ本人は弾くわけないよなあ、と思ったら、はっぴいえんどがサポートしている曲があるじゃないですか!
ほんと、不勉強というか無知というか、も時には便利なもので、今さらながらに高田渡ファーストアルバムを新鮮に楽しんだりしております。