最近の新聞記事から、本・書店関係で気になったものを3件ほど。
- 「ふるほん文庫やさん、大手新刊書店で古本販売」(10/20日経)
- 「6500作がDVD1枚に 青空文庫、図書館に無料配布」(10/26朝日新聞)
- 「広辞苑:10年ぶり改訂 来年1月刊行、1万項目を追加」(10/24毎日新聞)
「ラブラブ、うざいも収録 「広辞苑」が来年1月改訂」(10/23東京新聞) - 「広がる本屋のポイント制 期待と不安が交錯」(8/30朝日新聞)
まずは古本文庫。すでに、東京堂書店のふくろう店には「ふるほん文庫やさん」の棚がずいぶん前からできていますし、記事にあるように、紀伊國屋書店でもたまにフェアをやってるのを見かけましたから、初めての試み、ということではないのでしょうが、今回、東京堂書店のほかに、リブロ、丸善といったナショナルチェーンが常設売り場を設置する点で、これまでの枠から大きく踏み出したかたちになっているということのようです。
記事には、《書店側は絶版や品切れの文庫を扱うことで、商品の重複を避け新刊販売との相乗効果を図る。書籍市場が縮小を続けるなか、有力な集客策として古本を活用する。》とあります。この集客策、はたして効果のほどはどうなんでしょうか。
ぼくのように、古本大好き、という向きはともかく、古本というだけで(主に衛生的な理由からか)さわるのもいや、という本好きも決して少なくないようですから、手に入らない文庫が置いてある、買える、やっほー、ということではなさそうな気もします。実際、ふくろう店にはしょっちゅう顔を出してますが、「ふるほん文庫やさん」の棚ってあんまり見てなかったりします。古本は古本屋さんで見るからいいや、って無意識に思っているのかもしれませんし、その棚がお店にしっかりなじんでいない感じがして、無意識に店内周遊ルートからはずしてしまっているのかもしれません。
いずれにせよ、新刊書店での古本問題にはぼくもとても興味がありますので、東京堂やリブロなどの棚は行くたびにのぞいて、しばらく“観察”してみようかな、などと思っています。
青空文庫の件は、記事によれば、《同文庫の魅力をDVDを通じてネットの外にも広め、文学作品などの著作物を社会が共有する意義を強くアピールする》のがねらいなんだそうです。
広辞苑、どの記事も、どんな語が収録されたかをくわしく紹介していますが、空犬通信としてはこんなところが気になったりしています。
《富山の「きときと」、愛知などの「やっとかめ」といった「若者には分からなくなりつつある」各地の方言や、「ウルトラマン」などの「昭和」語も充実。一方、「萌(も)え」「イナバウアー」など、用法が定着していない語や、流行語で終わりそうな言葉は見送られた。》
「ウルトラマン」って、
1)昭和語だったんだ、
2)国民的(だと別に個人的いは思わないけど、世間ではそうされている)辞書に今まで入ってなかったんだ。そんなことに、今さらながらへーと思った次第です。
◆今日のBGM◆
ナイスジャケシリーズが続きます。
- Sex Gang Children『Beasts』


古典ホラーのサントラ集のようなジャケですが、英国のゴスロックバンドのコンピ。なんだか頭の悪そうな感じのバンド名ですが、ウィリアム・バロウズの小説からとったものだそうです。ゴスロックとクラシックホラーってなんか相性がいいんでしょうか。そういえば、雰囲気的に通じるところのあるバウハウスにも、シングル「ベラ・ルゴシの死」なんてそのものずばりな曲があり、やはりジャケに「ドラキュラ」のビジュアルを使っていましたっけ。