9/1の日記で紹介した『ひとりぼっちのジョージ』を読んで以来、ガラパゴス・ブーム中の空犬です。
もともと爬虫類だの両生類だの、ちょっと異形の生き物たちが好きなんです。怪獣好き恐竜好きと根っこは一緒なんでしょうね。で、ガラパゴスと言えば、ダーウィンが「諸島はまるで爬虫類の天国のようだ」と書き残しているほどの、爬虫類の楽園。ガラパゴスは生物ピラミッドの頂点を爬虫類が占めているというめずらしい生態系なんだそうです。とまあ、こんな場所ですから、空犬は興味津々、もともと地理的興味があったところに、先に挙げたジョージの本がすばらしかったものだから、いっきにガラパゴス熱に火がついてしまった、というわけなんです。単純です。我ながら。余計なお世話です。
影響されると、すぐに現地へ……というわけにはいかないので、すぐに本に走ってます。しかも都合よく、今月の文庫の新刊にガラパゴスものが混じってるじゃあありませんか。というわけで、こんな本を読みました。
- 藤原幸一『沈みゆく方舟ガラパゴス』(講談社+α文庫)
『ジョージ』にも描かれていましたが、この文庫の題名がまさに示している通り、生物の楽園ガラパゴスはけっこう危機的な状況にあるといいます。ガラパゴスにはぜひ一度行ってみたいものですが、こういう本を読むと、ぼくのような脳天気な観光客が訪れるのがいいことなのかどうか、単にゴミを増やしたりよけいなものを持ち込んだりすることになるだけではないのかと悩みます。やはり、根っからの書斎派は、紙上空想旅行を楽しむにとどめるのがいいのかもしれませんね。
となると、今度は文字情報だけだとものたりなくなってきます。で、ちょっと奮発してこんな写真集も買ってしまいました。
- 水口博也『ガラパゴス大百科 大洋に浮かぶ進化の小宇宙』(TBSブリタニカ/阪急コミュニケーションズ)
大判で迫力のカラー図版が全編にたっぷり。またその写真がいいんですよ、どれもこれも。イグアナの皮膚の質感、とげとげの一本一本までばっちりです。ほんとにすばらしい。写真だけじゃなく、情報面も充実、書名通り、まさに『大百科』としかいいようのない中身、ブーム中の身にはたまらない1冊です。毎晩寝る前にながめてます。
ちなみに、今後のガラパゴス周辺読書計画はこんな感じです。新書とか文庫とか読みやすいものにかぎってますが、けっこうあるもんだ、ガラパゴス本。
- 小野幹雄『孤島の生物たち ガラパゴスと小笠原』(岩波新書)
- 千石正一『千石先生の動物ウォッチングガラパゴスとマダガスカル』(岩波ジュニア新書)
- ジョナサン・ワイナ-『フィンチの嘴 ガラパゴスで起きている種の変貌』(ハヤカワ文庫NF)
ところで、ガラパゴスものということで言えば、ほんとはその前にダーウィンの著作を読まないといけないのかなあ、という気もしてるんですが、にわかガラパゴス者が手に取るにはややハードなんですよねえ、岩波文庫は……。
- ダーウィン『種の起原』上下(岩波文庫)
- ダーウィン『ビーグル号航海記』上中下(岩波文庫)