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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

文庫ジャケ買い、紙表紙の誘惑

夏文庫の話題で、ジャケにふれたことがありましたが、先日の朝日新聞でも、文庫のジャケが記事になっていましたね。「文庫本「ジャケ買い」 『人間失格』は『デスノート』風」(9/18付朝日新聞)。


記事の一部を引くと、こんな感じ。《CDのように表紙のデザインで選ぶ「ジャケ買い」でヒットする文庫本が登場した。本も中身だけでは売れない。若い世代の心をつかむために、出版社はあの手この手の戦略を打ち出す。》


別に、ジャケ/表紙デザインで読者の関心を引こうとすること自体は、出版社がふつうに行ってきたことですから、何も今に始まった話ではないのですが、要するに、今回、集英社文庫の戦略があたったのは、古典的な位置にある近代文学作品に、旬の女優なり、旬の漫画家イラストなりをぶつけたという、ミスマッチ感にあるということ、なのでしょうか。


作品の雰囲気を損なわなければ、どんな組み合わせもありでしょう。だから、以前の記事にも書きましたが、各文庫は、定番や古典を甦らせるために、どんどんカバーで冒険してもいいのではないか、と思います。ただ、コメントが記事中に紹介されている岡崎武志さんの言うように「全部を蒼井優にしてほしいくらい大賛成」とはさすがに思いませんが……。



ぼくは本でもレコードでもいわゆる“ジャケ買い”をするほうです。本はさすがにまったく読まないものには手を出しませんが、レコード・CDの場合は、ジャケが気に入って買ったもので、一度も聴いたことがない、なんて盤がごろごろあります(別に大きな声で言うようなことではまったくありませんが)。


そういえば、まったくの偶然ですが、最近、本の「ジャケ」関連のこんな本たちを買っていました。


  • Piet Schreuders『The Book of Paperbacks』(Virgin Books)
  • Phil Baines『Penguin by Design: A Cover Story 1935-2005』(Penguin USA)


前者は、a visual history of the paperback bookの副題通り、1930年代から1950年代のアメリカのペーパーバックの歴史本。見返しには、ペーパーバック各社のシンボルマークが集めてあります。中身は、白黒でサイズが小さめなのがやや残念ですが、ペーパーバックの書影がたくさん挙げてあり、それをぱらぱら眺めているだけでもなかなか楽しめます。いわゆるバタくさい絵柄の、デザイン的には洗練されていないものも多いのですが、こうしてある年代を通して見てみると、ペーパーバック文化のようなものが見えてくる感じで、おしゃれなデザインを楽しむという感覚とは別の意味で楽しめます。イラストやデザインを担当したアーティストたちのWho's Who、ペーパーバック版元の一覧、ペーパーバック蒐集ガイドなど、データや読み物部分も充実しています。ちなみに、この本、1981年刊のもので、情報はやや古め。古本で買いました。


一方のペンギン本は、昨年の刊で、情報は新しいのですが、ペンギンブックスだけなので、内容的なバラエティに乏しい感じはします。ただ、こちらは、書影がカラーで大きめで、ヴィジュアル的にはけっこう楽しめます。アメリカのバタくさい感じと違って、そこはやはり英国の、それもかための本の版元ですから、全体に上品で洗練された感じがします。その分、冒険はあまりない感じ。ただ、ペンギンって一時期から急にデザインの感じが変わりましたよね。この本によれば、1998年、Penguin Essentialsというシリーズからのようですが、お洒落なもの、とんがったものが出てきました。そのあたり、副題にある通り、30年代からずっと通しで見ていくと、単発でデザインを見るのと違い、本のジャケのデザインの変遷がわかって、いろんな意味で参考になります。


ペーパーバック好きならもちろん、英語の本なんか読まないよ、という人でも、装丁やデザインに興味のある方ならば、両書ともけっこう楽しめると思いますよ。




◆今日のBGM◆


  • Sleeper『The it girl』


ジャケ買いの例。別にどうってことないんですけどね。だから、「なんでこんなのを」なんて聞かないでください。「今日のBGM」は変ですね。だって、一度も聴いたことないもので。



これもジャケ買い。こういうのに弱いんです。女性(アーティスト本人とはかぎらない)がギター持ってるジャケ(ギターがFender系ならなおgood)。くー。こちらは聴いてみましたが、別に聴かなくてもよかったかなと思っています(ファンの方が読んでたらごめんなさい)。


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