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空犬通信

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家族から見た堀内誠一……『父・堀内誠一が居る家 パリの日々』刊行

この数年、堀内誠一関連の出版物、新刊や復刊が続いていますが、ファンには見逃せない、ご家族によるこんな本が刊行されました。



版元ドットコムの内容紹介によれば、こんな本です。《本書は、当時中学1年生だった長女の花子が、パリで過ごした日々を中心に父・誠一との思い出を綴った初エッセイです。かけがえのない大切な記憶をたどり、約50年前のパリでの学校生活、取材旅行に同行したヨーロッパの国々、父親の意外な素顔などを振り返りながら、さらに安野光雅、澁澤龍彦、石井桃子、瀬田貞二らとの交流秘話を明かします》。


書き手が堀内誠一の家族(長女)ということで、絵本作家としての、また雑誌のアートディレクターとしての堀内誠一の活動や功績について語ったり紹介したりするタイプの文章とはまったく違った視点で描かれたものになっています。堀内誠一の絵本や関わった雑誌、関連書籍などを多く目にしているであろうファンにとっても、新鮮な話題や記述があちこちに見え、うれしくなります。


購入した本は、読まずに本棚にしまってしまったり、積ん読の山に紛れさせてしまったりすると、買ったことを忘れてしまったりすることがありますから、買ったその日のうちに必ずぱらぱらと目を通すようにしています。買った本のぱらぱら読みをしていると、あまりにもおもしろくて、「ぱらぱら」で済ますことができず、一気に半分とか、ときには全部とか読んでしまうような本がときどきありますが、この『父・堀内誠一が居る家 パリの日々』はまさにそのような本で、気づけば半分強を一気に読んでしまっていました。


ご家族以外の登場人物も大変豪華。内容紹介に名前のあがっている人物以外にも、矢川澄子、太田大八、瀬川康雄、谷川俊太郎といった人たちが文中や写真に登場します。巻頭巻末に掲載された図版も貴重で、特に巻末のアルバムには上に名前をあげたような人たちがごくふつうに写っていたりして、堀内誠一の、というか、堀内家の交遊関係の幅広さ、一緒に仕事をした人脈の幅広さをうかがわせます。これ、資料としても貴重ですよね。


『父・堀内誠一が居る家 パリの日々』は、堀内誠一ファンなら必読と言っていいでしょう。堀内誠一の絵本、堀内誠一が関わった雑誌などを愛読してきた人には、強くお勧めしたい1冊です。


ちなみに、版元のカノアは、ぼくは初めて目にする名前だったんですが、2018年創業の神奈川県茅ヶ崎市の出版社だそうです。(本稿執筆時点で、版元のサイトには本書の情報があがっていなかったため、書誌情報へのリンクは版元ドットコムのものをあげておきました。)


堀内誠一の滞仏時代の関連作としては、以下の本もあります。



『パリからの旅』は、ビジュアル中心のすばらしい本です。1990年の刊だから品切れかな、と思ったら、まだ新刊で流通しているようですね。2022年に文庫化された『ここに住みたい』にもパリや他のフランスの街が取り上げられています。『父・堀内誠一が居る家 パリの日々』は、これらの本と併せて読むとなおいいかもしれません。



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