半世紀ぶりの復刊です。
- まど・みちお、堀内誠一『ぞうのこバナ』(世界文化社)
版元の内容紹介を引きます。《竜巻に巻き込まれ、ママとはぐれた子ぞうのバナ。ありと一緒にママを探す旅に出かけます。砂漠、海、山、厳しい環境の中でも、バナの勇気と周囲の助けによって次々に困難を乗り越えていく姿に心励まされるお話です》。《親子の愛情を優しい言葉で紡ぐまど・みちおと、躍動感あふれる主人公バナを描いた堀内誠一。子どもたちに勇気と夢を与える物語があざやかに蘇る》。
過去記事で何度もふれている通り、昔からの堀内誠一さんファンなもので、所有していないものも含めて、どんな作品があるのかはだいたい知っているはずだったんですが、これは見たことのない本です。
と思って、内容紹介を見ると、《1969年に月刊絵本「ワンダーブック」に収録された幻の作品を絵本化》とあります。ぼくが生まれたころの作品ではないですか。しかも、まど・みちおさんとの組み合わせ。そのような作品をこのタイミングで、このような絵本のかたちで読めるとは。堀内誠一作品のファンにはうれしいびっくりですよね。
本作の主人公はぞう。堀内誠一さんの描くぞうのかわいさ、愛らしさは、代表作のひとつ『ぐるんぱのようちえん』(福音館書店)でおなじみですが、「ぞうのこバナ」の親子ぞうもとてもいいし、ぞうの親子をとりまく生き物たちのいきいきしたタッチもすばらしい。ぞうとありという、大小の組み合わせも効いています。
この絵本には、「ぞうのこバナ」のほかに、童謡に絵をつけた作品も収録されています。まど・みちおの「ぞうさん」に堀内誠一が絵をつけた一枚もすばらしい。
堀内誠一の愛読者、ファンには必携といっていい1冊になっています。
このところ、堀内誠一作品の刊行が続いていますが、ファンとしてはうれしいかぎりです。このブログでも取り上げていますので、よろしければ、こちらとこちらもご覧ください。