昨年2022年は横溝正史の生誕120周年。角川文庫の横溝作品が刊行当時のカバーで次々に復刊され、書店店頭でふつうに目にできるようになっていますね。その角川文庫横溝正史作品のカバー画を手がけたのは杉本一文。杉本一文先生ご本人から横溝関連の企画展、2件のご案内をいただきました。
- 「金田一耕助さん!埼玉で事件ですよ」(さいたま文学館)
- 武生公会堂記念館企画展「美しさと 恐ろしさと 杉本一文の世界」(越前市武生公会堂記念館)




「金田一耕助さん!埼玉で事件ですよ」は、このような内容です(さいたま文学館の案内より)。《横溝正史が生み出した金田一耕助は、日本で最も有名な私立探偵のひとりです。耕助は、1957年初夏に埼玉県戸田市内の荒川沿いに所在する大学ボート部で起こった貸しボート十三号事件に携わっています。今回の展示では、『貸しボート十三号』を最初に紹介した後、耕助が関わった77の事件、『本陣殺人事件』から『病院坂の首縊りの家』までを事件の発生順に紹介します。また、原作本と映画シナリオを並べて展示することにより、原作と映画の内容の相違点を明らかにしてみたいと思います。横溝ワールドを深く味わい、楽しんでもらう機会となれば幸いです》。
事件の発生順の展示で、しかも原作と映画を比較しながら楽しめるようにもしてあるとなれば、これはファンは駆けつけないわけにはいきませんね。
後者、「美しさと 恐ろしさと 杉本一文の世界」は、このような内容です(武生公会堂記念館の案内より)。《推理小説の巨匠・横溝正史の装画を手掛けたことで知られるイラストレーター・銅版画家 杉本一文の展覧会をふるさと越前市で開催します。金田一耕助シリーズの表紙画原画をはじめ、国内外から高い評価を得る銅版画等、100点を超える作品を一堂に集め展覧。ぞっとするほど美しくて、どこか恐ろしい「杉本一文ワールド」へご招待します!》
開催期間ですが、「金田一耕助さん!埼玉で事件ですよ」が1/21〜3/12、「美しさと 恐ろしさと 杉本一文の世界」は1/27〜3/26となっています。
横溝正史ファン、金田一耕助ファン、杉本一文ファンならは、どちらも駆けつけたいところですが、東京在住の身には、桶川にあるさいたま文学館はいいとして、福井県越前市のほうはちょっと悩ましいところ……。越前は企画展の内容紹介にある通り、杉本一文先生のご出身地とのこと。杉本作品の企画展・展覧会は先生から直接案内をいただけることが多いこともあり、作品の多くはすでに目にしていたりするのですが、でも、先生の出身地での企画展となればファンはやはり見ておきたいもの。こういう機会でもないと、地縁のない場所に出かけていくこともないでしょうから、この機にとは思うものの、コロナもまだ収束とはいかない状況故、迷うところです。