しばらく前に、ツイッターでこんなハッシュタグが話題になっていましたね。
「#わたしを作った児童文学」
関連の記事を1つ、あげておきます。「「#わたしを作った児童文学5冊」で蘇る児童文学への記憶 ファンタジーへの親和性高め読書への自信をつけさせる役割」(7/18 Ralsound)。
「わたしが好きな」でも、「わたしのベスト」でもなく、「わたしを作った」というのがみそ、でしょうか。ツイッターで盛り上がった回答を見てみると、単に好きなものをあげているだけに見えるものもあるようですが、「わたしを作った」という部分にこだわって、考えて選んだのであろう、選んだ人の趣味嗜好だけでなく、読書歴が見えてくるように感じられるものも多く、眺めているだけで、本好きの誰かとなつかしい本の話を交わしているような気分を味合うことができました。これだけ盛り上がったというのは、同じように感じた人が多かったということなんでしょうね。
児童書と言えば。毎年のように書いていますが、8月は(子どもたちのように、丸ごと夏休みであったりするわけではもちろんないにもかかわらず)気分的に夏休みっぽい児童書を読みたくなりますよね。
8月は、毎年恒例の児童書月間ということで、我が家の本棚のなかから、児童書、それも最近のものよりも、子どもの頃に楽しんだ、なつかしめの作品たち(それこそ、前述のハッシュタグの候補になりそうなものたち、ですね)を引っ張り出してきて、目の前に積み上げて、休みのたびに順に手にとり、夏休み気分にひたったりしています。
夏休み読書は別に夏っぽい作品でなくても、どんなものでもいいものですが、こういうときは、やはり田舎や海や島が舞台の、子どもたちのひと夏の冒険を描いた作品なんかを選びたくなるもの。
翻訳ものだと、ヴェルヌとか、ケストナーとか、ランサムとか、候補作品はいっぱいあります。子どもの頃に手にしたのと同じ版で読むのがいいのですが、新訳があったり、複数の翻訳が生きていたりするものの場合、あらためて読むぞ、買い足す・買い直すぞとなると悩みますね。
先に挙げた名前でいうと、ヴェルヌは岩波少年文庫、偕成社文庫、福音館文庫などにある他、新潮文庫や創元推理文庫などの大人文庫にも入っていて、訳の違い(書名の訳し方からして違ったりする場合も)のほかに、挿絵の扱いが違うものなどもありますからね。
再読を重ねてきた作品は手元にけっこうたくさんそろえてあるのですが(さすがに、子どものころのものをずっと所有してきた、ということではなく、大人になってから買い直したものがほとんどですが……。というのも、子どものころは学校の図書室や図書館で読むことが多く、所有していたわけではない、ということもあります)、久しぶりに読みたいなと思った作品には手元にないものもたくさんあります。
しばらく前、まだ感染再拡大がこんなに深刻になる前に、大きめの本屋さんに出かけ、児童書棚、それも、岩波少年文庫、偕成社文庫、福音館文庫、講談社青い鳥文庫といった児童書文庫レーベルの棚をじっくりチェックし、何冊かまとめ買いしてきたのでした。これでこの夏の夏休み読書には十分。読むものが足りなくなることはなさそうです。
たとえば、こんなものをピックアップ(読むときはカバーをはずすので、みなカバーをはずした状態になっています。また、ぼくが子どものころには出ていなかった、大人になってから手にした作品も混じっています)。

こういうのは、家で読むのもいいけれど、夏休みの旅先で読みたいものですよね。早く感染云々を気にせずに旅ができるようになるといいなあ。
夏休み読書は、基本的には自分が子どものころに親しんだものから選ぶのですが、ちょっと例外も。たとえば、こんな本たち。

うちの本好きっ子が幼いころに好きだったシリーズの最新巻2冊です。自分が子どもの頃に読んだものだけでなく、子どもが幼いころに一緒に読んだものも、いつのまにか、自分にとって特別な、大事な「子どもの本」になっているんですよね。
というわけで。猛暑と感染再拡大でお出かけ気分になれない本好きも少なくないだろうと思いますが、本好きは、こういうときに、本さえあれば、紙上で、脳内で、自由に旅に出かけることができますからね。
(気分だけの、かもしれませんが)夏休み読書、おすすめです。