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空犬通信

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移転後、初訪問です。「本は人生のおやつです!!」……大阪書店回り

先月、久しぶりに大阪に行く用事がありました。2020年、2021年には一度も大阪行き、というか県外移動の機会がありませんでしたから、3年ぶりということになります。


仕事の用事のついでだったため、使える時間はかぎられていましたが、こういう時期ですので、知り合いとの酒席なども一切なし。空き時間はそれなりにありましたので、初めてのお店、久しぶりのお店併せて、大阪の本屋さんを何店か見てきましたので、何度かに分けて、久しぶりの書店訪問レポートをお届けしたいと思います。



まずは、こちらから。本は人生のおやつです!!。昨年、堂島のお店を閉めてから早一年。この春に兵庫県朝来市で新たなスタートを切った本おやです。堂島時代の本おやで引き合わせてもらった方は数えきれず、イベントをしたことも複数。堂島時代の同店は、大阪で用事があるときは必ず顔を出す、大阪でもっとも縁の深いお店の一つであり、大阪での拠点の一つといっていいようなお店でした。そんなお店が大阪の中心地からなくなってしまうとは……。大阪での居場所の一つを失ってしまったような、そんな気持ちでいたのでした。


さて、今回は、移転後、初訪問です。


本おやは、最寄り駅から徒歩で10分ほど(くわしいアクセスは後述)、柴川という川に面した、蔵のある古い建物を改装したお店です。


2206 本おや 看板2206 本おや 外観

明治の建物だそうで、店舗スペースがあり、脇には瀟洒な庭。奥には住居スペース。隣には蔵が3つ。都心ではちょっと考えられないような、ゆったりした空間になっています。


お店は、堂島時代よりもぐっと広くなり、庭に面した壁面が空いているせいか、開放感のあるつくりになっています。ほぼDIYで仕上げたという店内は、古い建物の良さを活かしたリフォームがされています。本棚は一部、以前のお店で使われていたものもありましたが、壁のサイズに合わせたつくりつけになっていて、収納力もあり、とても見やすい感じ。堂島時代から扱っていた雑貨もスペースをぜいたくにとって展開されています。


スペースに余裕があり、庭もあるので、飲み物でも出してブックカフェスタイルにしても良さそうに思える空間になっていました。


店主坂上さんとはオンラインでのやりとりのみで、対面は久しぶりだったこともあって、おしゃべりに夢中になってしまい(久しぶりでなくてもそうなりがちな相手ではあるんですが;笑)、けっこう長い時間滞在していたのに、店内の写真を撮らせてもらうのを失念。写真は上の2枚しかありません(しかも、うち1枚は看板……)。まあ、でも、これから訪問する人の楽しみを奪ってはいけませんからね。店内の様子は、訪問しての楽しみ、という感じにしておくほうがいいかもしれません。


駅前だとか、商店街だとか、そういう立地ではないのに、お客さんが途切れません。そして、来る人がみな買い物だけではなく、店主とおしゃべりを交わしていくのも、堂島時代と変わらず。ああ、本おやに来たなあ、と感じさせてくれます。ちょっとほっとしてしまいました。


というわけで、堂島時代のお店がさらにパワーアップした感じで、しかも、本おやらしさはそのままという、すばらしいお店になっています。堂島時代を知るお客さんはぜひこの新しいお店にも足を運んでみることをおすすめしますし、堂島時代のことを知らなかった本好き本屋好きも、このユニークな本屋さんをぜひ訪ねてみていただきたいものです。



で、大事なのがアクセスに関する情報。お店の場所とアクセスは、お店のサイトにも情報がありますが、ちょっと補足してくほうがよさそう。


電車派には交通の便がいいとは言いがたい場所にあるため、本おやへは車が便利、とのことです。


でも、ぼくのように車を持っていなかったり、車を出してくれるお友だちがいなかったりする本好きもいるでしょうから、電車でのアクセスについてと、電車で行った場合の注意事項などを書いておきますね。


最寄り駅はJR山陰本線の梁瀬。お店の住所は朝来市ですが、朝来という駅はありませんのでご注意を。検索するとわかりますが、新大阪からも、京都からも、姫路からも、どの新幹線駅からもけっこうかかります。片道、どのルートでも約2時間。うち、姫路は大阪・京都に比べ本数がぐっと減るので注意が必要です。ぼくは大阪から行きましたので、そのルートを。


大阪から梁瀬への直通はなく、福知山で乗り換えることになります。最も速いのは特急を使うルートで、大阪駅から城崎温泉行きの特急こうのとりに乗ります。約1時間半。ただ、特急を使うと交通費のトータルが往復で1万円ほどになりますから、安く済ませたいという方は在来線の快速を使う手もあります。


福知山で山陰本線に乗り換え。真緑の2両編成のかわいい電車が走っています。車窓、左右に里山の風景が広がるエリアを40分ほど行くことになります。
2206 本おや 山陰線2206 本おや 山陰線時刻表

↑ぼくは鉄道には特別な興味がないのですが、好きな人なら喜びそうな緑のかわいい電車が。右の時刻表で本数が大変少ないのがよくわかるかと。


梁瀬は、初めての人だとちょっと不安になるくらい、駅周辺に何もないローカル駅。無人駅ではありませんが、かぎりなくそれに近い感じ。


2206 本おや 駅1

↑雰囲気があっていいんですが、ベンチと飲み物の自販機以外、何もありません。


電車派の人が気をつけるべきは、食事や飲食の買い物。車でなら周囲にいくつか候補があるようですが、歩きだと食事ができるお店は本おや徒歩圏に2つしかなく、1つは開いているかどうか、営業状況が不安定な店のようです。


ぼくが食事したのは、うち一つ、スーパーの敷地の隅っこにあるカフェ。パスタのランチが食べられます。


2206 本おや スーパー2206 本おや コーヒーショップ

(ぼくが訪問したのは、まだマスク着用がとくに飲食店では当たり前という時期でしたが、店主がノーマスクでした。主義主張に基づくもののようで、そのような断り書きの張り紙が入り口にありました。マスクに関する考え方は個人差が大きいので、飲食店で食事を提供している人がノーマスクの場合、それだけで利用したくない、利用できないという人もいると思われますので、一応記録しておきます。ちなみに、パスタもコーヒーもちゃんとしている感じでした。)


スーパーで飲み物や食材は買えますが、駅には売店はなく、駅から本おやまでの間や近隣にはコンビニもありません。いちばん近いファミリーマートも徒歩で数分先のようです。


となると、電車派はトイレも心配になるかもしれませんね。トイレはスーパーの屋外にありました。上記のカフェ内にもあり。ただ、駅舎には見たところありませんでした。駅と本おやとの間に公民館があり、平日なら使わせてもらえるかもしれませんが、いずれにしても限られていることに変わりはありませんので、食事を含む長時間滞在を予定している人はちょっと注意が必要かもしれません。


2206 本おや 周辺地図

↑車があれば、周囲をもっと楽しめるのかもしれません。


駅と本おやの間には古くから続く酒蔵が2つもあります。ぼくはお酒大好きなのに、日本酒が飲めないという野暮な趣味の持ち主なので、寄りませんでしたが、日本酒好きはそちらに寄る時間もとっておくといいでしょう。


2206 本おや 酒蔵

本おやの近くには昭和こども館があります。博物館・美術館ではなく、個人が収集している昭和のグッズを公開しているのだそうで、ぼくが行ったときは閉まっていましたが、運がよければ、昔の雑誌や昭和グッズが見られるそうですよ。本おや店主夫妻の情報によれば、近隣にはほかにも鉄道関連のコレクターとかクラシックカーのコレクターなどもいるそうで、そういうコレクターが同じエリアに集まっているというのはおもしろいですね。

2206 本おや 昭和レトロ12206 本おや 昭和レトロ22206 本おや ポスト

ところで、この感じ、どこかで見たことあるなあと思ったら、東京・青梅の駅前、昭和レトロを売りにしている感じあたり、ちょっと似ていますよね。


あと、さすが里山エリアということで、鳥好きにはうれしいことに、野鳥たちにも会えますよ。山陰本線の車中、左右の車窓からは、川がずっと見えていて、水田もたくさんあるのですが、水田にはサギ類の姿がたくさん。空にはトビ。ほかにも、小型の水鳥類がたくさん見えますが、さすがに移動中の電車の車窓からで、双眼鏡なし、当方の肉眼では種類などはさっぱりわかりませんでした。


駅舎を出ると、ウグイスの声がお出迎え。野鳥の声がたくさん聞こえ、ちょうど季節だったので、街中を飛び交うツバメたちの姿もたくさん見られました。川沿いの散歩の時間も確保すれば、さらに多くの鳥たちに出会えるかもしれません。双眼鏡を持っていかなかったのが残念です。本格的なバードウォッチングエリアというわけではありませんが、鳥好きは小型の双眼鏡を荷物に偲ばせておくといいと思いますよ。


というわけで。本おやの新しい店舗はわざわざ行きたくなるような、そして長居したくなるようなすてきなお店でした。うまく行けば、昭和レトロを楽しんだ後、酒蔵で地元のお酒のお土産も買えるかもということで、時間に余裕を持ってお出かけになることをおすすめします。

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