FC2ブログ

空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

子どものころに好きだった本を読み返すのもいいかもしれない

巣ごもり時には本を読みたい。時間はある。でも、集中力が……というのは、当方だけでなく世界の本読みの悩みのようで、先日も、短い作品がいいかもと、こんな記事を書いたりしましたが、一方で、こういう時間があるときこそ長いものを、という読者もいるようで、先日、見かけた記事では、《レフ・トルストイの小説『アンナ・カレーニナ』への興味関心は13%上昇》などという調査結果が紹介されていました。COURRIER JAPONの記事で、米誌「ファスト・カンパニー」の記事で紹介された、レビュー収集サイト「TasteDive(テイスト・ダイブ)」による統計だそうです。



ここで、関心が高まっているとされている作品が、時間はあるけど、今はそういう気分じゃないよね、という1日で読める作品を紹介するニューヨーク・タイムズの記事「Books You Can Read in a Day」(4/22 The New York Times)で長い作品の例としてあげられていた『アンナ・カレーニナ』だというのがおもしろいですね。ちなみに、『アンナ・カレーニナ』、光文社古典新訳文庫だと全4巻。さあ、読むぞ、という気合いが必要な分量であるのはまちがいないかもしれません。


短いのがいい、いや、長いのがいい、はふだんの読書傾向や好みの関係もあるでしょうから、いちがいにどうこう言えませんが、ぼく自身は最近なんとなく、長くてしっかりした内容の小説はなかなか入り込めないような感じがしています。


本は読みたい、時間はあるけど集中力がない、そういうときは慣れ親しんだ古典&定番作品がいいのでは、読んだことのある作品もたとえばオーディオブックで楽しんでみるといいかも、といった紹介記事もありました。「‘Killing People in Fiction Was Fun’: Mysteries That Have Stood the Test of Time」(5/15 The New York Times)


集中力に欠けている自覚はあるものの、本を読みたい気持ち自体は強いので、なるべく本の世界に入り込みやすいものを、ということで、最近は、昔親しんだ作品、それも、幸せな読書環境の思い出とセットになっている子どものころにふれた作品を読み返すことをよくしています。小学生のころに好きだったマンガや、図書室・図書館で出会った児童文学作品などです。


先日は、この本を手にとりました。



書影 トムは真夜中の庭で 岩波少年文庫書影 トムは真夜中の庭で 原書

初めて読んだ小学生のころから今にいたるまで、何度読み返しているかわからないくらい大好きな作品な1つです。初めて読んだのは学校の図書室で借りた本だったので、写真の本は大人になってから買い直したものです。原書(Tom's Midnight Garden)もあります。


そのような意味で手にとったわけではありませんが、偶然にもこの作品には、外出のままならない兄弟が出てくるんですよね。弟ピーターははしかで療養中。兄のトムは親戚のおじさんの家に預けられるのですが、庭のあるトムの実家と違い、おじさんの家には庭がなく、日中は遊びに出ることもままならない。学校にも行けず、自由に外にも遊びに行けない今の時代の子どもたちのことをどうしても考えずにはいられず、これまでとは違った読書になりました。


日本の読者にはやはりこの装画(スーザン・アインツィヒ)がなじみ深いと思いますが、海外では別の挿絵画家による版も出ています。日本でも、児童文庫レーベルでは古典作品のカバーが今の子どもたちに向けた新しいものに変わっているのが当たり前ですから、それと同じですね。


『トムは真夜中の庭で』にはグラフィックノベル版も出ていることを、子ども向けのグラフィックノベル作品を紹介するニューヨーク・タイムズの記事で知りました。こちら。「Graphic Novels Your Kid (Probably) Hasn’t Read Yet」(The New York Times)


作品の詳細は版元の紹介ページで確認できます。



印象だけで判断するのはどうかと思いますが、岩波少年文庫版の装画に慣れた身には、なんとなく違和感のある絵に見えるかもしれませんね。上記、版元のページでは試し読みもできますから、物語に入れそうな絵かどうか、少し読んで見てから判断するのもいいでしょう。


昔親しんだといえば、ジュブナイルSFがらみで、こんな本にも出会いました。



書影 新キャプテン・フューチャー 創元

なぜ新刊案内にキャプテン・フューチャーがと思ったら、復刊や新訳ではなく、リブートなんですね。2020年に「新キャプテン・フューチャー」作品を新刊文庫で手にできるとは。なんだか不思議な感じです。


キャプテン・フューチャー、最初に読んだのは、あかね書房のこの本かなあ。


  • エドモンド・ハミルトン『宇宙怪人ザロ博士の秘密』(あかね書房)

書影 キャプテン・フューチャー あかね

小学生のころに愛読、SFの世界への道を開いてくれた、思い入れの深いシリーズ「少年少女世界SF文学全集」の1冊です。リブート作品を読む前にまずはこちらを、ということで、久しぶりに読み返してみました。もちろん、今の目で見れば突っ込みどころだらけの作品ではあるのですが、でも、こうした本を手にとると、1冊の重みが今とはまったく違っていた、子どものころの幸せな読書体験がセットで思い出され、思いがけず楽しい読書時間を過ごせるのです。


巣ごもり時期の読書、いろいろな人がいろいろなタイプの本をおすすめしていますが、ぼくからは、子どものころに親しんだ本の読み直し、読み返しをおすすめします。



スポンサーサイト



コメント

邦題が

秀逸ですよね.「トムは真夜中の庭で」
助詞を工夫するだけでこんなに意味深なタイトルに☆

「ホッツェンプロッツ」私も読みました~,先週.
「チョコレート戦争」など日本ものも良いですね.
少年文庫「モンテクリスト伯」はまだ途中です.

児童書と並んでクリスティも同様に読みやすくて再読中
ですが,アマゾンプライムでジョーン・ヒクソン版
「ミス・マープル」が見られると知り,今夢中です.
おかげで寝不足です(~_~;)

  • 2020/05/19(火) 17:33:17 |
  • URL |
  • みこ #nLnvUwLc
  • [ 編集 ]

未来少年コナン

DVD持ってるのに,録画もしてます(*^▽^*)
この二人のバディぶり,サイコーですよね♪
この前思い切って買った「小さなバイキングビッケ」も
少しずつ観てるんです.
安心して楽しく観られるんですよね.

先日の「若おかみは小学生」素晴らしかったー!!
ご紹介ありがとうございました!見逃すとこでした.
永久保存版にします.

  • 2020/05/19(火) 22:16:40 |
  • URL |
  • みこ #nLnvUwLc
  • [ 編集 ]

Re: 邦題が

みこさん>
> 秀逸ですよね
まさに。直訳の『トムの真夜中の庭』に比べ、
圧倒的に、「庭で」の後に続くいろいろを
想像させる、余韻と含みのあるものになって
いますよね。

> 「ホッツェンプロッツ」
すごい、最近の話ですね(笑)。
ぼくはこれから3部作を順に。その後は
『クラバート』に行くか、作家を変えるか、
迷います。

クリスティは早川書房のジュブナイル
ミステリのシリーズも始まりましたから、
新しい読者が増えるかもしれませんね。

  • 2020/05/20(水) 19:50:30 |
  • URL |
  • 空犬太郎 #-
  • [ 編集 ]

Re: 未来少年コナン

みこさん>
いつもありがとうございます。

> DVD持ってるのに,録画もしてます(*^▽^*)
笑。気持ちはわかります。ぼくも、HDとか、
4K対応とか、新編集とか、なんかついていると
同じことしたりしています。

> 安心して楽しく観られるんですよね.
いまは時期的に、この感じって、けっこう
大事なのかもしれませんね。映像の場合でも、
本の場合でも。

> 先日の「若おかみは小学生」素晴らしかったー!!
気に入っていただけてよかった。
いい年をしたおっさんが観るたびに泣いて
ます(笑)。

  • 2020/05/20(水) 19:52:34 |
  • URL |
  • 空犬太郎 #-
  • [ 編集 ]

想い出

空犬様.こんにちは.

「キャプテンフューチャー」ネットで紹介記事読んだら俄然観たくなって
きました.(広川さんの二枚目声聴きたい!)
今のコナンの後に再放送してくれませんかねー.

楽しい「ホッツェンプロッツ」は自分がかつて読んだ図書室と,息子たちに
読み聞かせてた時代などの想い出もよみがえるので,ホント幸せですね.
幼児がいちばんくいついていたシリーズでした.
(二番目は「ぼくは王さま」シリーズかな?絵本以外では.)

ソーセージでビール,分かります分かります(*^▽^*)
ザワークラウトも添えてね. たまーに適当に作ってます♪
(昔買った赤木かんこさんの「子どもの本とごちそうの話」でも,
大体の作り方載ってました.)

  • 2020/05/25(月) 13:22:36 |
  • URL |
  • みこ #nLnvUwLc
  • [ 編集 ]

Re: 想い出

みこさん>
いつもありがとうございます。

> 「キャプテンフューチャー」
再放送、期待したいですねえ。

> 「ホッツェンプロッツ」
ロングセラーの定番は、思い出もダブルですよね。
親子で。だからこそ、時間がたってからの
再読がいろいろな意味で「効く」んでしょうね。

  • 2020/05/29(金) 19:00:11 |
  • URL |
  • 空犬太郎 #-
  • [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する