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空犬通信

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『オリーヴ・キタリッジの生活』のエリザベス・ストラウト作品を続けて読む

しみじみと心に残る作品でした。




書影 My Name Is Lucy Barton

『オリーヴ・キタリッジの生活』がベストセラーになり、同作でピューリッツァー賞も受賞している作家、エリザベス・ストラウト(Elizabeth Strout)の作品です。『私の名前はルーシー・バートン』の題で早川書房から邦訳も出ています。


その早川書房の内容紹介によれば、《予想外の長期入院をすることになった三十代の作家。夫や幼い娘たちと離れ孤独に苦しむ彼女のもとを、疎遠だった母が訪れる。そして二人はぽつぽつと言葉を交わしはじめる。日常にひそむ様々な感情を繊細に描く傑作小説》。


断章を連ねたようなつくりです。ストラウトの文章は非常に平易で、英語がそんなに得意でない人でも辞書なしですらすら読めてしまいそうな文章に見えるのですが、読んでいるうちにじわじわと効いてくる、そんなタイプの作品です。文章の平易さと内容の深さが必ずしも一致しない、そんな好例のひとつといっていいかもしれません。


ストラウトはアメリカの作家ですから、洋書で読むならば、本来は米国版を買うべきなのでしょう(英国版でも別に読む分には問題ないのですが、一部の単語が英綴りになっていたりすると、作品・作家によってはやっぱりなんとなく違和感があったりしますからね)。ぼくもふだんはそのあたりを気にして買い分けているんですが、本書は意図的に英国版を選びました。というのも、英国版のほうが装丁、造本がいいんですよ。


英国版は、小ぶりな上製本。もともとダストカバーがなく、写真にある通り、背継ぎ表紙です。布クロスに白字の背もいいし、表紙の隅の素朴なイラストも洒落ています。つまり、なんというか、とてもたたずまいのいい本なのです。米英の本は上製本もペーパーバックも、お世辞にもデザインや造本がいいとは言えないも決して少なくないなか、こんな瀟洒な造本で出してもらえるなんて、自分が書き手だったらうれしいだろうなあ。そして、当然、読み手としては、選べるならば、そして、値段に大きな差がないのであれば、やっぱりこういう装丁、造本でほしくなりますよね。紙の本を選ぶのであれば。


続いて、同じ著者、同じ版元、同種の造本の、『Anything is Possible』を読む予定です。


書影 Anything is Possible

こちらも『何があってもおかしくない』の題で早川書房から翻訳が出ています。ちなみに、こちら、《生まれ育った田舎町を離れて、都会で作家として名をなしたルーシー・バートン。17年ぶりに帰郷することになった彼女と、その周囲の人々を描いた短篇9篇を収録》という内容(早川書房の内容紹介より)。つまり、先の『私の名前はルーシー・バートン』の続編ですね。楽しみです。


同じ著者の本としては、同じ版元からは、『オリーヴ・キタリッジの生活』の続編である、こちらも出ています。



こちらはまだ手に入れていないのですが、『Anything is Possible』の次に読むつもりでいます。



というわけで、エリザベス・ストラウト、いいですよ。英語が得意な方は、造本がとにかくすばらしい、上記の英国版シリーズをおすすめしますが、早川書房の翻訳版の装丁もいいので、英語はちょっとなあ、という方はぜひ翻訳版のほうで読んでみてください。


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