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空犬通信

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お風呂で、ミュージシャンの自伝・評伝を

ミュージシャンの自伝・評伝の類が好きで、よく手にします。この記事で紹介した、EBTGのトレーシー・ソーンの自伝は当たりの1冊でした。最近読んでいるのはこちら。




書影 Viv自伝

スリッツ(The Slits)のギタリスト、ヴィヴ・アルバーティーンの自伝。版元の内容紹介にはこうあります。《A raw, thrilling story of life on the frontiers and a candid account of Viv's life post-punk - taking in a career in film, the pain of IVF, illness and divorce and the triumph of making music again - Clothes Music Boys is a remarkable memoir.》


まだ途中なんですが、いやはや、実におもしろい。さすが、ガールズバンドのパイオニアのメンバーにして元祖パンクの一人。音楽関連のトピックもおもしろいのは当然なんですが、けっこうなやんちゃぶりを露悪的なくらいにあからさまに書いている私生活の話題もおもしろいというかはちゃめちゃというかで、なかなかに読ませます。


とくに、今年読んだ、同じ女性ミュージシャンの自伝が、トレーシー・ソーンのものだったので、彼女と比べるとヴィヴ・アルバーティーンのワイルドぶりはよけいに目立ちます。いま読んでいるのはスリッツ以前の章なんですが、ゆっくり楽しみながら読みたいと思います。


この後の、音楽シーンの話も楽しみですが、やはり、音楽に憧れ、自分もその世界にと思うようになった、少女時代の話が、こちらの年齢のせいもあるのか、ぐっときます。こんな一節に出会ってしまうと、ああ、自分にも将来は音楽でなどと青臭いことを思った頃があったっけなあ、などとしみじみ思わされたものです。


《I've found the meaning of life, hidden in the grooves of a flat plastic disc. I promise myself I will get to that new world, but I don't know how to make it happen.》


英語ですし、翻訳は出そうもないし、とても万人におすすめの本とは言えませんが、パンクシーンに興味のある方、スリッツが好きな方ならおもしろく読めること間違いないでしょう。



ところで。上の書影、表紙が波打ちまくっているのは、お風呂読書本にしているからです。この記事で紹介したトレーシー・ソーンの自伝も表紙が湿気で反り返っていますね。


お風呂読書、以前はまったく興味がなかったんですが、数年前に目覚めて以来、冬場になると、お風呂読書を楽しむようになりました。お風呂本には、PR誌や古書目録のほか、ペーパーバックを持ち込んだりすることがあるのも、先の記事に書いた通り。お風呂内だと、辞書やスマホ、PCがないので、わからない表現があってもすぐに調べられない。ゆえに、集中して読むことになるんですよね。


もちろん小説でもいいんですが、ミュージシャンの自伝はこういう、わからない表現をすぐに調べられないシチュエーションでの読書には最適なんですよ。というのも、小説は、事前に内容がわからないので、原文だとさっぱり入れない、さっぱりわからない、という事態も生じます。一方、自伝・評伝の場合、そういうものを読もうというのは、それなりにその人物に興味がある場合ですよね。なので、関連記事やライナーノーツなどで、その人物の情報を事前に把握できている場合が多い。つまり、下準備ありの状態で読むことになるわけです。なので、外国語であっても内容に入りこみやすいんですよね(もちろん、本や書き手によりますから、何事にも例外はありますが、一般的に言って、くらいの意味です)


トレーシー・ソーンは少し年上(1962年生)、ヴィヴ・アルバーティーンはさらに年上(1954年生)ですが、当方の好みが古めなこともあって、こんな音楽を聴いて育った、こんなミュージシャンに出会った、こんなライヴに行った、こんなレコードに衝撃を受けた、といった事例がいちいち響くんですよね。頻出する固有名詞もたいていすぐにぴんときますしね。


ミュージシャンの自伝・評伝、トレーシー・ソーンのように翻訳が出るケースもありますが、日本語では読めないことも多い。とくに、バンドの中心人物でない場合は、翻訳はまず期待できないし、そもそも、よほど人気があったり有名だったりしないかぎり、自伝・評伝の刊行自体が難しかったりもするでしょう。その意味で、ヴィヴ・アルバーティーンは2012年にまさかの音楽界復帰&ソロデビューがあったとはいえ、よく本が出たなあ、という感じですよね。


自分の好きなミュージシャンの自伝・評伝が出ていたら、翻訳が出ていなくてもあきらめずに、原文で挑戦してみるのもいいかもしれませんよ。別にお風呂で読む必要はなく、辞書や調べる手段が手元にあったほうがいいかもしれませんが(笑)



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