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空犬通信

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継続は力なり……祝『SFマガジン』60周年、『宇宙船』40周年

SFだの特撮だのホラーだの、そのようなジャンルの作品ばかり愛でている当方のような好みの持ち主には大変縁の深い雑誌2誌の周年記念号が出ています。『SFマガジン』(早川書房)が60周年、『宇宙船』(ホビージャパン)が40周年とのことです。




書影 SFマガジン 60周年書影 宇宙船 40周年

「創刊60周年記念号」と大きくうたわれた『SFマガジン』2020年2月号には記念エッセイ60本が収録されています。《SFマガジンゆかりのかたがた60名に、過去のSFマガジンから一冊選んでいただくとともに、その号にまつわる思い出、掲載作品への熱い思い入れ、そしてそこから広がっていった世界などについて語っていただきました》とあり、SF界を代表するそうそうたるメンバーが稿を寄せています。


ぼくは長くSF読みをやっていますが、単行本・文庫で読む派だったことがあり、『SFマガジン』に関しては、それほど熱心な読み手ではありませんでした。とはいえ、同誌はやはりSF読みにとっては特別な雑誌でしたから、特集が気になったときや、何周年記念号などは買っていましたし、後追いで古書店などでバックナンバーを求めたこともしばしば。我が家の書棚収納能力の関係で、ほとんどは処分してしまいましたが、特別な数冊は手元に残してあります。


さて、今回の特集の趣旨にならって、ぼくも過去号から1冊選ぶとすると何かなあ、などと考えてみました。現物が手元にないので、『SFマガジン カバーデータ・インデックス』を引っ張りだし、表紙絵を眺めながらあれこれ思い出してみました。


なつかしい号、よく覚えている号はいくつもあって迷いますが、1989年8月号(382号)は印象に残る1冊です。特集は「彼女のための物語 ポスト・フェミニズムSF特集」。この号で、コニー・ウィリス「わが愛しき娘たちよ」を読み、びっくりしたのを覚えています。ちなみに、今回の60周年記念特集号では、特集監修をつとめた小谷真理さんと、表紙にひかれて手にし、その後同誌を毎月買い続けるきっかけになったという上田早夕里さんがこの号をセレクト、それぞれ思い出を語っています。


あとは、1990年5月号(394号)もホラー好きには印象深い1冊。特集はスプラッター・パンク。よくぞSFマガジンでこんな特集企画が通ったものだなあ、というセレクト・内容になっていて、ずいぶん物議をかもしたというのもうなずけます。特撮好きとしては1998年9月号(507号)も忘れがたい1冊。特集は「巨大怪獣の咆哮」、怪獣小説特集ですね。


ちなみに、先にふれた『SFマガジン カバーデータ・インデックス』は、700号に達した2014年に発行された自費出版物。創刊号から700号までの、増刊を含む全誌の表紙と『SFが読みたい!』の2014年版までの表紙をすべてカラーで収録したもの。巻末には特集の一覧もあり、資料性の高い1冊となっています。今でも買えるのかどうかよくわかりませんが、SF読み、SF雑誌読みは探してみるといいかも。


書影 SFマガジン カバーデータ

『宇宙船』は、1980年創刊の特撮専門誌。初期は「ビジュアルSF」の雑誌をうたっていましたね。2005年までは朝日ソノラマが発行元で、その後休刊期間を経て、2008年にホビージャパンから定期刊行誌として復刊しています。


ぼくの好みにぴったりのテーマの雑誌なんですが、1980年代は音楽に夢中で、お小遣いやバイト代は音楽雑誌やレコードやカセットに消えていましたし、そもそも、音楽をやるのに、SFだの特撮だのというのもなんだかロックじゃない気がしていて(当時は、です。今ではそんなことはどうでもいいし、両立もするとわかっているのですが;苦笑)、ちょっと離れてしまっていたこともあり、『宇宙船』や『スターログ』、『日本版ファンゴリア』『ホラー・ワールド』といった、SF・特撮・ホラー関係の雑誌には、リアルタイムではまったく手を出していなかったのでした。


まあ、後に、これらを「再発見」し、古本でせっせと集めることになりましたので、今では、これらのSF・特撮・ホラー関係の雑誌はけっこうな量が手元にそろっているんですけどね。『宇宙船』も、毎月買うことはしていないのですが、朝日ソノラマから出ていた時代の古い号は好きで、コンプリートにはほど遠いのですが、あちこちで見かけるたびに少しずつ買いそろえるのを楽しみにしているくらいです。


ちなみに、今回の40周年記念号、表紙は『SSSS.GRIDMAN』のヒロイン2人をフィーチャーしたものになっていますが、これ、衣装が、過去号の表紙のオマージュになっているとのことです。リリースが出ています。こちら


紙の雑誌はABCの数字や報道を見ても、厳しい状況が続いています。一般的な雑誌よりも、カスタマーロイヤリティが高そうな趣味系雑誌のほうがまだ有利なのかなという感じもしますが、それでも、先日の記事で取り上げたように、『映画秘宝』のような、まさに「カスタマーロイヤリティが高そうな趣味系雑誌」の代表選手のような雑誌さえも休刊となる時代ですからね……。


今回記念号・記念イヤーを迎えた2誌は、少なくとも万人向けではないでしょう。でも、限られた層に、そのような情報を必要としている層にばっちり合わせてつくられた、「濃い」雑誌であることはまちがいありません。そうした雑誌が、40年も60年も続いてきたというのはほんとうにすごいことだなあとあらためて思います。そして、ぜひこれからもがんばってほしいものだなあと、そんなふうに思うのです。


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