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空犬通信

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印刷博物館「天文学と印刷 新たな世界像を求めて」の図録がすばらしい

あまりのすばらしさに、震えながら読んでいます。



書影 天文学と印刷

昨年秋から今年の1月にかけて印刷博物館で開催されていた企画展示「天文学と印刷 新たな世界像を求めて」。サイトによれば、このような内容です。


《天動説から地動説(太陽中心説)への転換が起こるきっかけとなった『天球の回転について』。著者であるコペルニクスの名は知られている一方、本書の印刷者を知る人は少ないのかもしれません。15世紀のヨーロッパに登場した活版および図版印刷は、新たな世界像を再構築していく上で大きな役割を果たしました。学者と印刷者は共同で出版を行うのみならず、学者の中には自ら印刷工房を主宰した人物も存在します。本展では学問の発展に果たした印刷者の活躍を、天文学を中心に紹介します》。


天文大好き、科学史も大好きという好みの持ち主にはぴったりすぎるテーマの企画展示ではないですか! 全速力で駆けつけなくてはならない展示だったのに、しかも3か月も開催されていたのに、うっかり見逃してしまい、残念な思いをしていたでした(泣)


その後、図録が手に入るらしいこと、しかも大変に評判がいいらしいことを知り、これは手に入れなくてはと思っていたのですが、先日、近くに用事があり、久しぶりに印刷博物館へ。同館のミュージアムショップで、無事に手に入れたのでした。


現物を手にして、その場で、おお!となってしまいましたよ。これはすごい。上の写真をあらためてご覧ください。写真ではその魅力が伝わりにくいかもしれませんが、造本も印刷も実に目を引くものになっていて、とにかくモノとしての存在感がすごいんですよ。


2冊分裏表で並べると絵がつながっている外箱(天地の開いた筒箱になっています)。本体を取り出すと、本体はコデックス装です。ノドまで目一杯開いて見られるように、とのことで選ばれたようです。


表紙は金があしらわれたぜいたくな仕上がり。中身も、15世紀だの16世紀だの、古い時代の印刷物が多いのに、さすがは印刷博物館の図録、大変にきれいな版面で、目を奪われます。


図版類だけでなく、テキストも充実で、当方のような天文本好き、科学史好きには非常に勉強になる内容になっています。


この図録は「第53回造本装幀コンクール」で日本印刷産業連合会会長賞を、「第60回カタログ展」で「文部科学大臣賞+柏木博賞」を受賞しているそうです。デザイン関連の複数の賞を受けたというのもうなずける圧倒的なクオリティ。いやはや。想像以上のブツで、ほんとにうれしい驚きでした。


ぼくと似たような趣味好みの持ち主が読者にどれくらいいるのかわかりませんが、天文本や科学史が好きな人には強力におすすめです。奥付を見ると、すでに重版がされているようですが、図録ですので、いつまでふつうに買えるかわかりませんし、図録は古書で探す際も一般の単行本よりも難しい場合がありますからね。関心のある方は、早めに入手されることをおすすめします。


なお、印刷博物館では『印刷博物館ニュース』というニュースレターが無料配布されています。70号や71号で『天文学と印刷』展および図録についてふれられていますので、そちらも併せての入手を忘れずに。


印刷博物館NEWS 70 71

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