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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

本を「聴く」

先日の松江行きですが、岡山から松江までは、大変に揺れる電車として一部では有名らしい特急やくもを利用しました。



なにしろ、あまりに揺れるので、本が読めないといいますからね。20数年前に乗ったときは、音楽プレーヤーを用意していった記憶がありますが(そう、スマホがなかった時代でした)、今回は、いい機会なので、オーディオブックを試してみることにしました。


オーディオブックは、本をそのまままるごと読み上げた、音による本。アメリカでは、電子書籍などの伸びが落ちているなか、オーディオブックだけが前年比でプラス、それも20数パーセントという大きな伸びになっていることが業界の調査でレポートされています。


日本でも、オーディオブックは着実に市場を広げているようで、今月だけでも、以下のようなオーディオブック関連の記事が目につきました。



オーディオブック、1冊まるごと読み上げるとどれくらいの長さになるのかというと、内容にもよるようですが、200ページほどの単行本・文庫で数時間程度、なかには10時間を超えているものもあります。岡山・松江間は、特急で2時間40分ほどの距離。途中になってしまうかもしれませんが、途中で終わってしまうよりは、ということで、長めの作品を2つ、事前に購入しておきました。まっさらの状態で聴きたいので、家では聴かずに、旅先で聴き始めることにしました。


結論からいうと、オーディオブック、なかなかいいものだなあという感じでした。ナレーターの好みはあると思いますが、内容と声があっていれば、ストレスなく聴けますし、中身もちゃんと頭に入ってきます。


今回、フィクションとノンフィクションを用意。後者はちょっと難しめの内容でしたが、とくに問題はありませんでした。同音異義語とか図版とか註とかの処理は大丈夫かなあと思っていましたが、まったく気になりませんでした。(ただし、この点はけっこう個人差があるかもしれません。)


当方の今回のケースのように、揺れなどの理由で、本を読みたいときに読めない、というシチュエーションにはぴったりでしょう。あと、旅先でたまにあることですが、部屋が暗いことってありますよね。ベッドサイドランプやデスクランプが備わっていない部屋もあります。そのようなときにもぴったりです。電車の中は音を出すわけにはいきませんが、ホテルの部屋ならば、モバイルスピーカーを用意しておけば、音量には注意が必要ですが、音を出して聴けますから、ヘッドホン疲れもありません。


ふだんの読書をすべてオーディオブックで、とまではもちろん思いませんし、そもそも、内容的な向き不向きもあるでしょう。ビジュアル中心のものはオーディオブックというわけにはいきませんしね。文字ものでも、やはり字面を見たい、版面を見たいというものはあるでしょうし、漢字かなの使い分けや表記に特徴のある書き手なども、やはり目で追いたくなりますよね。 (大変な初版部数で話題の人気シリーズ「十二国記」のように、漢字表記と読ませ方に特徴があり、難しいものなどは、やはり目で漢字表記を見ないと頭に入ってきにくいのではないかと思いますし、音だけだと、作品世界の魅力の伝わり方も半減しそう。読み上げ自体も大変でしょう。)


でも、音でもいい、音のほうがいい、という作品もありそうですし、何より、今回のように、「読めない」けど「読みたい」というときには強力な代替手段となってくれそうです。


いいことずくめのようですが、困った点もあります。本の場合、仮に途中で寝てしまったら、自動的にそこでページをくる作業も止まりますから、勝手に進んでしまうことはありませんが、オーディオブックの場合は、音を再生していますので、聴いている途中で寝落ちしてしまうと、そのまま進んでしまいます。


そうなった場合、本と違って、あたりをつけて戻るというのが難しいんですよね。こまめに巻き戻して、覚えのあるあたりまで戻るか、あきらめて、途中がとんだまま聞き続けるか。


今回は、電車のなか、それも大変にゆれる電車の中で、行きは夜、帰りは早朝だったりしたものですから、行き帰りとも、何度か「寝落ち」してしまいまして(苦笑)。あちこちが微妙にとんだ状態になっています。内容を追えなくなるほどではないので、このまま聴き続けようと思いますが(旅の行き帰りだけでは聞き終えられなかったので)、リニアに話が進んでいくフィクション、とくにミステリーなどの場合は、気をつけないといけませんね。


あとは、点数がまだまだ少ないこと。この作家はあるかな、この作品はあるかな、と検索してみても、出てこないというケースが多い、というか、多すぎる。人が実際に全編を読み上げてつくっているものですから、そんなに簡単につくれるものでないのはわかりますが、ただ、本好きを引きつけるにはもう少し作品数がないとなあ、というのを強く感じました。


というわけで、本好きで、まだオーディオブックを聴いたことがないという方は、試してみるといいかもしれませんよ。ぼくは次は(まだまだ数は少ないようですが)SF作品を試してみようと思っています。



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