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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

インスタ、ブックカバーで話題の街の本屋さん……大阪・鶴見の正和堂書店

いい本屋さんだったなあ……記事を書くために撮ってきた写真をながめなが、訪問時のことを思い出していたら、あらためてそんなふうに思えたのでした。


ブックカバー企画やインスタを利用した本の情報発信に熱心なことで話題の大阪・今福鶴見の正和堂書店鶴見店に行ってきました。



(店内写真はすべてお店の方に断って撮影したものです。写真は9/28の様子で、お店の様子は変わっている場合があります。)


正和堂書店の名前を知ったのはツイッターでのこと。とてもすてきなブックカバー企画で話題になっている書店があること、ブックカバーだけでなく、SNS、とくにインスタグラムを使った情報発信に熱心&巧みで、大変な数のフォロワーに支持されていること。本屋好きとしては行ってみたくなりますよね。


大阪の今福鶴見には、イオンモールがあり、なかにはリブロイオンモール鶴見店が入っています。以前、短期間ですが、知り合いが勤務していたこともあり、一度訪ねたことがありますが、エリア的にはほぼ個人的に縁のないところだったこともあり、以来、一度も訪問したことがなく、同店のことも今回のことがあるまで知りませんでした。


お店は、大阪メトロ、長堀鶴見緑地線の今福鶴見駅から徒歩数分。バス通りに面した路面店です。店の真ん前にバス停がありますので、大阪駅と門真駅を結ぶ線(大阪シティバス36号)を利用すれば、大阪駅方面から片道30分強、バス1本で行き来できます。


190927 正和堂書店 外観

↑外観。雑居ビル内の店舗なのかと思ったら、「本」の看板が建物全体の中央いちばん上に掲げられているのがわかります。こちらの建物、全体が書店の所有ということでしょうか。店名の看板も左右に出ていますね。


190927 正和堂書店 入り口2190927 正和堂書店 入り口3

↑入り口。入り口の前には、週刊誌、コミック誌など雑誌が多めに並んでいます。


この入り口だけだと、30坪くらいのお店を想像してしまいますが、実際には左奥に売り場が続いていて、外からの印象よりもずっと大きい店だったので、中に入ったとき、ちょっとびっくりしてしまいました。後で調べてみると、160坪とのことです。街の本屋さんとしては大きめの売り場ですね。


店内の棚にあったレコメンドカードに「SINCE1970」とありましたから、まもなく創業50周年ですね。


190927 正和堂書店 入り口4

↑先の入り口の左奥に売り場が続いているとしましたが、その左側の売り場にも入り口がありました。手前は自転車置き場になっていて、バス道路から少し引っ込んだ入り口になっています。


店内は、右の入り口を入ってすぐの横長のエリアと、左の入り口がある側の奥に細長いエリアの2つに大きく分かれています。横長のエリアのほうには、新刊や雑誌、児童書、そして同店の名前をSNS界に広めることになったSNS連動棚(とぼくが勝手に呼んでいるだけで、そのような名称がついているわけではありません;後述)とでも呼ぶべき棚などがあります。


左側のエリアは、手前に趣味系などの雑誌、ガイド、アダルト、そして奥には単行本、文庫、学参、コミックなどが並んでいます。


お店の棚は、高さをおさえてあるため、店内が見渡せるため、広々として見えます。圧迫感もなく、店内を散策しやすいつくりになっています。


文庫は著者五十音順。棚・平台ともオーソドックスな並べ方でしたが、各列のエンドのディスプレイが、小物を置いたり段差のある台に並べたりなど、こっていて、手作り感のあるものになっていました。全部を撮影してしまうのは、これから来店する方の楽しみを奪ってしまいかねませんから、1か所だけ。


190927 正和堂書店 天気の子

大人気作品『天気の子』の小説版は版元主催のディスプレイコンテストがあるようですが、それに応募したものでしょうか、雲や空をクラフトで作り込んだ、手のかかっていそうなパネル(写真だと、この質感が伝わりにくいのが残念)に、立体の鳥居まで! なつかしい映画化作品の特集との組み合わせも効いています。


児童書売り場を見ていると、児童文庫の棚に、ドラえもんや妖怪ウォッチといったコミックが一緒に並んでいました。なるほど、こうした児童文庫の読者とは年齢層も重なりますし、学習まんがなどにキャラクターものは多いので、両方に興味のある子どもたちには違和感のない並びなんだろうなあと、そんなことを思いました。


コミックの一部を切り出して児童書の売り場に並べるのは簡単なことのようで、実際に行うとすると管理上の手間がかかりますから、店頭でそのような並べ方をしているお店はほとんど見たことがありません。独自の工夫がされていることがうかがえます。


190927 正和堂書店 SNS1190927 正和堂書店 SNS2

こちらが、同店の名前がSNS利用者の間で広く知られるようになるきっかけとなったSNSの連動棚。インスタグラムで紹介した本を集め、それに推薦コメントや「いいね!」の数などを表示して並べています。


この棚だけでなく、店内のあちことに、SNSやネットで話題の本である旨や、いくつ「いいね!」がついたといった情報を記した案内がされています。SNSで見かけた本がうろ覚えでも、あ、あの本かも!とお客さんは気づきやすいでしょうし、ネットやSNSなんて使わない/使えないという年配のお客さんにも、話題の本であることをアピールできる効果もありそうです。


SNSの活用自体は本の世界でもすでに当たり前のことになっているとはいえ、店内の視覚情報にこれだけこまかく反映し、活用している例は目にしたことがなかったので、大変新鮮でした。


この記事を書くにあたって、あらためて調べてみたのですが、ちょっ同店のインスタ(seiwado.book.store)が予想以上にすごいことになっているようで驚いてしまいました。店内にはフォロワーが45,000人を超えた旨の案内が出ていましたが、帰京してからチェックしてみたら、9/28夜の時点で、5万人超になっています。


自分ではインスタは使っていないので、これがどのくらいの数字なのかが実感できていないのですが、通常は利用者が近隣の在住者・在勤者に限定される街の本屋さんのSNSのフォロワー数としてはかなりの数字だといっていいのではないでしょうか。ちなみに、全国区の有名店である「代官山 蔦屋書店 代官山T-SITE」のインスタのフォロワー数が4万人兆であるのと比較すると、そのすごさが想像できますね。


SNSで話題といえば、これもそうですね。同店の名物といっていいでしょう、ブックカバー企画。


190927 ブックカバー 正和堂書店 スイカ1190927 ブックカバー 正和堂書店 スイカ2

↑このアイスキャンディー柄のブックカバーは今年の夏に展開され、ぼくが訪問したときも継続配布中だったもの。第7弾なのだとか。


《暑い夏にぴったりな#アイスキャンデー の#ブックカバー! 今回は、新作2作品を加え4種類のブックカバーを8/10から当店で本を購入していただいたかたにお配りする予定です》と8/4付の同店のツイートにあります(同店のアカウントは@SeiwadoBooks)


ごらんの通り、柄もすてきですが、秀逸なのが、しおりがアイスキャンディーの木製の棒になっていて、組み合わせると、ほんとにアイスキャンディーのかたちになるところ。実物を手にするとあらためてわかりますが、ほんと、とてもよくできています。アイディアの勝利、という感じですね。ちなみに、前年はパンの柄だったそうです。店頭で、インスタで、人気が出るのもうなずけます。


190927 ブックカバー 正和堂書店 レギュラー

↑企画もののブックカバーのほかに、レギュラーのカバーもあります。こちらはオーソドックスなデザイン。


というわけで、大阪・鶴見の正和堂書店鶴見店は、独自の工夫やアイディアにあふれた店づくりをしながら、それでいて、一般のお客さんを置いてけぼりにしてしまいかねないハードルの高い感じは一切なく、老若男女が使いやすい街の本屋さんになっていることに感銘を受けました。こういう本屋さんが駅からすぐの路面店としてがんばっているのを見ると、うれしくなりますね。



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コメント

正和堂さんもリブロさんも、営業で一度伺ったことがあります。
が、出張はいつも強行軍のため、ロクにお店の中を見る時間もなく、ブックカバーのことも知りませんでした。
たくさんの本屋さんを回っているはずなのに、実は何も知らないというのが、お恥ずかしい限りです。

  • 2019/09/30(月) 21:22:22 |
  • URL |
  • 某版元営業 #-
  • [ 編集 ]

Re: 正和堂さん

某版元営業さん>
訪問&コメント、いつもありがとうございます。

> ロクにお店の中を見る時間もなく
はずかしいだなんて、そんなこと
ぜんぜんないと思いますよー。
お仕事で回られるときは、どうしても、自分の
業務に関連するところを中心に見ますから、
それ以外の棚や要素が目に入らないことって
ありますよね。

当方もかつては、仕事の用事でもよく本屋さんに
行っていましたから、よくわかります。何度も通って
いるのに、他のジャンルの棚、ぜんぜん見てなかった
なあ、なんてこともざらでした。

今は、とにかく、行きたい店、訪ねたい店を
ねらって訪ねていますから、たとえ短時間でも、
見たいところをばっちり見てくるのが可能に
なっています。

それでも見逃しはあって、他の人が紹介している
記事やツイートを見て、あちゃー、ってなることも
あったりするくらいです(苦笑)。

  • 2019/10/01(火) 21:35:56 |
  • URL |
  • 空犬太郎 #-
  • [ 編集 ]

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