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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

リーディングスタイル、喜久屋、ジュンク、紀伊國屋……大阪書店巡り その3

ジュンク堂書店や喜久屋書店といった既存の大型店に加え、旭屋書店跡地には紀伊國屋書店が参入するなど、もともと書店の多いエリアだったのが、書店激戦区としてその激戦度合いが以前よりも増している感じのする天王寺・あべのエリア。



先日、短時間ではありましたが、あべのエリアの本屋さんをざっと見て回る機会がありましたので、うち何店かを紹介したいと思います。(ちなみに、前回の訪問記はこちら。)


まずは、リーディングスタイルあべの。スタンダードブックストアは、心斎橋・茶屋町・あべのの3店を展開していましたが、心斎橋は2019年4月に、茶屋町は2018年7月に閉店となっています。あべのはスタンダードブックストアの跡地がそのまま別屋号(ただし、運営母体は同じ)の書店として生まれ変わりました。リニューアルオープンは今年の4月。


リーディングスタイルあべのは、スタンダード時代と場所もサイズ同じで、併設のカフェもそのままですが、書店部分の棚の様子や並んでいる本はスタンダード時代とは印象の違ったものになっています。


関連記事、「Hoopにブック&カフェ「リーディングスタイル あべの」 本の試読も」(5/16 あべの経済新聞)によれば、《「街の本屋さん」として、新刊やこれから話題になりそうな本など約4万冊をそろえ》とのことですから、ベストセラーを置いていないことを売りにしていたスタンダードとは完全に別の路線をいこうとしている、ということなのでしょう。


1908 あべの リーディングスタイル11908 あべの リーディングスタイル21908 あべの リーディングスタイル3

↑エスカレーターのあたりから見渡したところ。右はカフェエリア。


短時間でざっと棚を見て回っただけですが、以前よりも「ふつうの本屋」さんの感じになったのかなあ、という印象を受けました。以前はなかった少年コミックや学参、週刊誌といった、「街の本屋さん」には必要な、ふつうの本もふつうに並んでいます。いわゆる「ベストセラー」もちゃんと並んでいました。


ただ、ではどこにでもある本屋と同じ感じなのかというとそんなことはなくて、以前のスタンダードっぽい雰囲気が残っているところや、新しい店として独自のところを出していこうとしているように思われるところなども、あちこちに見られました。


上の写真で、通路側に見えている柱の周囲や平台では、フェアや新刊が展開されています。壁際はレギュラー棚で、ジャンルプレートが上に掲示されていたり、合板の什器が使われていたりというのは、スタンダード時代そのままという感じでしょうか。


ジャンル内で単行本と文庫が混在するスタイルで、文芸書や文庫では著者別の分類になっています。棚を見ていると、へえ、この作家は独立プレートなのか、というようなところが目に入ります。どんな本を、どんな作家をお店としておしていこうとしているのか、どのあたりにお店らしさを出そうとしているのかが、そうした作家やジャンルのプレートの立て方にもなんとなくあらわれています。


店内散策が楽しくなるタイプのお店だと感じましたが、1点だけ気になったのがBGM。ぼくが訪問したときは、ソウル、それも古めのソウルがずっと流れていたんですが、音量がけっこう大きめに感じられました。ぼくは音楽好きで、かつブラックミュージックが好みなので、別に問題ないのですが、書店の客のなかには、BGMの音量にも厳しい方がけっこういるという話は、複数のお店で聞いていますので(音量のほかジャンルについても、けっこうこわいクレーム話などを知り合い書店員から複数聞いたことがあるのです)、ちょっと気になった次第。お客を選ばない「街の本屋」を標榜するには、このあたりもポイントになるかもしれませんからね。


冒頭に書きました通り、天王寺・あべのエリアは、書店事情的にはおそらく府内でも梅田界隈に次ぐ、というか、商圏的にはもしかしたら梅田界隈以上の書店激戦区です。そのなかで、リーディングスタイルが、「以前スタンダードブックストアだったお店」というイメージから脱却して、これからどんな店づくりをしていくのか、本屋好きとしては注目したいところです。


1908 あべの リーディングスタイル ブッックカバー

↑同店のブックカバー。



続いて、喜久屋書店阿倍野店、および同店の子ども館・漫画館。同店については、前回、2014年訪問時にくわしく紹介していますので、そちらも合わせてご覧いただけましたら。


1908 あべの 喜久屋 フロアマップ

大型店のなかには、サイズを維持するのが大変で、売り場を縮小したり、棚の本数を削って在庫点数を減らしたりといった縮小策をとるところもありますが、同店は売り場サイズ的には以前のまま。別売り場になっている児童書エリア、コミックエリアもそのままです。とくに、コミックは、よくぞこの在庫点数を維持しているなあ、というくらいの規模です。


1908 あべの 喜久屋 店内21908 あべの 喜久屋 フロアマップ21908 あべの 喜久屋 店内1

いずれの売り場にも言えることですが、同店は、通路がゆったりとってあり、棚の高さも抑え気味なので、店内にいても圧迫感がなく、開放感があります。お店のおしもわかりやすく、店内散策が楽しくなるタイプのお店です。


1908 あべの 喜久屋 ブックカバー

↑同店のブックカバー。


続いて、ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店


1908 あべの ジュンク

以前に訪問したときは、別の場所だった児童書売り場がまとまり、以前よりも回遊がしやすくなったように感じました。文具売り場は別です。


1908 あべの ジュンク フロアマップ1908 あべの ジュンク フロアガイド21908 あべの ジュンク フロアガイド1

次は、今回初めて訪問する紀伊國屋書店天王寺ミオ店。駅直結の商業施設、天王寺ミオの9階、旭屋書店の跡地に今年3月にオープンとなったお店です。ワンフロア型の店舗としては広めのお店で、サイズは504坪。関連記事はこちら。「紀伊國屋書店、3月に天王寺ミオ店出店へ」(1/23 新文化)


今年1月に閉店になってしまった旭屋書店天王寺MIO店もいいお店でしたから、同店の閉店が発表になったときは、利用客関係者の多くがため息をつくことになったろうと想像されます。周辺には書店も多いし、別の業種の店が入ることになるのかなと多くの人が思っていたでしょうから、跡地に書店が、そのままのサイズで入ると発表されたときは、うれしい驚きでしたよね。


で、今回の紀伊國屋書店の新店ですが、旭屋時代と同じ場所・同じサイズなのに、店内に足を踏み入れたときの印象は以前とはかなり違うお店になっています。棚が整然と並ぶレイアウトというよりは、フェア台など、スペースをこまかくわけて、全体をいい意味で雑然とした感じにまとめ、その周りを書棚が囲んでいる、そんなような印象でしょうか。


あと、旭屋時代(といっても、閉店前の様子は知らないので、自分の知っているころ比べ、かつ、おそらく、ということですが……)よりも雑貨の割合が高めです。そのせいもあってか、全体にはなやかな印象の売り場になっています。


1908 あべの 紀伊國屋書店Mio

↑そのような雰囲気を伝えるには、ぼくの下手くそな、小さな写真では限界がありまして……。


1908 あべの 紀伊國屋書店 しおり1908 あべの 紀伊國屋書店 チラシ1908 あべの 紀伊國屋書店 フロアガイド

↑店頭にはしおり(これ、白黒ですが、以前は同じ柄でカラーのもありましたよね)と、オープン時の案内チラシ兼フロアマップが配布されていました。


当然、ジュンクや喜久屋の品ぞろえとサイズについては、意識したはずで、それらとは違う路線をということで、意識的に選択した路線でしょう。商業施設の感じや客層からしても、方向性としてはぴったりな感じに思えます。


リーディングスタイルと並び、こちらも、天王寺の新しい書店として、すぐに地元利用者に認知され定着しそうな感じがしました。



自分でこうしてレポートをまとめていて、あらためて思いますが、天王寺の書店激戦区ぶりはすごいですね。これが、駅周辺、徒歩数分内にある書店の全部ではなくて一部、ですからね。このほかに、くまざわ書店やアニメイト、ブックオフもあります。天王寺・あべのエリアは、書店事情的には目を離せない感じですね。




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