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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

toi books、絵本と砂の部屋(仮)……大阪書店巡り その1

しばらく前の記事で、大阪・心斎橋エリアの書店について、少しふれました。その後再訪の機会があり、前回訪問できなかったお店にも寄れましたので、あらためて紹介します。



心斎橋エリアでは、昨年から今年にかけて、長く愛された書店が相次いで姿を消すという「事件」がありました。2018年9月には心斎橋アセンスが、2019年4月にはスタンダードブックストア心斎橋が閉店。いずれも個性派で知られ、本好き本屋好きからの支持の厚かった店でしたから、一般の本好きや業界関係者に与えたショックも大変に大きいものとなりました。


そんな心斎橋界隈ですが、一方で、それらと入れ替わるようなかっこうで、新たなお店も生まれています。1つは、前回の記事で紹介したHMV&BOOKS SHINSAIBASHI。もう1つは前回は訪問できず、記事で簡単にふれることしかできなかったtoi books。toi booksの最寄り駅は心斎橋ではなく本町ですが、ミナミの新しいお店として紹介したいと思います。


1908 toi books 外観1908 toi books 外観2

↑ビルの外観。レトロな感じの雑居ビルの一室が店舗です。


ちなみに、同じビル内に「絵本と砂の部屋(仮)なる看板が見え、大変気になります(このときはまだ開いてなかったのですが、新たなブックスポットであることが後日判明;後述)


1908 toi books 看板1908 toi books 階段11908 toi books 階段2

階段の壁面にフロア案内が。なんとなくしゃれた感じですね。


1908 toi books 入り口11908 toi books 入り口21908 toi books 看板2

小さなお店(公式サイトには5坪とあります)に入ると、中央にはテーブルが置かれ、上に本が並んでいます。左右の壁面と正面の壁が棚で、本はぎっしりという感じではなく、余裕を持って並べられています。本の数は当方の好みからするとやや少なめの感じですが、店内の雰囲気には合っていてちょうどいい感じ。新刊と古書が混在で、新刊は直取りの版元の出版物中心のようでした。レジは店内手前、入り口の脇にあります。


壁面をうまく使ったディスプレイで、とくに、店内右側の壁面を埋めるボックス状に区切られた棚は、文芸・自然科学などの一般的なジャンルではなく、「読んだら最後」「夢の中へ」「まんがいっていいなあ」(店内ではメモをとらないことにしているので、うろ覚えです……)などの独自のテーマ設定による区分になっています。そのためのプレート(しかも、木製のブロックに印刷されたもの)まで用意されているという徹底ぶり。


店主は、閉店になってしまった心斎橋アセンス出身の磯上竜也さん。面識があるわけでも、アセンス時代の仕事ぶりや担当棚を知っているわけでもないのですが、それでも、古巣でしっかり培ってきたのであろうものが品ぞろえに存分に活かされていることがなんとなく伝わってきます。


同店は、ツイッターなどSNSを使った情報発信や、イベントにも熱心で、朗読会に読書会にトークにと、スケジュールを見ると、ひとりで回しているお店とは思えないくらい、ひと月に何本ものイベントが用意されています。


まだ一度訪れただけ、しかも超短時間の滞在ですから、なんとなく雰囲気を見てきた、ぐらいの印象でしかないのですが、ミナミエリアの本好き本屋好きにとって、うれしい存在になるのでは、というかすでになっているのではないか、そんなふうに思えました。


1908 toi bokks しおり21908 toi bokks しおり1

お店のオリジナルのしおりが用意されていました。昨今、新刊文庫などにはさみこみの出版社制作のものも、書店で用意しているものも、薄い紙をつかった簡易なものが多くなっているなか、同店のものは厚手の紙をつかった実にしっかりしたつくりのもので、手にとると、おおっ!となります。


購入本には、偶然なんだろうと思いますが、アセンスのしおりもはさまっていました。



おもしろいことに、同じビル内に別のブックスポットが、当方の訪問後に登場しています。「絵本と砂の部屋(仮)同店のことを紹介した関連記事によれば書店ではなく、絵本を自由に読めるスペースとのことで、有料のワークショップを開催していくのだそうです。書店でもブックカフェでもないスタイルで、一般の利用者に本との接点を提供する新たな試みということでしょうか。同じビル内に違うタイプのブックスポットが共存することで、相乗効果も期待できそう。次に大阪行きの機会があったら、こちらにもぜひ寄ってみたいと思います。



今回紹介した2店のあるOSKビルは、船場センタービルの近くですが、同店を訪ねた際はぜひ、センタービルの飲食街にも立ち寄ってみてください。


(以下、本にも本屋にもまったく関係のない、個人的な思い出話です。)


高校のころ、古本とレコードと楽器を求めて、ミナミ界隈、心斎橋〜なんばあたりに出入りしまくっていたことは、何度かこの空犬通信でもふれていますが、お隣の本町というのは繊維街・オフィス街ですから、高校生にはちょっと縁がないというか、そういう感じの街だったんですよね。


当時の地下鉄事情を覚えている人がいるかどうかわかりませんが、梅田側から御堂筋線を利用すると、心斎橋で地下鉄の料金が上がるんです(現在も、梅田・本町間は180円、梅田・心斎橋間は230円)。上がるといっても数十円なわけですが、これが貧乏高校生には惜しくて、行きか帰りのどちらか、場合によっては両方、心斎橋・なんばから、本町まで歩いて、交通費を浮かせるなんてことをしてました。(当時のことを思い出しながら書いていて、ほんとにばかだなあ、と思います。)


そんなとき、ときどきセンタービルで、食事をしたりお茶をしたりしてたんですよね。そんなことをしたら、地下鉄代を浮かす意味がまったくなくなってしまうわけで、もともと意味のない行為にさらに輪をかけて意味を奪いまくっているという……。


今回、toi booksを訪ねた帰り、少し時間があったので、センタービルの地下の飲食街に寄ってみました。


1908 船場センタービル 地下飲食街

いや、もう、びっくりしました。これ、当時のままじゃん! 1980年代、昭和の高校生が目にしたのと、ほとんど同じ光景がそのまま残っていたのでした。ちょっと感激しましたよ。(もちろん、お店の入れ替わりなどは当然あるのでしょうが、全体的な印象として、ということです。)


1908 船場センタービル 純喫茶ヒロ1908 船場センタービル コーヒーゼリー

↑高校生のときもここでお茶してたかもなあ、などと遠い目をしながら、純喫茶でコーヒーゼリーを食べてきました。


以上、だからなんなんだ、って話でした。



toi booksに関連してもう1つ。今回の訪問記を書くために調べていたら、アセンス出身者による新しいお店は、ほかにもあることがわかりました。2018年11月に、大阪・東住吉区、針中野にできた「本の店 スタントン」。以前駒川にあったアセンス針中野店の元店長が開いたお店とのこと。同店については、こちらにくわしい紹介記事があります。


近鉄南大阪線沿線というのは個人的にあまり縁のなかったエリアなんですが、こちらもぜひ機会あれば訪ねてみたいと思います。


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