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空犬通信

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怪奇幻想小説ファンは必読!……『海外怪奇幻想小説アンソロジーガイド』がすばらしい

先日買ったアンソロジーガイドがすばらしい内容でした。




書影 海外怪奇幻想小説アンソロジーガイド

西荻窪の盛林堂書房で買った本です。blogをベースにまとめられた本のようで、盛林堂書房の紹介ページでは、《日本で刊行された海外怪奇幻想小説アンソロジーを紹介してゆくというガイド本です。テーマごとにアンソロジーを紹介しているのと、巻末には怪奇幻想小説のガイド本のガイド「海外怪奇幻想小説参考書ガイド」もつけています》となっています。


「怪奇幻想小説」は大好きですし、1冊でいろいろな作家、いろいろなタイプの作品が読めるアンソロジーも大変好み。となれば、これは手にとらないわけにはいきませんよね。


それに何より、本ガイドの冒頭で取り上げられている、このジャンルの金字塔的な定番アンソロジー、『怪奇小説傑作集』全5巻(創元推理文庫)と『幻想と怪奇』全3巻(ハヤカワ文庫NV)は、ぼくがこのジャンルにのめりこむきっかけとなったシリーズですし、(とくに後者は)今なお愛着のある本たちです。これが冒頭に取り上げられているガイドが、自分の好みに合わないはずがない!ということで手に取り、その日のうちに読み切ってしまいました。


書影 幻想と怪奇 文庫

↑個人的にも思い出深いシリーズ。今もときどき読み返す愛読書です。


このジャンルはぼくも大変好きなもので、愛着&思い入れがありますから、それなりに読んできたつもりでした。でも、上には上がいるものですよね。このジャンルのカバー度合いが、当方のそれとはぜんぜんレベルの違う話でした。カバーしている範囲がとにかくすごい。さらに、ふれられているそれぞれの本・シリーズの読み込み具合もすごい。ほんと、ページをめくりながら、よく調べてあるなあ、と嘆息させられることしきりでした。


このジャンルの本・シリーズが、丁寧に拾われ、紹介がされているのですが、それだけでなく、旧版・新版、元本・文庫版などがあるときに、どこが違うとか、どちらで買ったほうがいいとか、両方チェックしたほうが良さそうとか、古書で本を探して買う際に実地に役立つアドバイスが具体的になされているあたり、探求者には非常にありがたいところでしょう。


このジャンルのまさに良質な「ガイド」となりそうな1冊です。入門者に最適なのはもちろんですが、当方のようにそれなりに読んでいるつもりな中級上級読者でも、落ち穂拾い的なチェックという意味で、充分に楽しめるかもしれません。


巻末に、本文で取り上げられている本の一覧と、人名・作品・事項索引があれば完璧だったのになあと、ついつい高望みしてしまうくらい、それだけ良質かつ高品質なガイドだということです。


どこでも簡単に手に入るタイプの本ではないかと思いますが、幸い盛林堂書房の通販もありますから、お店に行けない、というマニアの方は、サイトをチェックしてみてください。



追記:先に書きました通り、すごいカバー範囲で、当方が知らない本、知ってるけど読んでない本がたくさんありますから、漏れなどを指摘するようなことをしたいわけではぜんぜんないんですが、このジャンルに該当しそうなのに載っていないものに、たまたま、自分の思い入れの強いもの、好きなものがありましたので、あげておきます。



書影 異色作家短篇集アンソロジー 新版3巻

『異色作家短篇集』(ちなみに、ぼくがもっとも愛する短篇叢書です)の新版、最後の3巻は国・地域別のアンソロジーになっています。「異色作家短篇集」ですから、ジョン・メトカーフやヒュー・ウォルポールなど、「怪奇幻想」とは重なる作家・作品も多いはずですし、全編翻訳ものですから「海外」でもありますが、全体に文学寄りだから対象外とされたんでしょうか、なぜかふれられていません。


ちなみに、旧版(ぼくは装丁・造本がかっこいいから好みだからという理由で、函入りの旧版で所有しています)はこちらでした。


  • 『壜詰めの女房 異色作家短編集18』(早川書房)

書影 異色作家短篇集アンソロジー 旧版

こちらは古本でいうところのキキメになっているようで、ぼくもこの巻を入手するのに、けっこう苦労した覚えがあります。


  • 『恐ろしい話 ちくま文学の森7』(筑摩書房)

書影 恐ろしい話 ちくま文学の森

「ちくま文学の森」は古今東西の文学作品をテーマ別に集めたすばらしいアンソロジーシリーズで、親本全16巻を10巻に再編集した文庫版も出ていますね。


この巻はタイトル通り「恐ろしい話」を集めた巻で、ポー、ディケンズ、サキといった、本書ガイド掲載のアンソロジーにも登場している作家の作品も収録されています。日本の作品も含む選集で「海外」ではないということで落とされたものでしょうか。24編収録のうち、海外作品は17編。


以上、本アンソロジーガイドに漏れがあるとか、そういうことが言いたいのではなく、どちらかというと、このジャンルの愛好家として、ほかにもこんなのがあるよ、というおすすめの意味であげてみました。このアンソロジーガイドのテーマに反応された方で、これらが未読だという方は、合わせて、ぜひ。



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コメント

とても好意的なご評価、ありがとうございます。挙げていただいた意見も非常に参考になります。
『異色作家短篇集』のアンソロジーに関しては、入れるかどうかちょっと悩みました。全体として「怪奇幻想アンソロジー」としてはちょっと弱いかな…という判断で省いているのですが、他に文学味が強いアンソロジーも取り上げているので、後から考えると入れてもよかったかもしれないですね。
いつか増補版を作る機会があれば、ご意見も参考にさせていただきたいと思います。

「ちくま文学の森」もすごく良いアンソロジーですよね。

  • 2019/09/17(火) 20:21:02 |
  • URL |
  • kazuou #-
  • [ 編集 ]

『異色作家短篇集』

kazuou さん>
訪問&早速のコメント、ありがとうございます。
そして何より、すばらしいガイドブックを
ありがとうございました。

このジャンルを愛する読者の一人として、
楽しませていただきました。
未読未チェックだったものがたくさん
あって、うれしい悲鳴です(笑)。

  • 2019/09/17(火) 20:42:40 |
  • URL |
  • 空犬太郎 #-
  • [ 編集 ]

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