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空犬通信

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『賜物』……「ナボコフ・コレクション」全5巻の4冊目が刊行

全5巻のコレクション、4冊目が刊行されました。




書影 賜物 新潮

《ロシアから亡命し、ベルリンに暮らす駆け出しの詩人フョードルは、祖国への郷愁、鱗翅学者の父への追慕、急進的知識人の伝記執筆、ジーナとの恋愛を通じて芸術家へと成長していく》という、ロシア語時代、最後の長編です。


「『賜物』? あれ? 新訳をその前に買ってなかったっけ?」

はい、その通りです。今回と同じ沼野充義訳で、河出書房新社の『世界文学全集』版が2010年に出ています。さらに、『賜物』は、1992年、大津栄一郎訳の福武文庫版上下巻もあります。そちらもけっこうな値段で購入した記憶があるのですが、2010年の河出版は《原典から初の邦訳》ですから、当然買わないわけにはいかず、そのときに福武文庫版は手放してしまいました。


で、今回の新潮社版。改訳はされているようですが、同じ訳者ですから、今回はスルーしてもいいところ。河出版が4000円近かったのに対し、今回は6000円超ですし。(出版に携わる者として、本の値付けには理由と意味があると考えていますから、「高い」などとは基本的には言いたくないのですが、福武文庫版はともかく、河出版をすでに所有している身には、今回はさすがにちょっと痛い出費なのでした(涙)。)

でも、新潮版は《言葉遊戯を尽くし、偉大なるロシア文学作品の引喩に彩られた「賜物」と、その関連作品としてナボコフの死後に発表された「父の蝶」を収録》なんですよ。なので、沼野訳河出版『賜物』所有者もスルーできないのでした。なんだか、うれしいのか、哀しいのか(苦笑)


まあ、「ナボコフ・コレクション」はこの装丁、このシリーズでそろえておきたいんですよね。このご時世に、このようなすばらしい(でも、おそらくはそんなにたくさんは売れないであろう)コレクションを出してくれた版元への敬意も含め。


そうなると、問題は旧版をどうするか。ナボコフは新訳が続いているから、なんか、毎回それで悩んでいる気がするなあ(苦笑)この記事にも書いてますね(苦笑)。翻訳違い、版違いをすべてそろえておくような趣味も、物理的余裕もないので、やはり決定版を1つだけ、手元に置いておきたい。となると、ふつうは新訳・新版を残すことになるわけですが、今回はちょっと悩ましい要素も。


書影 賜物 新潮・河出

河出版も、装丁がなかなかかっこいいし、帯の文句もいいんですよね。《さらば本よ! 幻影たちもまた/死を猶予してはもらえない》ですよ。なんだかよくわからない迫力がある。こちらの写真でご覧いただきましょう。


書影 賜物 河出書影 賜物 河出 帯

さらに。月報が入っていて、編者池澤夏樹さんの「ある作家のメイキング・オヴ」なる文章も読めるんですよね。


書影 賜物 月報 河出
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