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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

映画は音楽も楽しい……サウンドトラック本の世界

「映画」と「音楽」が両方好き、ということでサウンドトラックが大好きです。このブログやツイッターにも、あれを買った、これを買ったなんて情報をしょっちゅう発信しています。気づけば、サウンドトラック関係の本が気づけば手元にそれなりにたまっていましたし、先日、トークイベント用にそれらを再読する機会もありましたので、まとめて紹介したいと思います。



(空犬が個人的にセレクトしたもので、サントラというジャンルの基本図書を網羅したわけではありません。紹介した本のなかには、絶版・品切で手に入りにくいものもあります。)


まずは単行本・文庫から。


  • コレクションズ監修『サウンドトラック・パラダイス ヨーロッパ編』(シンコーミュージック)
  • コレクションズ監修『サウンドトラック・パラダイス アメリカ・イギリス編』(シンコーミュージック)

書影 サウンドラックパラダイス2書影 サウンドラックパラダイス1

《サウンドトラック盤が広く普及しはじめた1950年代から、CD時代へと移り変わる1990年代前半までに発売されたヨーロッパ映画のアナログ盤ジャケットを中心にしたもの》と、本の冒頭にあります。アメリカ・イギリス編では途中の「ヨーロッパ映画」が「アメリカ映画及びイギリス映画」になっています。


掲載総点数は各巻1500点以上と大変多く、LPだけでなくシングル(7インチ)盤を載せていたり、原盤と日本盤でジャケの違うものを並べて載せているものもあったりなど、情報量も多く、サントラ好きアナログ好きにはうれしい内容になっています。それだけに、各巻全200ページ超のうち、カラーページが64ページと3分の1ほどで、モノクロ画像が多いのは残念なところ。残念といえば、アメリカ・イギリス編とヨーロッパ編で、背などのデザインが不統一なのもやや残念。


  • 長谷川町蔵『サ・ン・ト・ランド サウンドトラックで観る映画 映画秘宝COLLECTION』(洋泉社)

書影 サントララランド

「サントラで綴る映画クリエイターズ・ファイル」「サントラから紐解く米国アニメ興亡史」「俳優だって音楽にこだわるのだ」「フランチャイズは時代の音とともに」「サントラ・プロフェッショナルの流儀」などなど、章分けも独特で、単なるサントラ作品紹介・映画音楽作家紹介に終わらない、じっくり読ませるサントラ本。全編モノクロですが、ジャケ写を見せるガイド本と違い、読ませるタイプのサントラ本なので、問題ないでしょう。2017年に出たばかりの本なのに、早くも品切れなのか、版元のサイトにも情報がないのが残念。



《使われている音楽をキーワードに2本の映画を絡めて語る》ユニー名切り口による映画&音楽本。《映画というものをポップ・カルチャー全体の文脈で捉え直してみせる》というライムスター宇多丸の帯の惹句にも納得です。


  • 200CD映画音楽編纂委員会編『200CD 映画音楽スコア・サントラを聴く』(立風書房)

作品・音楽家の紹介がベースですが、「監督と作曲家のコラボレーション」「変わった響きの映画音楽」「映画音楽に参加した意外なアーティスト」など、切り口もおもしろく、情報量も多めです。全編モノクロですが、ジャケ写を見せるガイド本ではないので、問題なし、でしょう。



ジャンル別に500枚以上のサントラを紹介。ディスクガイドとしては最新かつもっとも包括的なもの。本文はオールカラーでジャケ写がカラーで見られるのはうれしいし、コラムなども充実しているのですが、ジャケのセレクトなどに疑問があり、全面的にはおせない内容になっているのが惜しいところです。



《『レッドクリフ』『許されざる者(日本版)』『殺人の追憶』など、数多くの映画音楽を手掛ける作曲家・岩代太郎が映画音楽の舞台ウラを語りつくす》という内容で、目次には「映画音楽を創る」といった、実作者ならではの項目が並びます。作り手の観点で映画音楽が掘り下げられた、読み応えのある1冊になっています。



《音楽・音響演出という方面から日本映画を支えてきた数人の作曲家たちの演出形態を、主観にもとづいて書き記していった》というもの。佐藤勝『用心棒』、武満徹『怪談』、古関裕而『モスラ』、伊福部昭『日本誕生』、芥川也寸志『八つ墓村』、黛敏郎『炎上』、木下忠司ー『喜びも悲しみも幾年月』、團伊玖磨ー『無法松の一生』、林光ー『裸の島』が、取り上げられています。



《作曲家・伊福部昭が映画音楽を担当した黒澤明、本多猪四郎、成瀬巳喜男、今井正、新藤兼人監督などの映画作品を中心に、独創的な音楽観、芸術観、人生観に迫った渾身の書》が文庫化。同じ版元には『伊福部昭綴る 伊福部昭論文・随筆集』もあります。



『ゴジラ』の伊福部昭による音楽論。インタビューも収録。


以降は、雑誌・ムックを。


  • 『季刊映画宝庫 サントラ・レコードの本』No.5(1978年新年)(芳賀書店)

書影 映画宝庫 映画音楽

1978年の刊ですから、40年前の情報なわけですが、当時としては画期的だったのではないかと思われる情報量で、非常に読み応えがあります。単なるアルバムガイドに終わらず、コレタクー、マニア、映画評論家らの記事も充実しています。刊行から40年がたった現在でも、サントラマニアはおさえておいたほうがいいと思われる1冊になっています。


なお、本書は古書としては別にレアなものではないと思いますが、付録の和田誠ポスターがないものが多いので、安価で見つけたときは付録の有無を確認したほうがいいでしょう。ぼくも、ポスターなしのものを買ってしまいました……。


  • 日野康一監修『映画音楽 サントラオールカタログ スクリーン7月号増刊 全416種オール曲目と解説つき』(近代映画社)

1981年、つまりCD登場前夜のタイミングでまとめられたものなので、扱われているのはすべてアナログ盤の情報。以降は、CDが中心のものになっていきます(し、CD化の際にジャケが変わることがしばしばあります)から、先の『季刊映画宝庫』と本書の2冊はその意味でも貴重な資料になっています。当然ネット通販などなかった時代。入手方法(レコード会社からの取り寄せ)の情報が掲載されているのも時代を感じさせますね。


ジャケを見せるタイプの本としては、ジャケの扱いも大きめで、最初の50ページ(全130ページ)はカラーですが、残りはモノクロなのが残念。ジャケ本でオールカラーで、しかもジャケ写が大きめというのはなかなかないんですよね。収録曲の情報が掲載されているのもポイント。


  • 『Bad News 増刊 ベストサウンドトラック100」 永遠のベストアルバムシリーズ4』(バッドニュース)

アルバム、ソング、映画音楽家のランキング(チャート)をメインに、サントラにまつわるコラムも多数収録。サントラに関しては幅広く網羅されているように見える本なんですが、本文のデザインも素人っぽくて、本として楽しめるようなつくりになっていない感じがするのが残念。口絵2ページをのぞき全編モノクロで、しかもせっかくのカラー2ページも、ジャケではなく、ポスターを載せているという……。


  • 『サウンドトラックGOLDMINE CDジャーナルムック』(音楽出版社)

書影 Gold Mine

巻頭エッセイは淀川長治、インタビューは伊福部昭にダニー・エルフマンで、70人の映画音楽家たちを取り上げた章や「サントラの裏側」「傾向でみるサウンドトラック」などの章があり、サントラ関連本としての資料性は高い。惜しむらくは全編モノクロで、ジャケの写真が小さいこと。巻末データファイルとして約2000枚のサントラCDデータを掲載。


  • 『STUDIO VOICE』184 1991年 04月号(インファス)

書影 スタジオボイス サウンドトラック

特集は「SOUNDTRACK 映画音楽のトポロジー」。映画監督と音楽家のパートナーシップにスポットをあてた記事や、映画音楽の歴史に関する記事ガブリエル・ヤレドのインタビュー、作品ガイドなど、同誌らしく、今でいうところの「意識高い」系というかお洒落系というか、ややハイソ寄りではありますが、カバーエリアの広い特集になっています。



書影 レココレ サントラ特集1書影 レココレ サントラ特集2

前者の特集は「サウンドトラックを聞こう!」。巨匠中心の内容で、1994年6月に亡くなったヘンリー・マンシーニの追悼記事も。


後者の第2特集が「サウンドトラック ここ数年の注目リイシュー盤をセレクト」。10数ページほどの小特集で、副題の通り、2001年時点でのリイシュー盤を中心にした内容。


  • 『Cut(カット)』2002年7月号(ロッキング・オン)

特集は「映画が音楽を変えた100の瞬間」で、目次には「究極のサントラ・ベスト100」「最新音楽映画10」などが見えますが、残念ながら未見です。



書影 映画遺産 映画音楽

映画人・評論家・作曲家が選ぶランキングに、「映画音楽が心に残る映画ベスト10」、「映画音楽作曲家名鑑」、作曲家・監督へのインタビューなどなど。こういうランキングやデータがずらりと並んだページが続くタイプの本は、資料性は高いのだろうと思いますが、読んでいて楽しい感じがあんまりしないのがちょっと残念なところ。



書影 キーボードマガジン 映画音楽

特集は「映画音楽の技法 Technique of Movie Soundtrack映画のサウンドトラックはどのように作られるのか? 奥深き劇伴音楽の世界に迫る」。全78ページにおよぶ本格的な特集です。同誌はプレイヤー向けの雑誌ですが、この特集は非演奏者が読んでも十分に楽しいものになっています。「映画音楽の歴史」「角川映画音楽革命史」などの記事のほか、坂本龍一、鷲巣詩郎ら作り手側のインタビュー、音楽を使う監督側の代表として黒沢清のインタビューが読めるなど、大充実。



書影 ミュージックマガジン サントラ特集

特集はずばり「映画と音楽」。現時点では映画音楽関連の特集としては最新のものになるのでしょう。70年代ホラー金字塔の1つ、『サスペリア』のリブート版のサントラを手がけたトム・ヨークが表紙になっています。



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