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空犬通信

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カンパネルラにお父さんに……『銀河鉄道の夜』あれこれ

先日、この本を読み終えたんですが、そういえばこのところ、『銀河鉄道の夜』関連の本を続けて読んだなあ、ということに気がつきました。




書影 カンパネルラ版 銀河鉄道の夜

版元の内容紹介によれば、こんな本です。《ジョバンニの旅は終わってもカムパネルラの旅は続く……あの「銀河鉄道の夜」を今夜、カムパネルラが語りなおします。賢治の秘められた恋が甦る、長野まゆみデビュー30年記念小説》。


同じ作者、同じ版元で、同一の世界観で描かれた『銀河の通信所』に続く賢治へのオマージュ全開の作品です。


昨年の12月に出た本で、真冬の夜の読書にぴったりな感じだなあ、と思っていたら、春の読書になってしまいました。もちろん、季節を問わない内容ですので、これからの季節に読むのでもまったく問題ありません。


書影 カンパネルラ版 銀河鉄道の夜 本体

↑カバーもいいのですが、カバーをとった本体のたたずまいがとてもいい感じ。この記事に関連したことを書きましたが、本書のように、カバーをとった本体の意匠がすばらしい本は実はけっこうたくさんあるもの。ふだん読書をするときはカバーをしたままで、本体を見たことがない、という方も多いかと思いますが、シリーズ統一装丁の文庫や新書はともかく、単行本の場合は、(カバーがすてきだなあと思った作品はとくに)カバーをとってみると、思わぬ発見があったりして楽しいものです。


ちょっと話がそれましたが、『銀河鉄道の夜』のオマージュとしては、しばらく前に、この本も手にしていました。



書影 カンパネルラ 文庫

こちらは、2016年刊の単行本の文庫版。気になりつつも親本では読み逃していたので、うれしい文庫化です。《16歳のぼくを置いて母は逝った。母は宮沢賢治研究に生涯を捧げ、否定されている『銀河鉄道の夜』の第四次改稿版の存在を主張していた。花巻を訪れたぼくは、気がつくと昭和8年にいた。賢治が亡くなる2日前だった。たどり着いた賢治の家で、早逝したはずの妹トシとその娘「さそり」に出会うが。永遠に改稿される小説、闊歩する賢治作品の登場人物。時間と物語の枠を超える傑作》。


さらに、少し前になりますが、『銀河鉄道の夜』関連ではこれもありましたね。



書影 銀河鉄道の父

2017年9月の刊。第158回直木賞受賞作ですね。


《地元の名士であり、熱心な浄土真宗信者でもあった賢治の父・政次郎は、このユニークな息子をいかに育て上げたのか。父の信念とは異なる信仰への目覚めや最愛の妹トシとの死別など、決して長くはないが紆余曲折に満ちた宮沢賢治の生涯を、父・政次郎の視点から描く、気鋭作家の意欲作》。


どれも賢治作品に思い入れのある読者なら楽しめそうなものばかり。単独で読むのもいいですが、こういう内容的に関連のある作品を続けて読んでみると、同じ作者の同じ作品がモチーフになっていても、目のつけどころの違いでこんなにもテイストの異なる作品が生まれるのか、ということが、個別に読んでいるときよりもよりはっきりとわかり、読書の楽しみも広がります。


と、いろいろ作品をあげてきましたが、もちろん、元の作品を読んでいるのが前提でのおすすめです。



書影 銀河鉄道の夜 文庫

写真は、夏文庫のときのプレミアムカバー。濃紺に銀の箔押しと、作品内容にぴったりの賢治っぽい色の組み合わせになっていて、手にしているだけでなんとなくうれしい気分にさせられます。もちろん、この版で初めて手にするわけではなく、複数の版で読んでいたり所有していたりする作品なんですが、賢治の文庫は別に何冊重なってもかまいませからね。



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