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空犬通信

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大阪の名物書店が……天牛堺書店が自己破産

書店の閉店。ニュースとしては、残念ながら、それほどめずらしいことではなくなってしまった感はありますが、それでもやはり十数店舗を展開しているチェーンの突然の閉店は、そのエリアの本好きにとってはもちろん、エリア外の本好きにとっても、やはりショックなニュースです……。


先月、大きく報じられた大阪・天牛堺書店の自己破産。記事の内容は重なりますが、記録のため、目に付いた関連記事をいくつかリストアップしておきます。



書店に限らず、店舗の閉店は、事前に噂になったり、先日の記事で紹介したコミック高岡のように、お店が自ら事前告知したりするケースもありますが、今回は本当に突然だったようで、閉店を報じる記事や利用者のツイートには、「突然の閉店」を強調したり嘆いたりするものが目立ちました。


天牛堺書店は、1963(昭和38)年の創業。多くの記事に「大阪の名物書店」とあるように、新書と古書を併売するユニークな営業形態で、府内で12店舗を展開。大阪、とくに本店のある堺市など大阪南部エリアでは長く親しまれてきた本屋さんでした。


天牛堺書店の各店が地元の利用者に愛されてきたことは、閉店を惜しむ人々のメッセージがシャッターに貼られた様子の写真がツイッターに投稿されたり、報道記事に取り上げられたりして、大いに話題になったことからもわかります。記事やツイートに掲載された写真には、子どもが書いたのでしょう、幼い字で書かれた付箋が混じっているのが見えたりして、なんとも切ない気分にさせられます……。まさに「街の本屋さん」だったんですね……。


上にあげた記事にも、《ネット販売の普及や活字離れの影響で》と、この手の記事によくある理由があげられていますが、もう少しくわしく破綻の経緯と理由をまとめた記事も出ています。



本記事をあたっていただきたいのですが、お店のことと、自己破産の経緯がコンパクトにまとまっていますので、一部を引いておきます。《天牛堺書店は、1963年12月に藤吉信夫氏が創業し、1968年7月に法人化した。書籍・雑誌などの新刊書のほか、古書販売にも力を注いでいた。特に、古書は高価買い取りで売れ筋商品を取りそろえ、販売実績を伸ばしていた。順調に事業拡大をたどり、南海電鉄沿線の駅構内や駅前などに次々に出店、立地の良さもあって通勤通学のサラリーマンや学生などを中心に、来客数を伸ばした》。


《ピーク時は25店の出店に加え、学習塾も2教室経営し、1999年5月期の売上高は約29億900万円を計上した。だが、若者の活字離れやインターネットの普及、電子書籍の登場などで、出版不況と呼ばれる厳しい状況に直面。書籍販売を中心にしていた経営が一気に苦境に陥った》。


《業績回復に向け、音楽用コンパクトディスク(CD)やトレーディングカードなどの書籍以外の商品も扱うようになった。だが、想定通りの成果は上がらず、次第に不採算店舗が増加。そこにのしかかるように1998年2月に購入した本社不動産への投資も重荷になっていった》。


《不採算店の閉鎖を進めた結果、12店舗まで縮小し、経費の大幅削減に一定の成果をみせた。だが、採算を確保できていた店舗は「天下茶屋店」と「粉浜店」のみ。規模縮小だけでは深刻な経営改善には結びつかなかった》。


記事の最後にはこんなくだりも。《出版不況でも本を好きな人は多い。だが、多様化する書籍の下では、市場縮小に歯止めをかけるのは困難だ。書店は地域文化の拠点の一つではあるが、それだけで生き残れない。書店もビジネスとして生き残り策を求められる時代に入ったことを自覚すべきだろう》。


《書店もビジネスとして生き残り策を求められる時代に入ったことを自覚すべきだろう》などという、なんだか上から目線の言いように、そんなことは言われなくてもわかってるよ!、言われなくてもみんな「生き残り策」を必死で模索しているよ!と言い返したくなりますが、でも、こんなふうに書かれてしまってもしかたのない現実もあるのが本好き本屋好きであれば痛いほどわかっているだけに、なんだか、歯がゆいような悔しいような、そんな気分です……。



ちなみに、名前の似ているお店に天牛書店があって、こちらはまったく資本関係も血縁関係もない別店舗・別組織の老舗古書店。今回の閉店方法で、混同されたりもあったようですので、お間違えのありませんよう。(10年近く前の記事ですが、天牛書店については、こんな記事を書いていました。)


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コメント

出張で大阪南部を回った時に、何度か訪問したことがあります。
店長さんにも親切にして頂きました。
ニュースを見て驚きました。
ショックです。
いつも同じようなコメントばかりですみません。
でも、それしか言葉が浮かびません。

  • 2019/02/25(月) 14:45:56 |
  • URL |
  • 某版元営業 #-
  • [ 編集 ]

Re: 天牛堺書店

某版元営業さん>
訪問&コメント、いつもありがとうございます。

> ショックです。
> でも、それしか言葉が浮かびません。
同感です。地元の利用者の喪失感を思うと、
何も言葉が出てきませんね。たくさんの
シャッターコメントにあるように、最後まで
地元客に愛される店であったことが救い
ですね。

  • 2019/02/26(火) 21:53:21 |
  • URL |
  • 空犬太郎 #-
  • [ 編集 ]

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