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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

『星の文学館』『月の文学館』

テーマも表紙もセレクトも、好みとしか言いようがない、かつ、ちくま文庫らしいとしか言いようのない作品集(アンソロジー)が出て、大変うれしいのです。




書影 星・月の文学館

星、月、それぞれどんな本なのか、版元の内容紹介を引きます。


《「新しい星が現れたかわりに、古いなにかが姿を消したかもしれない」―寺山修司の描く盲目の少女はこうつぶやく。三浦しをんの「冬の一等星」で星と星を細い線で結ぶ映子も、不気味な光を散らす箒星を見た内田百〓も、占星術師ノストラダムスの予言に分け入る澁澤龍彦も、みな心に自分の星を抱いて空を見上げる。あなたの星はこの本にありますか?美しく輝く35篇の星の文学アンソロジー》(※文中の〓は門構えに月)


《稲垣足穂のMoon Ridersの幻影、中井英夫の月蝕領主の狂気、瀬戸内寂聴が電車に揺られながら見た湖の月、川上弘美の「柔らかい月」、中原中也、花田清輝、多和田葉子、浅田次郎…夜空に浮かぶ美しい月は、密かにふるえる心を映す物語の揺籃だ。昭和・平成の作家たちが思いを筆に載せて描いた選りすぐりのムーン・ストーリー。思わず今宵は空を見上げてしまう珠玉の43篇がぎゅっとこの1冊に》。


言及したい名前はすでに内容紹介でふれられていますから、書き足すことがないのですが、星や月にまつわる作品を手がけた人、星や月に思いを寄せた書き手として、イメージされるであろう名前はほぼカバーされているように見えます。


さらに、こうしたアンソロジーでうれしいのは、自分の好みだけで読むものを選んでいるとなかなか出会いにくい作家や作品に出会う機会を提供してくれること。ぼくはふだんから星や月について書かれた作品が大好きでけっこう読んでいるつもりでいましたが、それでも、この作家も星や月について、こんな作品を書いていたんだ!という驚きが、いくつもありました。


星と月、2冊とも、ふだんから心が宇宙(ここでは「そら」と読ませたい)に向いちゃってる人にはぴったりの本です。だから、2冊とも手元にそろえておいて、夜中に本棚から引っ張りだして、独りそっと愛でたりしたらいいのではないかなあと、そんなふうに思わせてくれる本なのでした。


いずれも収録作品数がページ数に比して多めなのは、短めの作品がたくさん収録されているから。1ページ、とか、1行の作品もあります。ますますもって、深夜の拾い読みにぴったりの造りというわけです。


本好きに長く愛されそうなアンソロジーです。夏の夜のお伴にぜひ。


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