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空犬通信

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「私たち出版業界がすべきこと」……『出版物販売額の実態』

先日で、新刊書店の閉店関連のニュースがやけに目につくという話を記事にしたばかりですが、こんな文章が目にとまりました。



書き手は「日販営業推進室経営相談グループ書店サポートチーム」(ツイッターのアカウントは、@Nippan_SyotenST)となっていて、個人名は記されていません。


先日書いた、最近の新刊書店閉店をまとめた記事に関連する内容になっていますので、一部を引きながら紹介します。



前半、出版界の売上の推移、というか激減ですね、にふれた後、『出版物販売額の実態2017』 がどういうものかについて説明されています。ちなみに、この文章は、表題にもある、日販が年次で発行している資料『出版物販売額の実態』の今年度版の刊行に合わせて「日本の古本屋」に寄稿されたものです。


出版界の売上の大幅減少や、出版物の販売ルートの変遷などにふれられていますが、文章のトーンは、よくある不況宣伝調のそれのように悲観的なものにはなっていません。
《人の生活導線から書店の姿が消えていく中で、今ほど「本」「書店」に注目が集まる時代もないのではないかと思っています。それほど、本は人を幸せにするし、心躍らせるモノであり、生活に必要なモノなんだと痛感しています》。


書店、というとついつい閉店のほうにばかり目がいきがちですが、実は、たくさんの小さな本屋さん、従来型の書店とは営業形態の異なる本屋さんが生まれていたりもします。そのことにもふれられています。


《特に最近は、若い方たちが書店を始めるニュースが多く聞かれるようになりました。みなさんそれぞれの思いを込めた空間を作り、そこには新刊本だけでなく古書や雑貨も取り混ぜて、読者と新たな接点を作ろうとしてます。新しい書店の担い手が増えていくことはうれしい限りです》。


そして、最後はこのように結ばれています。《この1年間で約300件の書店が閉店し、2016年度の書店の軒数は10,583件です。私たち出版業界がすべきことは、そういう新しい書店の担い手をサポートし、新しいタッチポイントを作り続けること、そう思っています》。


『出版物販売額の実態2017』については、日販のリリースをご覧ください。



おそらく一般書店の店頭では扱いがないと思われますが、Honya Club.comで購入できます。商品情報・購入サイトはこちら


この購入サイトには、『出版物販売額の実態』以外にも『書店経営指標 2017』といった、出版・書店界の実状を数字で把握するのに便利な資料が載っています。ちなみに、トーハンも『書店経営の実態』などの資料を出しています。


メディアには、ふたことめには不況だ不況だと、必要以上に出版不況を強調したがる人がたくさんいます。苦しくて厳しい業界であることは間違いありませんが、では、実際にはどの程度の「不況」なのか、数字上はどうなっているのかは、こうした業界資料も使って、ある程度、知っておくのも、本の世界で仕事をする人はもちろんのこと、本と本屋さんに関心のある一般読者のみなさんにとっても、悪いことではないと思います。


業界の置かれている状況について、数字が頭に入っていれば、各種の出版・書店関連ニュースもよりわかりやすくなりますし、何より、不況宣伝に不安な思いをせずに済むかもしれませんからね。そして、いまある《2016年度の書店の軒数は10,583件》を大事にしよう、《新しい書店の担い手をサポート》していこう、という気持ちも自然に強まるかもしれません。


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コメント

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  • 2018/01/05(金) 17:55:50 |
  • |
  • #
  • [ 編集 ]

実態

喜んでいただけたようで、何よりです。
「ルール違反」などということはまったく
ありませんから、どうぞ気になさらず。

  • 2018/01/07(日) 00:07:45 |
  • URL |
  • 空犬太郎 #-
  • [ 編集 ]

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