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空犬通信

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名古屋・千種の児童書専門店、メルヘンハウスに行ってきました……そして悲しいお知らせが

今回の名古屋で書店巡り、名古屋で時間があるときは必ず寄ることにしている千種の児童書専門店メルヘンハウスに寄ってきました。


171104 メルヘンハウス ショップカード

千種駅から徒歩数分。高畠純さんの絵が大きく描かれた、店舗の外壁が目に飛び込んできます。


171104 メルヘンハウス 外観171104 メルヘンハウス 入り口171104 メルヘンハウス 看板

店に入る前からうれしくなるようなお店ですが、中に入るとこれがまたいいんですよね。絵本の棚は、棚板に傾斜をつけた、面陳のはえるものになっています。棚に並んだ本は絵本も読み物も面陳が多めです。特徴的なのは、並んでいる本はすべて、帯がはずされていること。これはお店のポリシーなんでしょうか。帯の惹句ではなく、表紙が本来もつ魅力を見せたいということなのだろうと想像されます。


店内には、子どもたちや親子が座り読みできる木製の大きなテーブルも用意されています。ぼくが訪問したとき、ちょうど数組の親子連れがいました。親子で読み聞かせをしたり、並んで本を探したりしている様子は、眺めているだけで幸せな気分になれます。いつ行っても、店内にとても幸せな時間が流れているのがメルヘンハウスというお店なんですよね。


このすてきなお店を単に紹介するだけで終われればいいのですが、残念なお知らせがあります。メルヘンハウスは、来年の3月に45周年を迎えるそうですが、その区切りのタイミングで閉店することが決まっているそうです。このすてきなお店がなくなってしまうなんて、お店の人から直接話を聞いた今も信じられません。


以前、記事に書いたことがありますので、繰り返しませんが、このお店には個人的にとてもいい思い出があります。このお店との出会いがなかったら、いまこうして本屋さんに関する文章をブログやツイッターに書き散らしたりするようなことにはなっていなかったでしょうし、もしかしたら、出版業界自体を離れてしまっていたかもしれません。


この記事にも書きましたが、児童書からは続けてヒット作も生まれていますし、好調といっていいジャンルです。ただ、子どもの人口自体が減っていることもあり、(たまに世代を超えて読まれるヒットも出ることはありますが、基本的には)他の世代に読まれることで減少分をカバーできない児童書は、今後これまでと同じ規模、同じやり方でビジネスを継続していくことは当然難しくなるわけです。メルヘンハウスのようなお店が継続していけないというのは、そのような児童書をとりまく状況の厳しさもあるのでしょう。


半世紀を目前にしての、今回の閉店はおそらくお店に関わるみなさんにとって、とても厳しく苦しい決断だったはず。ふだんお店に通えるわけではない身で、簡単に、残念だなどと書いたりすることは慎むべきかもしれませんが、それでも、何組もの親子でにぎわう店内を目にしてきたばかりの身にとっては、とても信じられないような話で、やはり残念だとしか言いようがありません。


閉店までにはまだ数か月あります。名古屋でたくさんの子どもたちに本を届けてきたこのすばらしいお店を、幸運にもまだご覧になったことがないという絵本好き、児童書好きの方がいらっしゃったら、この機に、ぜひ足を運んでみてください。


171104 メルヘンハウス トート

同店では、「ひろばメルヘン」というフリーペーパーを発行しています。このフリペについては、版元ドットコムの連載「本屋フリペの楽しみ方」の第20回(2017年11月27日アップ予定)で取り上げています。よろしければそちらも併せてご覧ください。


171104 メルヘンハウス ひろばメルヘン
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