空犬通信

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アンヌ今昔物語、キジムナーkids、バルタン星人……昭和特撮関連VIPの本が続けて刊行されました

昭和特撮関連の重要人物の手になる書籍が続けて刊行になりました。



書影 アンヌ今昔物語書影 キジムナーkids書影 バルタン星人を知っていますか

『アンヌ今昔物語』は版元の内容紹介によればこんな本です。《2017年10月に放送開始50年を迎える特撮の最高峰「ウルトラセブン」。出演したアンヌ隊員こと、ひし美ゆり子さんが、11年続く自身のブログ「アンヌのひとりごと」の中から、監督や出演者の懐かしい思い出、今だから話せる撮影現場の秘話など、「ウルウトラセブン」にまつわるお気に入りのエピソードを厳選したエッセイ集》。


『ウルトラセブン』全49話をひし美さんが振り返るパートがすばらしい。ゲスト俳優がどういう人で、その後どうなったのかなど、当時の関係者に関するトリビアが満載で、貴重な資料になっているし、それに何よりおもしろい。


あとがきを読むと、前著『セブン セブン セブン』(リンク先は文庫版;親本は1997年刊)から20年の間にいろいろあったことがよくわかります。(ご家庭のことなどをストレートに、さらりと書かれています。)。ひし美さんご自身も本文で書かれていますが、関係者で亡くなった方が多いことにもあらためて驚かされ、さびしい気持ちにさせられます。こうして、関係者の努力で貴重な証言が記録され、書籍のかたちとして残されることは、ほんとうにすばらしいことだと思います。


ところで。本書、本文が終わった後に、上原正三さんと手塚昌明さんの解説というかエッセイが収録されていて、その後に、ひし美さんご本人のあとがきが来ていますが、これって、この順序でいいんでしょうか。というのも、上原正三さんが、解説というかエッセイで、ひし美さんのあとがきの内容にふれ、一部引用している箇所があったりするからです。読者にしてみると、まだ読んでいないあとがきの一部を、先に別の方の文章の一部として読んでから、あとがき本体を読むことになるので、なんだかちょっと変な感じがしたのでした。大変満足して読み終えた本だっただけに、ちょっとだけ気になりました。


『キジムナーkids』は、アンヌ本に解説というかエッセイを寄せている上原正三さんが、子ども時代、沖縄時代のことを綴った、《出会い、友情、冒険、好奇心、別れ……そして、希望。少年期特有の感性をノスタルジックに綴る感涙の自伝小説》。《「命(ぬち)どぅ宝」沖縄の犠牲、痛みをのりこえた〝キジムナーkids〟を、ウルトラマンのシナリオライターがみずみずしく描く》とありますから、特撮と沖縄両方に関心のある当方のような者は手にとらずにはいられない1冊です。


厳密には特撮関連本とは言えない内容ですが、ただ、やはり上原正三さんは我々昭和の特撮好きにとっては、ウルトラ他の脚本家として超のつく重要人物のお一人。その上原さんのバックグラウンドを知ることは、上原さんが脚本家として関わってきた作品を楽しむうえで、必須ではないかもしれませんが、でも、意味のあることではないかなあと思います。


『バルタン星人を知っていますか?』は、《放送開始から50年を迎えた「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」、さらには「金曜日の妻たちへ」などの大人向けドラマまで、長年TBSのドラマを支えた監督・飯島敏宏の自伝エッセイ》。


《ウルトラマンのデザインはどのようにして決まったのか、スペシュウム光線のポーズはなぜ十字なのか、バルタン星人の名前に隠された意味など、番組の脚本・設定に関わった著者だからこそ知っている特撮の裏側を描きます》とありますから、昭和特撮好きにとっては必読といってよさそうな内容ですね。450ページ超と分量がありますし、情報量が多くて流し読みができないので、まだ読み切っていないのですが、楽しみな1冊です。


それにしても、初期ウルトラシリーズという昭和特撮の重要な作品に俳優として、脚本家として、監督として関わった人たちの本が続けて出るのは、ファンにはうれしいこと。全部を追いかけるのは、お金も時間も大変ですが、作品を後に残すためにファンにできる唯一のことだと思えばなんでもありませんよね。


昭和特撮関連、初期ウルトラシリーズ関連では、時を同じくして、こんな本も出ています。



書影 学年誌ウルトラ伝説

《初代ウルトラマンからウルトラマン80まで、小学館の学年別学習雑誌=「学年誌」を熱く彩り大ブームを巻き起こした〈ウルトラシリーズ〉の傑作記事ページをオールカラーでたっぷり原寸復刻!!「ウルトラマン」「ウルトラセブン」とたてつづけに放送開始50周年を迎え、ますます評価が高まる《昭和ウルトラ》の全盛期が、当時の興奮そのままに蘇ります》という1冊です。


いやはや、これはたまらんなあ。なつかしくて楽しくてすばらしくて、深夜独りページをめくっていたら、大げさでなく、なんだか涙が出てきそうになってしまいました。これはぼくの前後の世代、昭和ウルトラ世代はぜひ手にしたらいいと思うなあ。


ちょっと脱線しましたが、最後に、3人の関連本もあげておきましょう。


書影 アンヌ本2点書影 ひし美本2点

↑アンヌ隊員=ひし美ゆり子さんの本は単行本も写真集も、とにかく出たら必ず買ってしまうんですよね。新旧アンヌ本を並べてみました。右は、たくさん出ているアンヌ/ひし美さん関連本の一部。


ジャケ アンヌCD

↑アンヌをタイトルに冠したCD作品まで出ていたんですね。『アンヌ今昔物語』を読むまで知りませんでした。冬木透『アンヌのテーマ』。ジャケもいい感じです。


書影 上原正三シナリオ選集

↑上原正三さんがらみではなんといってもこちら。『上原正三シナリオ選集』(現代書館)。700ページ超のボリュームに50本の脚本を収録、さらにDVDまでついている決定版的な選集。値段ははりますが、上原正三ファンは必携でしょう。


書影 バルタン本2点

↑バルタン星人関連本2点。『バルタンの星のもとに』(風塵社)は飯島さんの語り下ろしの本で、聞き手は池田憲章さんと河崎実さんのお二人がつとめています。実相寺昭雄監督との対談が収録されているのも貴重ですよね。このほか、白石雅彦『飯島敏宏 「ウルトラマン」から「金曜日の妻たちへ」』(双葉社)もあり、表紙はやはりバルタン星人が。


もう一冊の『バルタン星人はなぜ美しいか」は、副題「形態学的怪獣論〈ウルトラ〉編」通りの内容の1冊。こちらは飯島さん関連本というわけではありませんが、参考までに。


書影 ジャイアント作戦

↑「千束北男」は飯島敏宏さんの脚本家のときの名義。『ノベライズ版 ウルトラマンジャイアント作戦』(講談社)。劇場用映画の検討用脚本のノベライズ。


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