空犬通信

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ブックファースト渋谷文化村通り店閉店……そして渋谷の本屋事情のこと

明日、6/4で営業を終えるブックファースト渋谷文化村通り店。本日、渋谷で用事があったので、最後の機会と思い、お店を訪問してきました。


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↑交差点あたりから見たところ。今さらなんですが、渋谷のスクランブル交差点って、3つの新刊書店(の案内)が目に入るんですね。大盛堂書店、SHIBUYA TSUTAYA、そしてブックファースト渋谷文化村通り店。



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↑地上からだと階段のところに案内が出ていて、さらに下るとご覧の入り口が。上下を入れずに撮影したら暗くなってしまいましたが、実際にはもっと明るい感じに見えます。


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↑店頭には閉店をつげる案内が。


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↑2フロアで複数入り口のある店ですが、いずれもB1の入り口です。


同店のオープンは2007年。同年のブックファースト渋谷店閉店を受け、それまでは長く旭屋書店渋谷店が入っていた現在の場所(渋谷第一勧銀共同ビル)にオープンとなりました。


今回の閉店に関して、関連記事はWebにいくつも見つかりますが、たとえばこちら。「ブックファースト渋谷文化村通り店、6月に閉店 跡地はヴィレヴァンに」(5/1 KAI-YOU.net)


ほかに関連記事としては、渋谷の書店の出入りにふれたこちらの記事も。「渋谷から、またひとつ書店が消える……「ブックファースト」消滅と“渋谷カルチャー”終焉への嘆き」(5/30 日刊サイゾー)


書店の閉店となると、この記事のように、街のカルチャー自体がもう終わり、みたいなことを言いたくなる人が必ず出てくるもの。後者の記事も、渋谷の書店事情、書店の出入りを紹介してくれるのはいいんですが、よくある悲観論っぽい感じや乱暴なまとめが見られるのが気になります。


《東急文化会館の三省堂書店、東急プラザの紀伊國屋書店、旭屋書店渋谷店、ブックファースト渋谷店、パルコブックセンター……。かつて渋谷駅周辺には、たくさんの大型書店が存在していた。しかし今、そのいずれもが姿を消してしまった》。


《パルコブックセンターもまた、ビル建て替えに伴い休業中。そのほかにも、渋谷駅東口明治通り沿いにあった文教堂渋谷店は10年で閉店。ビルまるごとが書店だった大盛堂書店渋谷本店は05年、43年にわたった歴史に幕を閉じ、今はセンター街の入り口で規模が小さい大盛堂書店渋谷駅前店を残している》。


これはまあ、たしかにそうですね。で、ここにブックファースト渋谷文化村通り店が加わるわけです。たしかに、多くの書店が消えてしまったのは事実です。でも。


《現在営業している渋谷の大型書店といえば、東急百貨店本店7階のMARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店や、前述した渋谷西武1階の紀伊國屋書店渋谷店、渋谷マークシティ1階・地下1階の啓文堂書店渋谷店くらいだ。しかも、かつての大盛堂書店渋谷本店やブックファースト渋谷店のように新刊以外の専門書や学術書が手に入るほどの品揃えではなく、欲しい本がなんでも手に入るとはいい難い状況なのだ》。


これはちょっと乱暴なまとめかなあ、という気がしないでもありません。だいたい、MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店で入手できないような「新刊以外の専門書や学術書」って、たとえばどんな本のことなんでしょうか。それをふつうの新刊書店の在庫に求めること自体がそもそも無茶なのでは……などという気がしないでもありません。


また、意図的なのかなんなのか、HMV&BOOKS TOKYO、SHIBUYA TSUTAYAが無視されているのも気になります。それに、「大型」に話を限らなければ、ほかにも書店はけっこうありますよね。山下書店渋谷南口店、あおい書店渋谷南口店もありますし、エキナカにはBOOK EXPRESS渋谷店も。2016年には新しい書店(純粋な新刊書店とはちょっと店舗のタイプが違いますが)、BOOK LAB TOKYOもできています。あと、タワーレコード内にはタワーブックスもあります。


「渋谷で本を探すことは、もうないと思います。専門的な本はネットで買うでしょうね」という40代の出版関係者だという方の談話が引かれているんですが、そんなに本がない、買えないと嘆くほどの状況でしょうか。駅から少し歩くMARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店を含めて、これだけの新刊書店が、これだけ出版不況が言われる現在も存在していて、しかもこの2、3年の間に新たなタイプの新刊書店まで登場しているというのに。


先に談話が引かれている出版関係者は、「新刊以外の専門書や学術書」が買えないと嘆きつつ、おそらくはHMV&BOOKS TOKYOのことも先入観だけで判断し、同店の人文書のコーナーなど、見たこともないのでしょうね……。業界の関係者が、ある街の書店事情に関して、こんな一面的な見方しかできないとは、なんとも哀しい話です。本来であれば、このような意見に対して、いやいや、こんな本屋さんもありますよ、ここもまだ元気ですよ、などと紹介する側でないといけないのに……。



脱線しました。ブックファースト渋谷文化村通り店の跡地には、ヴィレッジヴァンガードが入ることが報じられています。公式サイトの案内はこちら。「【お知らせ】ヴィレッジヴァンガード渋谷本店」2017年7月14日(金)に新規オープン!」(5/1 ヴィレッジヴァンガード)


ヴィレッジヴァンガードは渋谷宇田川店がこの3月に閉店。ツイッターにも閉店を惜しむ声がたくさん流れたのは記憶に新しいところ。今回の渋谷でのヴィレヴァン復活を喜ぶ人もたくさんいるかと思いますが、新刊書店との入れ替わりというのが、ストレートに喜びにくいところなのかもしれませんね。でも、まったくの別業種でなくてよかった、とほっとしている本好きも多そうです。



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