空犬通信

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大下宇陀児、楠田匡介、甲賀三郎……探偵小説の復刊文庫が続きます

探偵小説読みにはうれしい文庫化が続きます。



書影 大下楠田書影 蟇屋敷

『大下宇陀児 楠田匡介』、帯には《ミステリー専門の図書館が贈る未来へ残したい2つの長編!》とあります。



書名だけでは中身がわからず、版元の紹介ページにも作品名があがっていませんので、内容をあげておくと、大下の長編が「自殺を売った男」、楠田が「模型人形殺人事件」。大下楠田の合作短編「執念」と楠田のエッセイ「二枚の借用証書」も併録されています。


「ミステリー・レガシー」と副題にあるのは、こういうかたち、つまり古いミステリをカップリングしての復刊でシリーズ化の予定があるということなんでしょうか。気になりますね。


『蟇屋敷の殺人』は《車から首なしの遺体が発見されるや、次々に殺人事件が。謎の美女、怪人物、化け物が配される中、探偵作家と警部が犯人を追う。秀逸なプロットが連続する傑作》で、帯には《まさに怪奇探偵小説の怪作!》という三津田信三さんの推薦コメントが載っています。


先の光文社文庫は、以前から古い探偵小説の発掘に熱心なレーベルでしたが、河出文庫のここ数年の探偵小説の発掘・復刊への力の入れぶりはすごいなあ。探偵小説読みとしてはうれしいかぎり。森下雨村、大下宇陀児、国枝史郎、小栗虫太郎と来て、今度は甲賀三郎ですからね。すごいなあ。


この河出文庫の一連の探偵小説復刊は、「KAWADEノスタルジック探偵・怪奇・幻想シリーズ」という名称でまとめられています。『蟇屋敷の殺人』の巻末には、刊行予定として以下の作品があがっています。


  • 小栗虫太郎『二十世紀鉄仮面』(河出文庫)
  • 小酒井不木『疑問の黒枠』(河出文庫)
  • 浜尾四郎『鉄鎖殺人事件』(河出文庫)

シリーズとは別の扱いということなんでしょうか、巻末とカバーそでの一覧にはあがっていませんが、河出文庫には久生十蘭と日影丈吉もありますからね。「探偵・怪奇・幻想」好きは今後も要注目ですね。


十蘭といえば、創元推理文庫も、久生十蘭の『魔都』を4月の新刊として出していますし、その前は海野十三の選集もありましたね。探偵小説の古い作品群が、こうして入手しやすい文庫に入るのは、しかも複数の文庫レーベルに入るのは、探偵小説読みにはやはりうれしいもの。


現代のミステリをばりばり読んでいるような読者のみなさんが、今の目で見ておもしろいものばかりかどうかはちょっとわかりませんが、ミステリが「探偵小説」と呼ばれていた時代の作品たちに手軽にふれられるいい機会です。作者の名前や作品名に聞いたことのあるものがあったり、内容紹介や帯文を呼んで気になったものがあったら、ぜひ手にとってみてください。



追記:文庫ではありませんが、最近だと、文庫並の値段で買える、こんな復刊もありました。



《純文学作家である福永武彦が加田伶太郎のペンネームで発表した「完全犯罪」「失踪事件」「赤い靴」などの探偵小説10編に、随筆「素人探偵誕生記」を併せた異色の一巻》《船田学名義で書かれた未完のSF作品「地球を遠く離れて」も併録した、福永武彦の意外な一面が垣間見える異色作品集》。


『加田伶太郎全集』は新潮文庫で、また扶桑社文庫「昭和ミステリ秘宝」で出ていましたが、品切れ。ぼくは桃源社の単行本と扶桑社文庫を持っているので、さすがに今回は買いませんが、未所有の方にはいいチャンスかもしれませんね。

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コメント

探偵小説好きにはいい時代になりましたね。
ちなみに加田伶太郎は創元推理文庫でも出るようですね。

  • 2017/05/18(木) 00:27:03 |
  • URL |
  • sugata #8Y4d93Uo
  • [ 編集 ]

同感です

sugata さん>
訪問&コメント、ありがとうございます。

> 探偵小説好きにはいい時代
ほんとにそうですね。

> 加田伶太郎は創元推理文庫でも
おお、そうなんですね。
創元に入ると、いろいろな意味で安心ですよね。

  • 2017/05/18(木) 19:15:52 |
  • URL |
  • 空犬太郎 #-
  • [ 編集 ]

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