空犬通信

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『決してマネしないでください。』とマッド過ぎる(愛すべき)科学者たち

いやあ、このマンガ、ほんと大好きです。



書影 決マネ

こんなマンガです。《『日本人の知らない日本語』の蛇蔵による、週刊コミック誌「モーニング」連載の「大人が読める学習マンガ」!! 理系大学を舞台に、今日も最高の頭脳を使った、最高におバカな実験が繰り広げられる。例えば、「スタントマンが燃えても平気な理由を検証する」「切れた蛍光灯をともす」「フライドチキンで骨格標本を作る」「2月が28日しかない理由を調べる」などなど》。


いやはや、猛烈におもしろいです。ほんと、何度読んでも楽しいなあ。内容紹介にある通り、まさに「大人が読める学習マンガ」としか言いようのない作品で、文系なのに理系の話題が大好きな身には大変好みのノリです。


この設定、この登場人物、このネタならば、長く続けられそうな感じですが、3巻しかないのがとても残念……。でも、巻数が少ないので、再読読み通しが簡単にできるので、何度も読み返しています。


ぼくは自然科学の歴史に興味があって、誰がどんなことをどのように発見したのか、という話を読むのが大好きなんですが、そんな興味の持ち主にはまさにどんぴしゃりといっていい内容になっています。理系大学のある研究室を舞台とする主人公たちの毎日の話もおもしろいんですが、次々に披露される自然科学の歴史に名を刻む偉人たちのエピソードがこれまた楽しくて、お勉強もできてしまいます。


本書に出てくる偉人(「異人」と変換され、そのままにしそうになりました)たちは、偉業だけにスポットがあてられているわけではなく、実はけちだったり変人だったりと、人柄にも踏み込んで描かれていますので、みな人間くさくて、それがまた愛おしかったりします。


本書に出てくる偉人(と言いがたい人も出てきますが)で、ダントツに好きなのが、ジョン・ハンター。本好きには、ドリトル先生のモデルになった人だとか、『ジキル博士とハイド氏』のモデルになった人としてその名前を聞いたことがある人もいるでしょう。


ぼくがハンターに興味をもったのは、この本を読んでから。



書影 世にも奇妙な

以前に記事で紹介したことがあります。そのときは親本でしたが、いまは文庫になって手に取りやすくなっています。


以前の紹介記事に、こんなふうに書きました。


(内容紹介に)「ユーモアたっぷり」とありますが、文章も内容も、ほんとにおもしろいです。次々にマッドな連中が出てきて、次々にびっくりなことをやらかしてくれるので、最後まであきさせません》。


《こちらの登場人物は、もう変人ばっかり、どいつもこいつも絵に描いたようなマッドサイエンティストで、笑ってしまいます》。


《引用したいエピソードや文章だらけなんですが、最初のほうから少し引いてみましょうか。《生前どんな立場にあった人であれ、私が解剖したいと思えば、手に入らない人物はいません》。なんかすごいでしょ。これが、《外科を商売から科学へと変えた》とされている人物の台詞ですから。全編この調子で、ほんとにすごい本です》。ここで引用している《外科を商売から科学へと変えた》とされている人物がジョン・ハンターです。


この本には、ジョン・ハンター以外にもマッド過ぎる、でも、人類の医学・科学技術の進歩に確実に貢献してくれた偉人兼異人たちが次々に登場してくるので、たまりません。本書をおもしろく読めた方には、次の本もおすすめ。



書影 自分のからだで

『世にも』と同じテーマの本なので、『世にも』をおもしろく読んだ人ならきっと楽しめると思います。『世にも』も読みやすい本だったんですが、『自分の』の原書は児童書として書かれたそうなので、こちらはさらに平易な文章で、翻訳もいいので、すらすら読めますよ。


複数のマッド科学者たちが登場する本にあっても、異彩を放ちまくっているジョン・ハンターですが、となるとやはり、単独の伝記を読みたくなりますよね。はい、もちろん、あります。



書影 ジョン・ハンター

口絵の数枚以外に、本文には図版の類がまったくない、ぎっしりめの組で本文が450ページ超と、ぱっと見、大丈夫かなと思わせる本ではありますが、心配無用。読み始めると、これが実におもしろいので、分量も図版なしの本文もすぐに気にならなくなると思います。


ジョン・ハンターといえば。しばらく前に、皆川博子さんの『辺境図書館』を読んでいたらこの記事で紹介した本です)、ジョン・ハンターをモデルにした皆川作品があるというではないですか。こちら。



書影 開かせて

本格ミステリ大賞を受賞した話題作ですから、今さら感全開ですが、不明を恥じつつ、大慌てで購入して読んでみたら、もちろんというか当然というか、という感じで、ジョン・ハンターをモデルにしたという主要登場人物の一人は、やはり破天荒ながら愛すべき人柄のユニークな人物になっていて(あくまでモデルなので、名前などは変えられています)、大変におもしろいのでした。


こんな話です。《18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室からあるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男。戸惑うダニエルと弟子たちに治安判事は捜査協力を要請する。だが背後には詩人志望の少年の辿った恐るべき運命が……解剖学が最先端であり偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちが可笑しくも哀しい不可能犯罪に挑む、本格ミステリ大賞受賞作》。もちろんこの「外科医ダニエル」がジョン・ハンターをモデルにしたという登場人物です。


続編もあります。



書影 アルモニカ

《18世紀英国。愛弟子エドらを失った解剖医ダニエルが失意の日々を送る一方、暇になった弟子のアルたちは盲目の判事の要請で犯罪防止のための新聞を作っていた。ある日、正体不明の屍体の情報を求める広告依頼が舞い込む。屍体の胸には〈ベツレヘムの子よ、よみがえれ! アルモニカ・ディアボリカ〉と謎の暗号が。それは、彼らを過去へと繋ぐ恐るべき事件の幕開けだった》。


マッドな科学者のマッドな話がお好みの向きにはぴったりの2冊だと思います。先に紹介したコミックや、ノンフィクション本たちと一緒にぜひ。


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