空犬通信

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幻戯書房からまさかの椿實作品集が……『メーゾン・ベルビウの猫』

まさかこんな本が出るとはなあ。



書影 メーゾン・ベルビウの猫

1982年刊の『椿實全作品』(立風書房)は持っているけれど、まさかこんな単行本ができるほど未収録作品があるとはなあ。うれしい驚きです。即買いにはやや高価な本なので、最初に見かけたときにはちょっと迷ってしまったのですが、やはりこういう本は当方のような読者こそ買わねばならないだろうと、購入。


版元の内容紹介を引きます。《焦土の青空を、無数の金魚がおよぎゆく 焼け跡を生きる、博物学的精神とエロス。中井英夫・吉行淳之介の盟友であり、稲垣足穂・三島由紀夫・澁澤龍彦らの激賞を受けた幻の天才が、『椿實全作品』以降に編んだ未収録の秀作群に、未発表の遺稿ほかを増補した中短篇作品集。椿實没15年・初版一刷1000部限定ナンバー入り》。


ぼくが東京堂書店で買ったのは、限定1000部のうち、206番でした。


巻末に長女、紅子さんによるあとがき「三十五年目の拾遺」 が収録されています。本書成立の経緯がわかる文章自体ももちろんいいのですが、そのなかに昭和57年に開かれた「『椿實全作品』刊行を祝う会」の写真が掲載されています。澁澤龍彦、中井英夫、吉行淳之介、椿実が1枚に収まっているという、その手の文学を好む身にはたまらない1枚になっています。


広くすすめられる本かどうかはちょっと微妙な感じですが、少なくとも、『椿實全作品』をお持ちの方や、上に挙げたような人名に反応した方々はぜひ手にとるべきでしょう。限定ですから、新刊書店でふつうに買えるチャンスを逃すと後で見つけるのは大変そうですしね。



書影 椿實

↑棚から引っ張りだしてみました。『椿實全作品』(立風書房)。解説は中井英夫です。


それにしても。いつものことながら、幻戯書房はほんと、気になる文芸書を出してくるなあ。このような路線にどれほどの読者がついているのかよくわかりませんが、ぜひこれからも続けてほしいなあと思います。


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