空犬通信

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怪獣少年、飛翔、現場……この冬続けて刊行された特撮関連本たち

ウルトラマンオーブが終わってしまいましたね。ウルトラマンXにも楽しませてもらいましたが、ウルトラマンオーブも、昭和ウルトラ世代のオールドファンにも楽しめる、いいシリーズでしたね。わずか25話で終わってしまったのは大変残念なんですが、来年3月に予定されている劇場版を楽しみに待ちたいと思います。


さて、今年もいろいろ特撮関連の出版物が出ましたが、この冬は重要な特撮本が続きましたね。



書影 怪獣少年書影 ウルトラマンの飛翔書影 ウルトラマンの現場


切通理作さんの『怪獣少年の復讐』は、版元の内容紹介によれば《『本田猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣使いと少年 増補新装版』に続く怪獣文化論、第三弾》という本。副題に「70年代怪獣ブームの光と影」とあるように、70年代怪獣ブームを支えた関係者に丁寧に取材してまとめたものです。監督・脚本家など直接作品作りにタッチした人はもちろんのこと、雑誌の誌面を使ってブームを一緒に盛り上げた学年誌の編集者なども登場、昭和特撮の現場に関わった当事者ならではのリアルなエピソードが満載の1冊でした。


読み応えのある本ですが、作家福井晴敏さんとの巻末対談は不要だったかも。話の内容自体はおもしろいところもあるのですが(ゾフィのこととか、思わず笑ってしまいます)、全体に、こうだったらおもしろいよね、という特撮マニアの飲み話のような雰囲気で、それまでの章の濃度とちょっと差がありすぎて、1冊の本としての見た場合、バランスがあまり良くないように思われるからです。


『「ウルトラマン」の飛翔』は、『「ウルトラQ」の誕生』の著者によるドキュメンタリー。前作もそうでしたが、名作誕生の過程を、多くの資料や関係者の証言を丁寧に追いながらまとめた力作。


この2冊はいずれも特撮ファンにはうれしい、中身の濃い本ですが、なんといってもすばらしいのが『ウルトラマンの現場』。


あらためて宣言するまでもないのですが、ぼくは子どものころからの特撮好きで、それなりに年季の入った特撮ファンです。本から入るタイプ、本でおさえておきたいタイプなので、このジャンルの関連本はそれなりにカバーしてきたつもりです。とくに、昭和特撮の金字塔である初代ウルトラマンは関連本も多いので、けっこうな数の本に目を通しています。なので、未発表写真満載などとあっても、ほんとかなあ、と、やや意地悪なことを思ってしまったりもするものですが、この本の場合は、ほんとに見たことのない写真が満載で、うれしいびっくりでした。


ちょっと値ははりますが、ファンにとっては、値段分の価値は十分過ぎるほどにある1冊です。特撮好き、とくに当方のように、誰がどんなふうに作品を作っていたのかという「現場」の話が好きな向きには強くおすすめしたい1冊です。


3冊とも、昭和特撮の名作をつくったクリエイター、関係者のみなさんへのリスペクトに満ちた、とてもいい本でした。この3冊は、対象となる作品が重なっていますから、当然、登場人物も重なっています。同じ作品に関するエピソードが違う観点で語られたり、他の本に出てきた人や場面を写真で確認できたりすることもあります。もちろん、それぞれ単独でも楽しめる本ですが、併せて読むと、さらに発見も多いのではないかと思いますよ。


最後に雑誌・ムックにもふれておきましょう。



毎回、こんな人のインタビューまで!と驚かせてくれる『特撮秘宝』。今号も読み応えがありますね。とくに、昭和特撮ファンには超のつく重要人物の一人、デザイナーの池谷仙克さんの追悼記事は涙なくしては読めません。


『俺たちのウルトラマンシリーズ』、人気ではウルトラシリーズで1、2を争うセブンはともかく、第二期シリーズのなかでもっとも地味なレオは関連本が少ないので、抱き合わせとはいえ、こういうムック企画はうれしいですね。というのも、レオ、個人的に大好きなんですよ。第二期シリーズでは思い入れの深い作品なんです。


真夏竜さんと森次晃嗣さんの師弟対談は、レオのDVDの特典映像ほかでも実現はしていますが、こうしてあらためて読めるのは感慨深いですね。



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