しばらく前のことになりますが、臨時収入(といっても、本やCDや楽器類を処分しただけなんですが)があったので、ブログや時折ある頼まれ文の入力用に、以前から気になっていたポメラを購入しました。かわいい系の怪獣の名前みたいですが(そんなことを思うのは特撮者だけか)、デジタルメモ、テキスト入力マシンですね。
スマホもタブレットも、1台でなんでもできるスーパーマシン化しているこの時世に、テキスト入力専用機かよ、などと言われてしまいそうですが、専用機というのがいいんですよね。
単機能の道具というのは昔から嫌いではない、というかけっこう好きなので(今でもスマホよりカメラのほうが好きだし、シンセとかリズムマシンなど、楽器類も専用機のほうがだんぜん楽しい)、初代が出たときからずっと気になっていたんですよね。
使い始めてしばらくなりますが(この駄文の下書きもポメラで書いたもの)、これがたいそう使い勝手がいいのです。出張や私用旅行など旅先でのメモ取りや原稿書きでの機器選択に悩まされる機会はこれまで何度もあったので、もっと早く導入しておけばと悔やんだほどです。
ところで。ぼくは手書きが好き、というか、正確には手書きの道具、ペンや鉛筆や万年筆、紙のノート、手帖などが好きなんですが、残念なことに、手書きという行為自体は苦手なんですよね。字が大変に汚いし、(これが大問題なのですが)手書きだと、自分の思考を文字化する速度が追いつかないのです。考えが思い浮かぶままに書きたい、入力したいのですが、手書きだとそれがかなわない。
ぼくが初めてワープロを入手したのは大学生のころですが、そのときは、(ちょっと大仰な感じに思われるでしょうが、それを承知であえて書けば)いきなり世界が広がった、身体機能が拡張された、というか、そんなふうに感じたのでした。(身体機能が拡張されたような衝撃を受けたのはこれまでの人生で二度あって、一度がこのワープロとの出会いで、もう1つはギターを手にしたときですが、それはまた別の話。)初めて自分の考えを、そのままの速度で文字に起こせるようになったからでした。
ちなみに、ぼくはタイピングが得意で、ものすごく速いのです。タイピングの選手権で編集者部門があったら、たぶん業界内で上位に入るのではないかなあと、そんな自信もあるくらいに速いのです(笑)。(一方、スマホやタブレットでの入力は苦手で、電車の中で高速フリック入力している女子高生とか見かけると、異次元の能力を見せられているようで、頭がくらくらします。)
なので、パソコンのキーボードと同じ打鍵感覚で入力でき、しかも文章作成によけいな機能がほぼない入力専用機は、ぼくのようなタイプの書き手にはぴったりの機械なんですよ。いい買い物したなあ(笑)。
で、このポメラがどのようにすごいか、なんですが、そこはぼくよりも適任のガジェット使いがこの世界にはたくさんいますので、そのような方々の文章を読んでいただくのがいいでしょう。いくつかあげておきます。
- 「ポメラ「DM200」徹底レビュー どれくらい快適に打てるのか?」
(BIGLOBEニュース) - 「キングジムの「新ポメラ」は買うべきなのか?」(日経トレンディネット)
編集者、ライター、ブロガーなど、大量のテキストを入力する機会の多い書き手には、ふだん使いのメモ機の選択肢の一つとしておすすめしたいと思います。