前回からずいぶん間が空いてしまったのですが、熊本旅行の際に、現地で見聞きしてきた本屋さん・本以外のこと・場所について落ち穂拾い的にまとめます。これから熊本を訪問しようという方の参考に多少なりともなればということで。
本屋さん・本以外としましたが、熊本県立図書館を訪問してきたことは報告していたほうがいいでしょう。

地震の影響で一部のみの開館となっている旨は報道で知っていましたが、同じ施設内にあるというくまもと文学・歴史館も見ておきたかったので、雨の中、訪ねてきました。



↑くまもと文学・歴史館。
場所は、後述する水前寺公園のすぐそば。熊本の中心部から市電またはバス+徒歩で簡単にアクセスすることができます。平成28年1月に開館とありますから、できたばかりで被災ということになってしまったわけですね。




↑同館のパンフレットや、同館で発光している文学マップなど。今年、ちょっとしたブームのようになっている漱石関連もご覧の通り、マップができていました。マップには書店レポート3回目で紹介した古書店、舒文堂河島書店も載っていましたよ。
県立図書館については、その後、こんな記事が出ています。「熊本県立図書館、熊本地震の被害により制限していたサービスを拡大」(12/16 カレントアウェアネス・ポータル)。記事を引きます。《熊本県立図書館が、熊本地震の影響により、1階子ども図書室、くまもと文学・歴史館の開館及び一般図書関係(新刊受入分250冊程度)の貸出、新聞(同館における16紙の最新号のみ)の閲覧にみ限って行っていたサービスを、2017年1月6日から、拡大すると発表しています。カウンターは1階のみで、2階、3階は復旧工事のため使用できないとのことです》。

↑熊本の中心部を走る市電。こちらにも漱石が。
本屋さん回りをする途中で見つけたこちらにも寄ってきました。くまモンスクエア。鶴屋百貨店の東館1Fにあります。くまモングッズが販売されているほか、くまモンのショーも見られます。

何をするところだかよくわからぬままに中に入ったら、ちょうど次のショーの待ち時間だったらしく店内はお客さんでぎっしり。満員になったのか、入り口が閉め切られてしまいましたので、そのままショー待ち、なりゆきでくまモンのステージを観ることになりました。
これがなんというか、大変楽しいステージでした(笑)。くまモンとお姉さん、2人(?)のショーで、ノリノリのお姉さんの盛り上げっぷりも大したものですが、感情を表情ではまったく表すことができないはずのくまモンがの演技と動きがすばらしくて、思わず見入ってしまいましたよ(笑)。





↑楽しかったステージの雰囲気だけでも。写真、撮りすぎだ(笑)。
子どもたちはもちろんでしたが、外国からの観光客を多く含む大人たちも大喜びでした。まあ、中年おやじのソロはあんまり、というかほとんどいなくて、その意味では、何やってるんだ俺感が、なかったわけではないのですが(苦笑)。



↑熊本の中心部は飲み処の充実でも知られる街ですが、「酒場通り」に「クラブ通り」って(笑)。ストレートにもほどがあるネーミングがすてきです。
ぼくは舌が安くできているようで、旅先で出会ったおいしいお店を紹介したりするようなことにはまったく不向きなんですが、このお店は紹介しておきましょう。長崎次郎書店のすぐそばにあるフレンチ、Clasique クラシク。

↑お店は市電駅のすぐ脇にあります。上の写真は開店前の様子。
長崎書店の長﨑さんやお店のスタッフのみなさんに案内してもらったんですが、古民家を改築改装したという店内はとてもいい雰囲気で落ち着けますし、食べ物はおいしいし、お店の人は感じがいいしで、言うことなし。長崎次郎書店を訪問される際は、夕食スポットの候補にされてはいかがでしょうか。
長崎次郎書店にはすてきな喫茶室もあるので、セレクトに迷いますね。珈琲ゼリーを試してみました。



最後に紹介しておきたいのが、こちら。熊本市水前寺江津湖公園。


「熊本+野鳥」で検索したら出てきたので、行ってみたら、いやはや、これが想像をはるかに超える充実の野鳥スポットでした。野鳥好きにはパラダイスのようなところで、天気がよかったら、一日中ここにいてもいいかもと思ったほどです。
広大な公園に足を踏み入れ、うろうろしていたら小さな池がありました。何かいるかな?と思ってのぞいたら、なんと、いきなりカワセミが!



↑こちらの写真でわかるでしょうか……。枝に止まっていたカワセミ(左)が、急に飛び立ち(中)、ダイブ!(右)。魚をくわえて枝に戻るところまで追ったんですが、他はもうぼけぼけで何が何やら……。でも、公園に着いて5分もしないうちに、ダイナミックな光景を目にすることができてびっくりです。
今回の熊本訪問はあくまでも本屋さん回りが目的。野鳥は時間があったら見に行くかなあ、ぐらいに思っていたのが、天気予報が雨だったので、あきらめていたのでした。なので、双眼鏡は旅行用の小型のものだし、カメラの望遠もなし。
なので、ろくな写真はありませんし、ちょっと離れたところの野鳥は特定も自信がないのですが、この日、見ることができた野鳥をリストアップしてみます。
- カワセミ
- セグロセキレイ
- ハクセキレイ
- キセキレイ
- ヒヨドリ
- ムクドリ
- ハシボソガラス
- キジバト
- スズメ
- コガモ
- ヒドリガモ
- カルガモ?
- オナガガモ?
- ジョウビタキ
- コサギ
- チュウサギ
- アオサギ
- カワウ
- バン
- キンクロハジロ
- ハヤブサ?
- カイツブリ
- ツグミ
滞在わずか2時間ほどの間にこれです。いやはや。驚きますよね。うち、カモ類の見分けはそんなに得意ではないので、間違っているものがあるかもしれませんし、また、見落としがあるかもしれません。
公園で見られる野鳥については公園のサイトに「江津湖の野鳥」というコーナーがありますから、くわしくはそちらをご覧ください。



↑湖面は水鳥でいっぱいです。ジョウビタキかな(中)。セキレイの仲間もたくさんいて、あちこちを走り回っていました。



↑サギ類もたくさんいて、人慣れしているのか、けっこう近くまで寄っても逃げません。コサギ(左)、アオサギ(中)。偶然、白と黒が並んだ格好のコサギとカワウ(右)。

↑人のすぐそばを歩いているアオサギがいたので、見てみると、近くで釣りをしているおじさんから小魚をもらっていました。そのおじさんが教えてくれたんですが、ナイロンの釣り糸がからまってしまったため、右足の先が失われてしまっているのだそうです。(写真ではわかりにくいですが、たしかに片足の先が失われていました。)そのため、うまくエサの魚をとれなくなってしまったとかで、このおじさんはこうしてときどきエサをやっているのだそうです。
野鳥がたくさん見られるというだけでもうれしいものですが、びっくりするような場面も目にすることができました。湖面にたくさんいる水鳥たちが、何やら騒がしく鳴き出し、湖面からたくさん飛び立ち始めました。遠くのほうなので、種は特定できないのですが、見ると、上空にカラスとはあきらかに違うシルエットの大きな鳥がいるのが見えます。すると、その鳥が急降下、次の瞬間には両足に水鳥をがっしりとつかまえて舞い上がっていくのが見えました。
どこかに着地しないかとしばらく双眼鏡で追っていたんですが、飛び去ってしまいました。いやはや。猛禽類の狩りのシーン、テレビの自然番組ではともかく、生で見るのは初めてです。感激しましたよ。
残念なのは、遠すぎて捕ったほうも捕られたほうも種類がわからなかったこと。猛禽類はサイトにはミサゴやハヤブサがあがっていて、うち、魚を食べるミサゴには「江津湖へのダイブがカメラマンに人気」というキャプションがありますが、両足に抱えていたのは明らかに水鳥だったので、だとするとハヤブサでしょうか。

↑これは、狩りの場面を目撃したのとは別の鳥。当日目にした飛び姿で、カラスでないことはわかったんですが、何か、まではわかりませんでした。というか、これでは写真の意味もほぼないという……(苦笑)。
というわけで、もしも野鳥「も」好きだという本好きのみなさんが熊本を訪問される際は、ちょっと足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。先に紹介した県立図書館も近くですよ(ぼくは公園の帰り、熊本中心部に戻る途中に寄りました)。
今回の熊本旅行、本関連も野鳥関連も大いに楽しんできたのですが、もちろん、そういう楽しいところばかりを見てきたわけではありません。街中を歩くと、あちこちの建物に貼り紙が。何かなと思って見てみると、地震後に行われた建物の危険度判定検査の結果を示すものでした。

↑3段階に分かれているようで、ピンクが「危険」。黄色が要注意、緑が安全、だったかな。外から見ただけでは、とくに問題なさそうに思えるような建物にも、ピンクや黄色の貼り紙が貼られていることがあり、建物が密集する市街地での地震のこわさをあらためて感じさせます。
建物への影響ということでいうと、熊本城。報道の写真で目にはしていても、やはり実際に目にするとショックですね。

↑熊本城は中に入れませんので、外から少しだけ。
最後に紹介した、野鳥たちでいっぱいの平和でのどかな風景が広がる熊本市水前寺江津湖公園でも、よく見ると、あちこちに、立ち入りの禁止や制限を示す黄色いテープや赤いコーンがありました。下のような看板も目につきました。

園内を歩いていると、橋の前後で大きな段差ができていたり、地面や芝生が大きく隆起してでこぼこになってしまっていたりするところがありました。この平和な公園も地震の被害と無縁でなかったことがわかります。

