空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

熊本の本屋さんで買ってきた本たち

熊本の本屋さんではたくさん買い物をしてきたんですが、全部を紹介するのは大変なので、うち、熊本や九州に関係のある本の一部を紹介したいと思います。


  • 五人づれ『五足の靴』(岩波文庫)

書影 五足の靴

版元のサイトによれば、こんな本です。《明治40年の盛夏,東京新詩社の雑誌『明星』に集う若き詩人達,北原白秋,太田正雄(木下杢太郎),平野萬里,吉井勇の4人が主宰者与謝野寛との五人づれで旅に出た.長崎,平戸,島原,天草と南蛮文化を探訪し,阿蘇に登り柳川に遊ぶ.交代で執筆した紀行文は新聞連載され,日本耽美派文学の出発点となった》。



長崎書店の文庫売り場に、お店のすすめる岩波文庫とあったのを見かけて購入。内容紹介にある5人が交代で匿名執筆したという、新聞連載の紀行文。旅の地は長崎、島原ほかの九州の地で、目次には熊本、阿蘇登山の文言も見えます。


2007年刊のわずか140ページほどの小品。岩波ブックセンターでさえ平積みになっているのを目にしたことがなかった本で、長崎書店でスポットがあてられていなければ出会っていなかっであろう1冊。旅先の本屋さんの、郷土本棚「以外」の売り場で、ご当地本に出会えると、それだけでなんとなくうれしくなりますね。



書影 アフリカの印象

帯に《摩訶不思議な世界にご招待…》とあるように、『アフリカの印象』は一筋縄でいかないまさに摩訶不思議な小説。平凡社ライブラリー版がありますが、本書は國分俊宏さんによる新訳。坂口恭平さんの、ちょっと不思議で印象的なドローイングがたっぷり入っています。解説はいとうせいこうさん。これはいい企画だなあ。


本来ならとても読みやすいとは言えない作品のはずなのに、おもしろく読めました。平凡社ライブラリー版を持っている人にもいいだろうし、本書を読んだ人が平凡社ライブラリー版に挑戦するのも良さそう。版元の伽鹿舎は熊本の出版社で、本書は九州限定で販売されているのだとか。旅先の本屋さんで出会うのに、これ以上の本はないでしょう。長崎次郎書店で購入。



書影 蘇峰の時代

金龍堂まるぶん店で購入した本。書店レポート記事でもふれましたが、同店は震災で閉店する前は、1階の奥に広い郷土書売り場がありました。隣の建物を借りていたというその部分は、今回のリニューアルでなくなり、郷土本の棚は、1階の入り口を入ってすぐの右側壁面、フェアや新刊棚の隣に2本ほどにまとめられました。以前のような物量がなくなってしまったのは残念ですが、場所がよくなりましたし、2本の棚にまとめられたことで、全体を見渡すにはほどよい分量になったとも言えそうです。


熊本日日新聞社が刊行する熊日新書の1冊。水俣出身の徳富蘇峰の生誕150周年記念として刊行された本書は、編著者も熊本県立大学名義ということで、まさに熊本の本という感じですね。



書影 あひる

三島賞作家、今村夏子さんの『あひる』は、熊本ではなく福岡の出版社、書肆侃々房の本。芥川候補作になった表題作の初出は、同社の文芸誌『たべるのがおそい』で、《九州の雑誌から同賞候補作になるのは故・福島次郎さんの「バスタオル」が載った「詩と真実」(熊本市、1996年2月号)以来、20年ぶり》(16/6/20付毎日新聞「九州の雑誌から候補作に 今村夏子さん「あひる」」より)ということで話題になりましたね。



書影 野鳥用語小辞典

昭和感全開の見た目ですが、現役の本です。ニュー・サイエンス社の「グリーンブックス」の1冊。長崎書店に行ったら、グリーンブックスと文一総合出版のハンドブックシリーズが並んでフェアで取り上げられていました。グリーンブックスがこんなにたくさん面陳になっているところは初めて見たかもなあ。


本書は1993年刊で平成になってからの刊行ですが、シリーズの多くは昭和に刊行されたもので、デザインや本のつくり、さらに言えばテーマの選び方などに時代を感じさせます。定価表記もシール貼りになっています。自然や生物などのサイエンスがテーマの叢書で、野鳥関係も複数含まれていますが、剥製や学名といった、ふつうならそれだけで1冊にまとめるのは難しそうなテーマの本まで含まれているのがおもしろい。



書影 アルテリ

橙書店の店主、田尻久子さんが責任編集をつとめる文芸誌。石牟礼道子、伊藤比呂美、坂口恭平、渡辺京二といった熊本らしい、書き手が目次に名を連ねています。この2号は地震特集。


本誌の創刊を取り上げた2/28付け毎日新聞の記事「熊本市で創刊 ゆかりの石牟礼さんら新作」には、こんなふうにあります。《熊本市で文芸誌『アルテリ』が2月22日に創刊された。作家の石牟礼道子さん、評論家の渡辺京二さん、詩人の伊藤比呂美さん、作家の坂口恭平さんら、熊本ゆかりの文学者が新作を発表。1000部発行し、当初は橙(だいだい)書店や長崎次郎書店など熊本県内の書店で販売していたが、中身の充実ぶりに人気に火がつき、全国の書店から注文が寄せられている》。橙書店で購入。



書影 熊本地震

熊本地震関連の本、とくにビジュアルで被災後の様子を伝えてくれる本は必ず買おうと決めていました。



書影 クマモト

熊本の地元情報誌をよその人間が買ってどうするんだ、と言われそうですが(苦笑)、「ニュースな「本屋」」という見開きの記事があって、橙書店、古書汽水社、古本タケシマ文庫の3店が紹介されていますし、別のページでは、金龍堂まるぶん店の復活も取り上げられていました。さらに、江口寿史さんのインタビューも。そういうつもりで買ったわけではなく、単に熊本のいまを知りたいなあと思って手にしたものでしたが、意外に本・本屋関連の情報も載っていました。


161127ビール

↑これら、熊本で買ってきた本の読書のお伴。熊本の空港で買ってきた、熊本県水俣市にある福田農場で醸造されている地ビール「不知火浪漫麦酒」。こちらはアンバーエールの「カルメン」。



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