空犬通信

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沖縄書店回り その2……新刊書店編

沖縄書店回りレポート、今回は、ブックンロールの翌日10/14に訪問したお店です。こちらは、訪問順ではなく、おおまかにグループに分けて紹介します。まずは新刊書店から。(店内写真はすべてお店の方に断って撮影したものです。写真は10/14の様子で、お店の様子は変わっている場合があります。)


●新刊書店



161013 BOOKSきょうはん 外観1

郊外型の店舗で、150坪以上ありそうなサイズのお店です。


「きょうはん」は「教販」で、「沖縄教販」が運営する書店です。出版もしていて、「南の島おきなわの心を伝える情報誌」(サイトより)という雑誌『uchina(うちな)も発行しています。


161014 BOOKSきょうはん 店内1

ふつう教販というと教科書販売の略ですから、こちらのお店も一見すると教科書特約店か何かの名称のようですが、名前に教販とはあるものの、雑誌もコミックもラノベも、それこそ官能小説もBLもありという、ふつうの一般新刊書店の品ぞろえになっています。


161014 BOOKSきょうはん 郷土書1161014 BOOKSきょうはん 郷土書2

↑先に「ふつうの一般新刊書店」と書きましたが、ふつうでないのが、郷土書の扱い。このお店でもやはり郷土書にはしっかりとスペースが割かれています。雑誌の棚には、先にふれた郷土情報誌『uchina』が並んでいるのが見えます。



161014上洲

創業60年と沖縄で長く営業している書店ですが、現在は本・雑誌の扱いはごくわずかのようで、文具やOA機器の扱いがメインのようでした。現在の店舗について、サイトの会社概要には《1980年代から浦添にも郊外型店舗の出店が相次ぎ、商店街衰退の波が押寄せました。弊社も存続が難しくなり、1992年2月浦添市宮城パイプライン沿にビジネスコンセプトショップとして、現在のビジネス館を開設しました》とあります。


ただ、扱い的にはわずかといっていいぐらいの量の書籍・雑誌の多くが沖縄本だったりするところが、県外の新刊書店との大きな違いでしょうか。



宮脇書店は県内で20店を展開する、沖縄県では最大の書店チェーン。ともに大型店で、大山店は395坪、嘉手納店は340坪あります。


161014宮脇書店 大山店外観161014宮脇書店 大山店 入り口161014宮脇書店 大山店 店内

↑大山店の外観と店内の様子。右の写真で、奥の棚がはるか後方に見えることから、お店の広さが伝わるかもしれません。


161014宮脇書店 嘉手納店

↑嘉手納店の店内。



前回の記事で石川店の様子を紹介しましたが、大城書店はほかの2店もそれぞれ個性的でいいお店でした。


161014大城書店 嘉手納店 外観2161014大城書店 嘉手納店 看板161014大城書店 嘉手納店 入り口

↑嘉手納店。


嘉手納店は、商店街にある路面店。他の2店に比べると小さめのお店です。話をうかがった店長さんによれば、売上の3分の2が文具だとのことで、店内の書籍・雑誌の扱い量も少なめ。ふつう、本・雑誌の扱い量が少ないお店は理由がどうであれ、なんとなくさびしい感じがしてしまうものですが、このお店はそのような、本がなくてさびしい感じ、がらんとした感じがしませんでした。というのも、こちらをご覧ください。


161014大城書店 嘉手納店 駄菓子1161014大城書店 嘉手納店 はりがみ

石川店でも大変な存在感を放っていた駄菓子売り場ですが、こちらは、お店自体がそれほど大きくはないところにこの売り場ですから、さらに目立ちます。これは子どもたちが喜ぶでしょう。


店長さんに聞いた話では、やはり子どもたちが駄菓子を買いに集まってくるそうです。近くにスーパーがあって、駄菓子も単価だけで言うとそちらのほうが安かったりするのだそうです。おもしろいのは、子どもたちが店内で、何々はあっち(スーパー)のほうが安い、などと相談しているのが聞こえてきたりするのに、彼らが買い物をするのはこのお店だということ。値段だけ見たらあちらのほうが安いかもしれませんが、あちらにはこれだけの品ぞろえがないからだと子どもたちは言うのだそうです。スーパーに駄菓子の品ぞろえで勝ってしまう本屋さんってすごいですよね。


実際、売り場がすごいというだけでなく、ちゃんと売れてもいるようで、店長さんの話によれば(具体的な金額はかけませんが)1日の売上が、単価(平均数十円で、ほんとに10円とか20円とかのものがふつうにあります)を考えるとちょっとびっくりするぐらいの金額を売り上げているとのことでした。


ちょうど我々が滞在しているときに、おばあちゃんと孫の2人連れが買い物にやってきて、本を選んでいました。聞けば、商店街の人だといいます。駄菓子売り場に展開されているハロウィンのディスプレイを見て、うちの店もやってくれない?などと軽口を言い合いながら買い物をしているあたりに、商店街のお店同士のいい関係が見てとれ、なんだかこちらまでうれしくなってしまいました。


161014大城書店 嘉手納店 絵本

↑おばあちゃんと孫娘の二人連れがチェックしていた絵本の平台。


161014大城書店 嘉手納店 雑誌161014大城書店 嘉手納店 書籍

↑書籍・雑誌の扱いは少ないんですが、先に書いた通り、商品が少ないからさびしいとか残念だとか、そんなことを感じさせない雰囲気がありました。


161014大城書店 嘉手納店 レコード

↑ちょっと目を引くこんなものも売っていました。レコードを利用したスマホ用のスピーカー「バイナルレコード」。レコードの「バイナル」と「倍鳴る」をかけたネーミングとのこと。欲しかったけど、さすがにこの形状、このサイズのものを旅先で買うのはね(苦笑)


もう1つの読谷店は本店とはうたっていないものの、実質的には本店に相当する存在のようで、こちらは石川店と嘉手納店の中間ぐらいのサイズと品ぞろえ。


161014大城書店 読谷店 外観
161014大城書店 読谷店 店内161014大城書店 読谷店 店内2

↑店内の様子。およそ半分が書籍・雑誌、残り半分が文具・雑貨という感じでしょうか。


161014大城書店 読谷店 えほんひろば

↑「えほんひろば」と名づけられた児童書の棚。児童書にも力を入れています。店内のイベントのときは、「えほんひろば」の前の棚を移動してスペースを空けて店内で開催するそうです。


161014大城書店 読谷店 郷土書161014大城書店 読谷店 郷土書2

↑ここでもやはり郷土書の棚にはしっかりとスペースが割かれています。


161014大城書店 読谷店 駄菓子161014大城書店 読谷店 駄菓子2

↑読谷店でも、やはり駄菓子はご覧の通りの展開です。


文具や雑貨の扱いがあるのは他の2店同様ですが、おもしろいのは、この読谷店の文具売り場には、コミックの道具のコーナーがもうけられていること。


161014大城書店 読谷店 コミック画材

単に、書籍以外の商材を並べて複合店ですとするのではなく、その土地の客層、とくに子どものニーズをきちんととらえた商品構成になっていること、さらに、3店に共通する路線が見られるものの、細部ではしっかりとそれぞれのお店の立地・客層にあった独自展開がなされていることなどが、短時間の訪問でも目につき、印象に残ります。大城書店、3店ともそれぞれ、地域に根ざしたいいお店だなと感心させられました。



161014ジュンク 1161014ジュンク 2161014ジュンク 3

沖縄の郷土出版の充実ぶりについては、事前にいろいろと聞いたり読んだりしていましたから、予想はしていましたが、それにしても、このジュンク堂の郷土書の棚の充実ぶりは、突出している、というか、すさまじい、としか表現のしようのないレベルでした。売り場の写真を撮らせてもらわなかったのが残念。(朝一の訪問だったので、売り場にスタッフの方が見当たらなかったのです。)


このお店だけで用事が済んでしまいそうなので、それがこわくて、あまり細部を見てくることをしなかったのですが、列・本数を数える意味を感じられないほどのスペースが割かれていて、このサブジャンルだけで棚が1本ある!などと驚かされるような構成になっていました。


これまでも、地方のジュンクに行くと、郷土書の棚にびっくりさせられるということはありましたが(札幌もすごかったなあ、などと思い出しています)、沖縄のそれはちょっとレベルが違う感じでした。いやはや。



今回の書店回りで最後にまとめ買いをしたお店です。


161014リブロ 入り口1161014リブロ 入り口2

店長をつとめるのは、ブックンロールのライブの部に出演した筒井さん。吉祥寺書店員の会「吉っ読」の創立メンバーの一人で、吉祥寺時代からの飲み仲間でもあります。まさか吉祥寺で知り合った書店員と沖縄で再会し、一緒にイベントに出たり、書店を回ったりすることになるとは。不思議な縁を感じます。


店名にある通り、お店は地元の商業施設リウボウ内にあります。横長の売り場は217坪と、PBC吉祥寺よりもひとまわり小さいぐらいのサイズ。オールラウンドな品ぞろえですが、ここでもやはり沖縄本、県産本への力の入れ具合が目立ちます。


161014リブロ ベスト

↑店頭に出ている県産本のランキング。ベストセラーよりも上の段で目立つように展開されているのが沖縄の書店ならでは、という感じです。


161014リブロ 県産本大賞

↑「県産本大賞」のコーナー。


161014リブロ OKINAWA161014リブロ 郷土書

↑「THE OKINAWA」のプレートの下には郷土書の棚が。


ぼくが訪問したときは、店頭では岡山の県産本フェアが展開中でした。(今回の旅の買い物はすべて沖縄関連本にしようと決めていたのに、持っていない岡山文庫の気になるタイトルがあったので、思わず買ってしまいました。)


NR出版会 沖縄 リブロ

↑「書店員の仕事」が連載されている『NR出版会 新刊重版情報』。Vo.487(2016年9・10月)に、同店の宮里ゆり子さん(ぼくが訪問したときもお店にいらっしゃいました)が登場、「書店のない島で、心待ちにしている人たちのために」という文章を寄せています。


長くなりましたので、ここで稿を分けます。次回は、古書店、その他です。


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