空犬通信

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沖縄書店回り その1……ブックンロールトークの部出演者のお店編

沖縄書店回りレポートです。訪問店が多いので、いくつかに分けてご紹介します。まずは、初日、10/13に訪問したお店から。この3店は、ブックンロールオキナワ、トークの部出演者のみなさんのお店です。


(店内写真はすべてお店の方に断って撮影したものです。写真は10/13の様子で、お店の様子は変わっている場合があります。)



161013 金武文化堂 外観

今回、訪問をもっとも楽しみにしていたお店の1つが、こちら、金武文化堂(きんぶんかどう)。昨秋、琉球放送(RBC)の「沖縄BON!」で本屋さんの特集番組が放送されたのを、ボーダーインクの喜納さんが録画して見せてくれたんですが、それに登場する同店の様子が、とにかくもう、すばらしくて。



金武文化堂は、小学校への道路の入り口にあるお店。小学校の近くに本屋さんがあるという、まずそのことに感動しますが、そんな立地なので、午後〜夕方になると学校帰りの子どもたちがお店に寄るわけです。番組では、たくさんの子どもたち、それも見るからに楽しそうな様子の子どもたちでお店がいっぱいになっている光景が映し出されていました。本屋さんがこんなふうに子どもたちでいっぱいになっているところは、久しぶりに目にした気がします。昔は、こんなふうに子どもたちが通学路にある本屋さんにふつうにたむろしていたよなあと、自分の子どものころを思い出してしまいました。


訪問時はまだ昼時だったので、お店に集まる子どもたちの姿は見られませんでしたが、店主、新嶋さんが語ってくれる子どもたちとのエピソードは、とにかくおかしくて、思わず笑ってしまうようなものばかり。お店の人にとって、子どもたちのやんちゃぶりは、商売上は大変なんだろうと思います。でも、こんなふうに子どもたちを包容してくれるお店の存在は、とても大きいのではないかと思うのです。


ほとんど買い物はできなかったけれど、でも毎日、棚を(いまでいうところの)「ガン見」していた小学生に、はたきをかけることも、うるさがることもせずに、ただただ居させてくれた本屋さんがなければ、ぼくは1日に十数軒の書店を回って、こんな駄文を書いたりなど、まずしていなかったろうと思うのです。そのときはお店の売上に貢献することはできなかったかもしれない、そのような子どもたちのなかから、後に本屋を、本の世界を支えることになる、本好き、本屋好きが出てくるかもしれないわけですからね。


161013 金武文化堂 平台2161013 金武文化堂 平台1

↑平台。町の本屋さんで、平台にこれだけ郷土本が並んでいるというのは、他のエリアではあまりないことでしょう。2つある平台のもう1つでは、ボーダーインクのフェアが展開されていました。


161013 金武文化堂 絵本ラック

↑店の規模からして絵本の棚が多いなあと思って聞いてみると、とにかく子ども客しか来ないので、子どもの本の割合を意識的に増やしたのだとか。この写真の棚も、以前は絵本ラックではなく、大人の本を置いていたとのこと。


161013 金武文化堂 奥の棚161013 金武文化堂 夏葉社本161013 金武文化堂 棚コミック

↑左は壁際の棚。右は店内右側の壁面。地方のこの規模の本屋さんのなかには、商品の量が充分でなく、棚がなんとなくがらんとしてしまっている店も残念ながら少なくないのですが、金武文化堂はご覧の通り、店内奥の棚も壁際の棚もぎっしり本が並んでいます。奥の棚には夏葉社の本も。新嶋さんは町本会にも参加してくださった方で、会場での印象的な発言は、島田さんがまとめた『本屋会議』の文章中にも引かれていますので、ぜひそちらもお読みいただければと思います。


161013 金武文化堂 文具売り場側

↑お店の半分ほどは文具にあてられ、駄菓子やおもちゃも置いてあります。ミニカー(トミカ)がそろっているのは、新嶋さんが以前、車関係のお仕事をされていた車好きであることとも関係あるんでしょうか。


161013 金武文化堂 電話

↑町内ならば無料でかけられるという、内線電話の町内版(?)がレジ脇に置いてあります。子どもたちが待ちあわせやお迎えの連絡に使ったりするそうで、時間帯によっては、小学生たちが列をなすこともあるのだとか。本屋さんが、子どもたちにとって、楽しくて安心できる「居場所」になっていることを象徴する存在だと言ってもいいでしょう。


金武文化堂は、規模や立地や店内の様子など違っているところがたくさんあるにもかかわらず、なんだか、自分が子どものころに通っていた本屋さんを思わせるような、なつかしくて楽しいたたずまいのお店でした。短時間訪問するだけで、とても幸せな気分になれる本屋さんです。




161013 大城書店石川 外観

サイズもたたずまいも、まさに町の本屋さん、小学校前の本屋さんという感じだった金武文化堂とはうってかわって、こちらは郊外型のお店で、坪数がどれくらいあるのかわかりませんが、店内はかなり広々としたつくりになっています。書籍・雑誌の他に、文具や雑貨(ぬいぐるみ)などにも大きめの売り場を割いた複合型店舗です。


161013 大城書店石川 店内1161013 大城書店石川 店内2

↑こちらも書籍・雑誌の量は多め。棚にがらんとしたところはありません。


161013 大城書店石川 県産本

↑この後訪問することになるほぼすべての店で、沖縄の本、郷土書の棚の充実ぶりを目にすることになるのですが、このお店でも、レギュラーの棚のほかに、こんな県産本のバーゲンフェアまで。このワゴンが、入り口入ってすぐの、いちばん目立つところで展開されていました。


161013 大城書店石川 店内3

↑複合店ですので、文具などの本以外の商材にもかなり広いスペースがあてられています。


本・書籍以外の商材で目を引くのは駄菓子。まずはこちらの売り場写真をご覧ください。


161013 大城書店石川 駄菓子

店内に町の駄菓子屋さんが一軒、丸々入っているぐらいの規模の売り場で、駄菓子が大々的に展開されています。見ているだけで、なつかしくて楽しくて、思わず買い物をしたくなります。うまい棒がこんなにたくさんの種類、一度に並んでいるのは初めて見たかも。これは、大城書店の特徴の一つで、後に訪問することになる、読谷・嘉手納の店でもそれぞれ大きく展開されていました。金武文化堂と同じく、大城書店も、金武文化堂とはまた別のやり方で、子ども客をがっちりとらえている、ということですね。



161013 BOOKSじのん 外観1161013 BOOKSじのん 外観2

このお店の沖縄本の在庫がすごいことは『沖縄本礼賛』を読んで知ったつもりになっていましたが、いやはや、実際の店頭の様子はこちらの想像をはるかに超えていました。古書店としては広めの店内が、とにかく、沖縄本だらけ、と言っていい状態なのです。


沖縄本の知識に欠ける当方には、同店の品ぞろえを体系的に紹介することなどとてもできませんので、とにかく、店内の写真を見ていただくことにします。


161013 BOOKSじのん 沖縄本全般プレート161013 BOOKSじのん 店内5

↑このようなプレートが出ているかと思うと……


161013 BOOKSじのん 店内1161013 BOOKSじのん 店内2161013 BOOKSじのん 沖縄本1

↑どの列のどの棚にも、上の写真に見られるような沖縄関連のサブジャンルを示すプレートが差されています。


161013 BOOKSじのん 店内3161013 BOOKSじのん 店内4161013 BOOKSじのん 店内6
161013 BOOKSじのん 店内7161013 BOOKSじのん 店内8161013 BOOKSじのん 店内9

いやはや。どうでしょうか。このすさまじさ。沖縄の郷土出版の、そして沖縄古書業界の底力を目の当たりにした思いでした。


同店はもちろん、沖縄本「だけ」の本屋さんではありません。一般の古書も充実といっていい品ぞろえで、コミックもけっこうな量の在庫がありますし、アダルト雑誌も多めです。それでも、やなり店内で目立つのは沖縄関連書で、その分量はとにかく圧倒的です。沖縄本を探すなら、絶対に欠かすことのできないお店だといっていいでしょう。ブックンロールを後に控え、時間がかぎられていたこともありましたので、泣く泣く数冊購入するだけでお店を後にしましたが、このお店の店内探索だけでいくら時間があっても足りないくらいでした。


袋 BOOKSじのん

↑袋もお店のオリジナルのもの。


次回は、金武文化堂、大城書店石川店以外の、沖縄の新刊書店の様子をまとめます。


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