空犬通信

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沖縄の出版・書店、苗字、ウチナーグチ……沖縄で買ってきた本 その1

沖縄書店レポート、最後は、沖縄で買ってきた本の報告です。


何しろあれだけの数の書店を回っています。さすがに、全店でというわけにはいきませんでしたが、それなりにたくさんの買い物をしてきました。とても持ち帰れないので、衣類などと一緒にあちらから発送したんですが、届いた荷物を開けてみたら、荷造りした本人がびっくりするぐらいたくさん本が出てきてびっくりしました(苦笑)。なにやってんだか。


荷物が届いた夜からしばらくの間は、沖縄で買ってきた本を傍らに積み上げては、気になるものを抜き出してぱらぱらやる、というのが日課のようになっていました。どれもおもしろくて止まらなくて、連日、寝る前読書は沖縄本で、毎日寝不足気味になる始末。


さて。今回の旅で、ぜひ現地で買うぞと思っていたのは、以下の3ジャンルの本です。
1)沖縄の出版・書店
2)沖縄の野鳥
3)ウチナーグチ(沖縄口、沖縄語、沖縄方言)


1の出版・書店関連本と2の野鳥本は、旅先では必ず探すことにしているジャンルです。3は『琉神マブヤー』を観たり沖縄本を読んだりしていたら、わからないことばがたくさん出てくるので、それらを調べてたいなあ、覚えたいなあ、ということで。


今回の買い物は、基本的にすべて沖縄関連本にしよう、それも、できれば沖縄の出版社で刊行された「県産本」にしよう、と決めていました。


県産本 新刊目録

↑ちょっと驚くほどの充実ぶり、「沖縄県産本新刊目録2016年版」。ちなみにこれは現地で手に入れたもの。現地の本屋さんでの出会いを大事にしたかったので、こうした目録のチェックを含む事前の調査はほぼ一切せずに行きました。


さて、どんな買い物になったかというと。



●沖縄の出版・書店


沖縄といえば、全国でもっとも郷土出版がさかんだとされている県です。当然、書籍にまとまっている資料もこの方面は充実しているのだろうと思っていたのですが、『沖縄出版史』『沖縄書店史』のような本は意外に見つかりません。現地の本関係のみなさんに聞いても、はて、という感じで、本屋関係では以前の記事で紹介したことのある『沖縄本礼賛』ウララの宇田さんの本しか出てきません。


でもね、探せばあるものなんですよね。どちらも、今回訪問した古書店で偶然見つけたもの。



書影 オキナワグラフ 書店書影 WANDER14

『オキナワグラフ』の特集は「うちなー書店探訪」。古書店が多めですが、今回、ぼくが訪ねたBOOKSじのん、ウララなど、ぼくが訪ねそこねた「ちはや書房」などを含む9店が、カラーで大判の店内写真入り、店主の顔写真入りで紹介されています。


『ワンダー』の特集は「おきなわ雑誌名鑑ふくゎんじぇんぶぁん」。「ふくゎんじぇんぶぁん」は不完全版のことですが、不完全版といっても40数誌が紹介されていて、まずその数とジャンルの幅広さに驚かされます。1995年時点の情報なので、ここに紹介されている地元誌がみな残っているわけではありませんが、それでも、というか、だからこそ、貴重な記録になっているように思います。これで紹介されている各誌の書影(表紙)が載っていたら……というのは望み過ぎですね。


あと、出版・書店関連本というわけではありませんが、後でふれる新城和博さんの『ぼくの沖縄〈復帰後〉史』に「沖縄の雑誌変遷小史」という一文が収録されていますから、このジャンルに関心のある向きはチェックするといいでしょう。


●沖縄文化



書影 ウチナーグチ書影 ぼくの復帰後書影 沖縄苗字
書影 マンホール書影 WANDER38書影 BOND沖縄

今回、もっとも迷ったのがウチナーグチの本。とにかく、ものすごい量、種類なんですよね。ジュンクとかじのんのような沖縄本が充実した店にいくと、棚1本丸ごと全部ウチナーグチみたいなことになっています。函入りの立派な辞事典からパンフレットのような小冊子まで、CD付きのものもあれば、CD単体のものもあります。


最初からあんまり本格的なものを買っても挫折しそうなので、とにかく、わかりやすくてお手軽な入門編をということで、リブロ筒井店長のおくさんに相談に乗ってもらって選んだのが『ひとことウチナーグチ』。単語集に近いようなお手軽なつくりで、それはいいんですが、見出しが標準語なんですよね。それが「ことわざ」「地形」「年中行事」などのジャンル別に配列されています。つまり、外国語辞典で言うと「英和辞典」タイプではなく、「和英辞典」タイプですね。


これはこれでいいんですが、ただ、ぼくのようにウチナーグチの意味を知りたい向きには不向きだったかも。たとえば、『琉神マブヤー』(マブヤーの話ばっかりですみませんが、ぼくにとっては、ウチナーグチの大事な情報ソースかつお手本なんですよ)の主題歌の歌詞に「ティーダ」「アチコーコー」などのウチナーグチが出てくるんですが、これらを調べようとしても、そもそもジャンルがわからないから、調べようがないんですよね。(別の方法で調べて、今ではなんとなく意味はわかっていますが。)


ウチナーグチ本については、もう1冊、適当なものを探して買うことになりそうです。続く3冊はすべて沖縄の出版社、ボーダーインクの出版物で、最初の2冊は同社の新書シリーズ、ボーダー新書の本。


『ぼくの沖縄〈復帰後〉史』は、ブックンロールのトークの部で進行役をつとめたボーダーインクの編集者、新城さんの著書。《1972年の沖縄復帰から現在まで、〈復帰後〉の沖縄の印象的な出来事を、個人の思い出とクロスして描く、ユニークな沖縄現代史》という1冊。


沖縄には字面や音だけでなんとなく「沖縄っぽい」と感じさせる苗字がたくさんありますよね。そういう苗字について読みとか由来とか知りたいなあと思ったら、ぴったりそうな書名の本が。ただ、『沖縄苗字のヒミツ』、読んでみると、改姓や読み替えなど沖縄の苗字をめぐる歴史についての話が中心の本でした。


『沖縄のデザインマンホール図鑑』は書名通りの、ぱらぱら眺めているだけで楽しい1冊。今回は車であちこちを案内していただいたので、道路のマンホールに注意しながら歩くような機会はほぼなかったんですが、次に行く機会があったら、本物を見てみたいなあと思わせる内容になっています。


最後の2冊は雑誌。『ワンダー』Vol.38は先に書店特集号を紹介した雑誌の最終号。『BOND沖縄』は福岡で発行されているフリーペーパー「BOND」の沖縄版で、福岡と沖縄で合同で編集していると編集長の文章にあります。


長くなりましたので、いったん稿を分けます。


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