空犬通信

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たらば書房、島森書店、松林堂書店……鎌倉の本屋さんを訪ねてきました【更新】

昨日は、先日の記事で紹介しましたかまくらブックフェスタに参加すべく、鎌倉に行ってきました。ブックフェスととトークイベントの前に、鎌倉の本屋さんを見てくるぞと思っていたんですが、現地までの時間を見誤り(東京西部在住者にとって、鎌倉は遠いのです……)、ぜんぜん時間が足りなくて、駆け足で本屋さん3軒をざっと見てくるだけ、という事態になりました。やれやれ。せっかく久しぶりに、それこそ、何年ぶりか思い出せないぐらい久しぶりに鎌倉まで行ったのになあ……。


今回訪問したのは、鎌倉駅周辺の新刊書店3軒、島森書店、松林堂書店、たらば書房です。ごく簡単に紹介したいと思います。まずは、東口側から。


161008 鎌倉駅 東口

↑鎌倉駅、東口側駅前の様子。傘がなくても歩けるけれど、ないとメガネの水滴が気になる、それぐらいの降りでした。トビが駅の上をのんびり飛んでいました。


まずは、島森書店へ。


161008 島森書店1161008 島森書店2

ぼくはこの鎌倉の本店と大船のお店しか行ったことがないんですが、サイトを見ると、4店あるんですね。創業91年とありますから、地元の老舗ですね。(追記(10/11):古い情報を見ていたようで、鎌倉の本店以外の支店は3店で、いずれも閉店になっている旨、ご指摘をいただきました。)



少し奥まった入り口を入ると、店内は天井が高くて広い。什器も高さをおさえたものが使われていて、店内全体が見渡せますから、実際のサイズ以上に広く見える感じですね。店舗の奥、文庫やコミックなどの棚があるエリアが、一段下がっていて、文具類の売り場は中2階になっています。店内が、立体的なつくりになっているんですね。


品ぞろえ的には、文具やOA機器なども含めてカバーした、まさに町の本屋さんという感じ。訪問時に、制服姿の女の子仲良し二人組が、○○あるかなあ、とコミックの棚(その後、学参に移動)を一緒に眺めている様子が目に入りました。中高生たちが学校帰りにふらりと寄れる本屋さんが町にあるっていいなあと思わずにはいられませんでした。久しぶりの訪問だったんですが、記憶の中の店内の様子とあまり変わっていなくて、ちょっとほっとしたり、うれしくなったりしました。


同じ東口側にあるのが、松林堂書店


161008 松林堂書店1161008 松林堂書店2

先の島森書店も古くから鎌倉で営業してきたお店ですが、こちらもサイトには、明治の創業で、現在の場所に移転してからも40数年になるとあります。小さなお店ですが、店内は明るく、什器のサイズや棚の傾斜がほどよくて見やすいつくりになっています。決して大きくはない店内に、単行本・文庫・児童書などがバランス良く配置されています。


文庫棚を見ると、お店の規模からすると多すぎるぐらいの岩波文庫他の教養系文庫が並んでいるのが目を引きます。この規模ならば取扱自体なくてもおかしくない講談社学術文庫にも棚が割かれています。全体としては、何かかたい本に偏り過ぎているとか、セレクトされすぎで敷居の高い感じとか、そんなところはまったくない、町の本屋さんなんですが、こういうこまかなところにお店のこだわりが感じられるのは本屋利用者としてはうれしいものです。いいお店だなと思いました。


地図アプリを見ると、ほかにも松林堂書店のすぐそばにある文教堂鎌倉とうきゅう店を含め、徒歩圏で行ける範囲にほかにも(古書店も含め)数店あるようでしたが、何しろ今回は時間がなかったので断念。かまくらブックフェスタの会場もある西口側に移動します。


161008 鎌倉駅 西口

↑江ノ電の乗り場もある鎌倉駅西口。


鎌倉の本屋さんと言えば、このお店を思い浮かべる人も多いことでしょう。たらば書房。地元の本好き本屋好きに支持されているだけでなく、作家や編集者といった本のプロにもファン・常連客が少なくないことでも知られていますね。


161008 たらば書房1161008 たらば書房2161008 たらば書房3

見た目もお店のサイズも、まさに駅前にある本屋さん、町の本屋さんなんですが、店内に足を踏み入れると、その品ぞろえに、棚の落ち着いたたたずまいに、ちょっとびっくりさせられます。もちろん、うれしい意味でのびっくり。


この立地で、こんなに文芸書を置いてもいいんだ、こんなに詩歌の本を並べてもいいんだ、こんなに人文書をしっかりそろえてもいいんだ……棚を見ているだけで(くどいようですが、うれいい意味での)ため息が出てきます。


かといって、ふつうに雑誌を買いにくる人たちのことを考えていないわけではありません。たらば書房のことを、文芸書が充実した名店だと思って訪問された方は、ぜひ雑誌の棚もじっくりご覧いただきたい。雑誌が、ラック内で少しずつずらされきれいに表紙が見えるよう、重ね具合を考えた並べ方になっていて、丁寧に配置されているのがわかります。単に見て美しいだけでなく、目当ての雑誌が探しやすいし、出し入れがしやすい並びになっているのです。


このお店についてはいろいろ書きたいこともあるのですが、かまくらブックフェスタの出展者紹介の一文(今年の「出展」ではなく、過去の回の紹介文です)に同店の魅力が言い尽くされていますので、そちらをご覧ください。


あと、自分の関係した本の宣伝みたいでなんですが、『本屋図鑑』(夏葉社)でも、たらば書房を「駅前の本屋さん」の1つとして紹介しています。たらば書房を担当したのは夏葉社島田さん。たらば書房がどんなにすてきなお店かを、短い文章にきちんとまとめた、島田さんらしいあたたかい紹介文になっていますので、同店に興味を持たれた方はぜひそちらもどうぞ。


駅周辺に、これだけ個性の異なる新刊書店があり、共存していけるというのは、すばらしいことですね。鎌倉周辺に住んでいる本好きがちょっとうらやましくなります。


新刊書店も古書店も好きなんですが、新刊書店重視派なので、今回のように時間がかぎられているときは、なかなか古書店にまでは手が回りません。今回は運良くかまくらブックフェスタ会場へ行く途中に古書店がありましたので、目に入りました。公文堂書店。残念ながら店内をゆっくり見る時間はなかったので、写真だけ。


161008 公文堂書店161008 公文堂書店2

……と思って、帰りにもう一度店の前を通ったら、店頭に、野鳥の版画のハガキが出ているのに気がつきました。ハクセキレイにコゲラにイワツバメにシジュウカラに……って、ぼくの好きな鳥ばかり。店内を見る時間はないけれど、せめてこれをおみやげに買っていこうと購入。


鎌倉 野鳥の絵はがき

支払いのために店内に入ってみたら、気になる文芸書がたくさん並んでいるし、稀覯本の並ぶガラスケースもあり、鎌倉文士もののほか、古めの純文学に、探偵小説なども並んでいるようです。ああ、次にくるときはじっくり棚を見たいなあと、そんなふうに思わせるお店でした。


書皮 公文堂書店

↑絵はがきを買ったら、紙の帯でまとめてくれたんですが、こんなかわいい絵入りの店名ハンコが印刷されていました。しゃれてますよね。


このほか、買ったばかりの本を読むのに良さそうなカフェ・喫茶店も目につきましたし、先の記事にも書きましたが、鎌倉を訪問する際は、ぜひ時間に余裕を持っていかれることをおすすめします。昭和で時間が止まっているとしか思えないおもちゃ屋さん(いま調べたら「くろぬま」というお店で、かまくらブックフェスタ会場へ向かうときに通る「御成通り商店街」のはずれにありました)や、おもちゃやさんとカフェが一緒になっている店があったり(これも今しらべたら「おもちゃだいすき&アナトールカフェ」というお店でした)など、直接本には関係ないかもしれないけれど、本好きや古本好きの興味を引きそうなお店もありました。


今度は、もう少し時間に余裕を持って、イベントなどの用事がないときに、ぶらりと本屋散歩、街歩きを楽しみに行きたいなあと、そんなふうに思ったのでした。


161008 しらす丼

↑今日は何しろ時間がなかったので、食事の時間ももったいない。というわけで、松林堂書店の隣にあった町食堂っぽい店に「鎌倉名物」として出ていた「釜揚げしらす丼」を食べてきました。


書皮 島森書店書皮 松林堂書店書皮 たらば書房

↑本日の訪問店3店の書皮。左から、島森書店、松林堂書店、たらば書房。


たらば通信 5号 表たらば通信 5号 裏

↑たらば書房で発行されているフリーペーパー「たらば通信」。発行月を示すと思われる「二〇一六十」が表示されています。以前に訪問したときにはフリペを手にした記憶はないんですが、5号とありますから、最近発行されるようになったものでしょうか。本屋フリペ好きとしてはうれしい発見、出会いです。


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