空犬通信

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隆祥館書店と二村知子さんのこと

すぐに取り上げようと思っていたら、3か月ほどもたってしまいました……。週刊誌『AERA』(朝日新聞出版)の「現代の肖像」といえば、創刊から26年続いているという同誌の名物連載・コーナーの1つ。タイトルの通り、「現代」を象徴する人物の「肖像」を描くノンフィクション記事です。これまでにも錚々たるメンツが登場しています。


そんな『AERA』の人気コーナーに、書店人、それも、まちの本屋の店主が(しばらく前のことになりますが)登場しました。



ぜひ記事をあたっていただきたいので、ここでは内容を紹介することはあえてしません。二村知子さんがまちの本屋さんとしてこれまでやってきたこと、取り組んできたことが丁寧に紹介されています。



これまでも雑誌などの記事に取り上げられる機会の多い方ではありましたが、今回は二村さんの書店人としての姿だけでなく、プライベートなことや、ある作家への複雑な思い、ご家族、とくにお父様とのことなどにも踏み込んで書かれています。同店を利用している方、二村さんのことを知っている方はもちろんですが、名前や評判を聞くだけで、どんなお店か、どんな書店人なのかよく知らない、という方にもぜひ読んでほしいと思います。紹介が遅くなってしまいましたが、図書館などではバックナンバーが読めると思いますし、一部のオンライン書店では買うこともできるようですので、ぜひ。


さて、その二村知子さんが、お店の経営に携わるようになって20年になるのだそうです。『AERA』「現代の肖像」の掲載記念と20周年の意味合いを込めて、二村さんと隆祥館書店を愛する方々が、こんな会を企画されました。


    『二村知子を囲む会』
    経営に携わって20周年と『AERA現代の肖像』掲載を記念して

    日時:2016年5月15日(日)16:30受付 17:00開場
    会場:グローブカフェ(大阪市中央区高津 1-1-41)
    実行委員会:藤岡陽子、中島淳(140B)、宝上真弓、長浜充、村上信夫、今井一

ぼくは、ふだんは東京住まいですから、隆祥館書店のいいお客さんとはとても言えないのですが、個人的には大好きなお店ですし、「作家と読者の集い」(作家を囲む会)への出演経験も一応あったりしますこちら。隆祥館書店は『本屋図鑑』にも登場していますし、町本会のときも協力いただくなど、個人的な縁はたくさんあります。というわけで、会にお誘いいただいたので、参加してきました。


出版社に取次に作家にと、隆祥館書店と二村知子さんを愛し慕うたくさんの方が参加、元NHKアナウンサーで、隆祥館書店のイベントにも出演、二村さんと縁の深い村上信夫さんの見事な進行ぶりもあって、にぎやかでなごやかな雰囲気の、とてもいい会になっていましたよ。


いくら二村さんや隆祥館書店のみなさんと親しくさせてもらっているとはいえ、参加者は知らない人ばかりだろうなあと、最初は気後れもしていたのですが、始まってみれば、そんな不安もすぐに吹き飛び、最後まで楽しませてもらいました。(これは記事をあらためて報告しようと思いますが、席が偶然、ある作家の方のお近くで、途中からはその方と会の主旨とはまったく関係のない話で大いに盛り上がってしまったりもしたのでした。)


160515 隆祥館書店

↑当日、会が始まる直前の大阪入りで、お店には短時間しか寄れなかったんですが、この日はやはりどうしてもお店で買い物をしてから参加したかったので、寄ってきました。


160515 隆祥館書店 イベントチラシ

↑同店で継続開催されている、同店名物といっていいイベント「作家と読者の集い」(作家さんを囲む会)のチラシ。イベントを始めて4年ほどで100回を超え、同店のサイトに案内があがっている、本稿執筆時点で最新と思われるイベント「堤未果さんト-ク&サイン会」が通算136回目となっています。イベント専任の企画者や担当者がいるわけでもない小さなお店で、この頻度、この回数は本当にすごいことで、あらためて驚かされます。


160515 二村知子さん会ネームプレート

↑会当日、指定の席につくと、参加者全員にこのようなネームプレートが用意されていました。中にはそれぞれにあてた二村知子さんからのメッセージも。宛名も中も手書きです。全員分(正確な人数は聞けませんでしたが、50、60人以上、100人弱ほどいたのではないかと)を用意するのにどれだけ手間がかかっているかと。こういうところにも絶対に手を抜かない方なんですよね。


会については、主役の二村知子さんがお店のツイッター(@ryushokanbook)に、当日の様子を一部写真入りでツイートされていますので、(少し時間がたってしまったため、検索するのが大変かもしれませんが)ぜひそちらもご覧ください。


隆祥館書店について、二村知子さんについては、いろいろ書きたいこと、紹介したいことはたくさんあるんですが、またこのブログに登場いただくこともあるでしょうから今回はこれぐらいにしておきます。代わりに、というわけではないですが、会の当日と翌日に、二村知子さんがツイッターで発したことばを引いておきます。


まずは当日、5/15付のツイート。《作家と読者の集いを5年間続けてきて見えてきた大切なことは、読者であるお客様との信頼関係、食べ物ひとつにしても裏切れない。本物志向でありたい。真実を伝えたい。『本の力』で、伝えていきたい》。


そして、翌日、5/16付けのツイート。《父が遺した言葉、出版をただ売れればいいという商業主義の餌食にすることなく、出版を文化として作家を支え、読者が出版を育てるこの仲介者が書店と考えております。手に取る「本」を未来あるものにしたいというのが私たち隆祥館書店の望みです》。


会から数日後、朝日新聞にこんな記事が掲載されました。「大阪)本屋で育児ママ支援 隆祥堂書店「集い場」」(5/30 朝日新聞)


隆祥堂書店がどのような店なのか、お客さんや地域の人にとってどのような店でありたいと思っているのか。二村さんの思いがよくあらわれた試みだなあと、記事を読みながら、そして、会のことを思い出しながら、そんなことを思ったのでした。


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