空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

線引き本は読みにくい……

今回は「線引き本」の話です。


先日、古本屋さんで買った本に、線引き本がありました。「線引きあり」であることは、値札にも記されていたし、買う前に本文をチェックもしましたから、納得のうえで買ったものです。線引き、たしかにあるけど、エンピツ(黒)だし、数も(少なくはないけれど)全ページってわけでもないし、読む分には大丈夫かなあ、と思い。値段も安いし、まあ、いいかと。


ところが。読み始めると、これが想像以上にうるさい! 大変気になるのです。線が色付きではなくて黒でも、数がそんなに多くなくても、他人が引いた線はやっぱり気になるものなんですね。


程度にもよるのでしょうが、線引き本を読んでいると、おせっかいな人に横から、
「ここ、注意して読んだほうがいいよ」
「ここ、要チェックだよ」
「この文章、いいよね」
などと、終始ささやかれ続けながら読書をしているような気分になるのです。



(そんなことはあまりないと思いますが)これが、自分と読み方や感性が近い人の手になるもので、自分が線を引きたくなるようなところに引かれているのであれば、それほど気にならないのかもしれませんが……まあ、まず、そんなことはないわけです。


やれやれ。これ、どうしようかなあ……。残りを読む前に、エンピツの線を消しゴムで消すかどうか迷い中です。(消せない分量ではないけれど、やはり面倒だし、紙面を傷めるのも心配。)


ちなみに、ぼくは本を読むとき、紙面には線は引きません。では、覚えておきたい箇所や後で読み返したいところが出てきたときはどうしているかというと、付箋を立てておく、付箋派です。紙面にじゃまにならない小さなサイズの付箋を愛用していて、ブログで取り上げる本などにはそれをぺたぺたつけておきます。こんな感じです。


付箋 1付箋 2

↑左のクラフト紙っぽいのは無印良品で売っているもの。右の色がついているのは、Post-Itのいちばん小さいサイズのものです。


以前は大きい(長い)付箋を使っていたんですが、それだと、本文を隠してしまったりするので、見返すときにじゃまですから、長いものは切って使っていました。これら小さいサイズのものを見つけて以来、そうして加工する手間が不要になり、らくちんです。サイズが小さいので、はがすときも簡単で、ノリが残りにくいという利点もあります。


ちなみに、本への線引きは絶対にしないというわけではありません。たとえば、資料本や実用書は、場合によってはじゃんじゃん線を引いたり書き込んだりします。ぼくの場合だと、楽譜や音楽の理論書・技法書などは「読む」というよりは「使う」という感覚なので、全編線引き書き込みだらけだったりする本も少なくありません。


ただ、資料でも、使い終わったら処分する(古本屋さんに出す)かもしれないものは、線を引くのはためらわれますから、やはり付箋を使うことのほうが多いですね。書店関連の本は、ぼくにとっては「資料」ですが、ぼくが古本屋さんで新刊では手に入らない多くの資料に出会うことができた(『本屋図鑑』『本屋会議』の執筆に大いに役だってくれました)ように、これから書店のことを書いたり調べたりする人にも古い資料に出会ってほしいので、使い終わったら、古本屋さんに出したい。そういう本はやはり線を引いたりはできませんから、付箋を使うことになります。



で、話は先ほどの線引き本に戻るのですが、結局迷ったあげく、エンピツの線は全部消しゴムで消しました。エンピツの跡は残っていますが、黒い線が残っているよりはずっとましで、これなら(少なくとも最初のときに比べればずっと)心穏やかに読書ができそうです。


なお、線引き本を買ってしまった人で、線を消しゴムで消そうという方に多少アドバイスのようなものを。消しゴムはMONOなどの、よく消えて、紙への影響の少ないやわらかいタイプのものを使うのがいいでしょう。一度に広い範囲を消そうとせずに、まずは目立たない場所で試してみるといいでしょう。というのも、紙面の状態、印刷の状態によっては、消しゴムをかけると、字が薄くなってしまったり、紙の表面が削れてしまったりする場合があるからです。昔の単行本は割に紙がしっかりしていますが、ある時代より古いものは傷みやすい紙質だったりしますので、注意が必要です。また、薄めの紙の場合、消しゴムをかけるとしわがよったり折れてしまったりすることもありますから、これまた注意が必要です。線引きを解消しようとしたら、線が引かれていた状態よりもさらにひどい状態になってしまった、などといったことにならぬよう、充分に注意をして作業されることをおすすめします。



別に線引き本に初めて出会ったわけではないのですが、古書の状態として「線引きあり」が忌避される理由が、今回の件で、あらためてよくわかった気がします。



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