空犬通信

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三省堂書店池袋本店の「古本まつり」をのぞいてきました

7/8に始まった三省堂書店池袋本店の「古本まつり」をのぞいてきましたよ。



160710三省堂古本まつり

リブロから三省堂書店の主催に代わって2回目。場所は同じ西武ギャラリーで、規模も古書店の顔ぶれもほぼ変わらず、という感じです。特集は「これ懐かしい!よみがえる昭和の記憶」。今回にかぎったことではありませんが、会場内には特集タイトル通り、なつかし本やアイテムがいっぱいで、場内をうろうろ見て回るだけで、たいそう楽しい気分にひたれます。



収穫と呼べるほどの掘り出しはありませんでしたが、何冊か、なつかしいのやら、探していたのやらを買えました。古本市は、何か買えたらそれはラッキーなのであって、たとえ何も買えなくても、会場をうろうろしているだけで楽しいものですよね。


三省堂書店池袋本店「古本まつり」は、西武池袋本店別館2階、西武ギャラリーにて、7/13(水)まで。



わざわざ報告するほどの成果ではありませんが、会場に出ているものの雰囲気が多少なりとも伝われば、ということで、買った本の一部をあげておきます。


書影 三省堂古本まつり ドラキュラ

種村季弘編『ドラキュラ・ドラキュラ』(薔薇十字社)。河出文庫版は持っているのですが、薔薇十字社の本はやはり単行本で持っておきたくなるんですよね。同社の種村季弘本としては『吸血鬼幻想』もありますが、そちらはすでに所有していたので、これで吸血鬼ものが2冊そろいました。


ご覧の通り、装画と、さらに見返しにも有名ドラキュラ映画のスチルが使われていますが、図版の出典にはまったくふれられていないという(苦笑)


そうそう、あとこの本、状態はそれほどよくなかったんですが、はさみこみが残っていました。読者カードと新刊案内。新刊案内には「春'73」とあります。


薔薇十字社 新刊案内

同社がどんなものを出していたかはこれを見るまでもなくもちろん知っているわけですが、「久生十蘭コレクシオン」他、あまりにも見事にその筋の人たちにばっちり向けられた濃すぎる書名の並ぶ新刊・既刊の一群を見ていると、あらためてくらくらします。よくぞこんなもの(ほめことばです;笑)ばかり、出してたものだなあ。まあ、だから、続かなかったわけですが……。ふだんははさみこみは捨ててしまうことが多いんですが、これはとっておくことにしました。


書影 三省堂古本まつり 色川

色川武大『喰いたい放題』(潮出版社)。色川武大は大好きな作家なので、単行本はだいたい持っているのですが、こちらはなんとなく買いそびれていた1冊。初版帯付きで見つけました。


今は光文社文庫にも入っているのですが、以前は集英社文庫で出ていましたね。手元のは集英社文庫版で、カバーがあまり好きではないので(上の写真の左)、単行本を見つけたら欲しいなあと思っていたのでした。


色川武大が食について書いたエッセイ集。食には関心が薄いもので、食エッセイの類にはふだんまったく食指が動かない。そのような趣味の持ち主にもおもしろく読めてしまうから不思議です。


色川武大、このところごぶさただったんですが、久しぶりに好きな作家の本を読むと、ノリというかリズムというか、これと特定はできない「何か」が合う書き手っているんだなあ、ということがよくわかります。テーマがどう、ストーリーがどうとか、そういうことではないんですよね。とにかく、ただ読んでいることが気持ちいい……そんな書き手がいるというのは、本好きにとって幸せなことだなあと思うのです。ひとつ残念なことがあるとしたら、その人が物故者の場合、もう新しい作品を読むことができない、ということでしょうか。


書影 三省堂古本まつり 宝島

80年代の『宝島』が安価で出ていたので、数冊買ってきました。なつかしいなあ。中高生のころはお小遣いの制約もあって毎号買えたわけではないけれど、でも、立ち読みも含め、当時よく接していた雑誌のひとつなので、持っていなかった号も含め、記憶に残っている表紙が多く、とにかくどの号もなつかしい。


神保町の雑誌に強い店にいけば、人気のある時代の号、人気の特集号は買えますが、それなりの値段がついているんですよね。だから、こうして古本屋さんで気軽に手を出せるぐらいの値段で出会えるとやはりうれしいものです。


写真は、何冊か買ったうちの1冊で、1983年6月号。表紙と特集はYMO。第2特集が「東京モダーン・グッズ」というのは時代と、当時の宝島の路線のありようを感じさせますね。


このころの『宝島』を眺めていると、パンク&ニューウェーブの影響を受けて、東京に憧れていた中高生のころを思い出します。このころの『宝島』はカルチャー誌としてはかなり音楽寄りで、特集もそうですが、広告も音楽関連のものがとにかく多い。こういうのを見て、音楽情報をせっせと仕入れていたんですよね。


当時のレコードの広告もなつかしいけれど、六本木WAVEの広告が載っているのはちょっと感激しました。同店の開店はまさに1983年。地方の音楽好き、サブカル好きには同じような体験がある人も多いと思いますが、昔は、雑誌の広告(『ミュージック・ライフ』なども巻末に輸入レコード屋さんの広告をたくさん載せてましたね)で、まだ見ぬ東京のレコード屋さんに憧れたりしたものです。


なつかしくて、おもしろくて、はずかしい、そんな記事や広告やグラビアを眺めながら、当時のことをいろいろ思い出してしまいました。


いま、雑誌が売れない、雑誌に力がない、などとよく言われますが、いま雑誌があまり読まれないとしたら、読者が、10年、20年、30年たったときに、古本屋さんで出会った雑誌でこんなふうに楽しむなんてこともなくなるんですよね。20年前に見ていたWEBの記事が仮にアーカイブされていたとしても、こんなふうになつかしく感じたり、楽しめたりはしないだろうしなあ……。



「古本まつり」をのぞいたら、息抜きには(西武百貨店からだとちょっと歩きはしますが)サンシャイン水族館へどうぞ。まもなく、同水族館の名物、毎夏恒例のイベント「南国ビアガーデン」も始まります。……ああ、古本まつりは7/13までで、こちらは7/15だから、微妙に重なってませんね……。まあ、でも、「南国ビアガーデン」開催期間じゃなくても、屋外席もあるカフェではビールが飲めますし、ビール片手に、アシカプールの下で、くるくる泳ぎ回るアシカを眺めながら、古本まつりで買ってきた古本を読む、というのも悪くないと思いますよ。おすすめです。


1607コツメ

↑サンシャイン水族館の人気者、コツメカワウソたち。かわいいにもほどがある。それにしても、なんでこの子たちはいっつも重なったりくっついたり、ぎゅうぎゅうなんでしょうか。たまらんです。コツメ軍団には、毎回ノックアウトされています。


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