空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

オープンから4か月……荻窪の本屋Titleの棚を紹介します

東京・荻窪に、今年の1月できた本屋さん、Title。オープンから4か月がたちました。同店については、今年の1月、オープン翌日の様子をごくごく簡単にレポートしているのですが、そのときは、店内が混み合っていましたし、店内の紹介はやはり棚が少し落ち着いてからのほうがいいと思ってもいましたので、店内の撮影はなしでのレポートとしました。


先日、連休中にお店を訪ね、店主の辻山さんにいろいろ話を聞かせてもらい、今回は店内の撮影もさせてもらってきましたので、お店の様子を写真中心でレポートしたいと思います。(店内写真はすべてお店の方に断って撮影したものです。写真は5/2の様子で、お店の様子は変わっている場合があります。)


160430 Title160430 Title 外観2

↑お店の外観。店の外に雑誌ラックはありません。代わりにというわけではありませんが、ウインドーには本が面陳で並んでいます。ここに並んでいる本を見て店内に入ってくるお客さんも。ただし、辻山さんによれば、そのような方は年輩の方が多いようで、若い方はスマホに夢中なのか、急いでいるからなのか、店のウインドーがそもそも目に入っていないようだ、とのことです。なるほど。



160430 Title 入り口から

↑入り口から店内を見渡すとこんな感じです。お店は20坪ほど。


160430 Title 入り口前台 表160430 Title 入り口前台 裏

↑入り口を入るとすぐに、メインの台があります。こちらには新刊や店主のおすすめ本などが並びます。たまたま知り合いの営業マンにばったり、ちょうど台の本に手を伸ばしているところ。左が入り口側から見たところで、右がその裏側。


160430 Title 児童書

↑入り口を入って左側の壁、手前は生活実用、婦人実用など。隣は児童書。いわゆるセレクトショップの場合、このサイズのお店だと、児童書といっても、大人向けの絵本などが中心になったりして、必ずしも児童向けの棚でなくなっているケースもありますが、Titleでは、図鑑や『コロコロコミック』『ちゃお』など児童マンガ誌も置いてあります。


160430 Title 右側棚2160430 Title 右側棚

↑店内、右側の棚の様子。棚に近寄って背を確かめなくても、ふつうの町の本屋とはちょっと違う雰囲気がただよっているのがわかります。写真には写っていませんが、手前、入り口入ってすぐ右側は芸術書。


160430 Title 右側棚3

↑こういう棚を見ると、ああ、辻山さんの店だなあ、と思います。


160430 Title 人文平1

↑こういう平積みを見ると、ああ、リブロの池袋を通ってきた人の店だなあ、と思います。駅から15分ほども離れた立地の20坪の店で、このようなセレクトが可能で、しかもそれがちゃんと一定数売れているというのがすごい。


具体的な名前はあげませんが、人文の棚や平でいくつか目についたものについて、これは売れた?、ああいうのは動く?と、あれこれ質問してみましたが、人文書や文芸書、それも海外文芸などの動きは総じて好調のようで、いろいろ教えてもらった書名のなかには(失礼ながら)ちょっと信じられないような売上数になっているものもありました。


160430 Title 文庫1

↑店内中央の文庫の棚。両面になっていて、下段まで本が並んでいますから、けっこうな冊数になっていますが、時代小説や官能小説はありません。岩波・講談社学術などの教養系文庫も別になっています(上で紹介した右壁面の棚、人文のそば)


160430 Title 奥の棚 コーナー

↑コミックは、厳選されたものが並んでいます。音楽、スポーツなどの趣味書も。客層の問題なのか、それとも、お店に来る人が求めているものとのずれの問題なのか、ビジネスや実用書はあまり動かないといいます。なんとなくわかる気がします。逆に、そういうものがあまり動いていないのに、ちゃんと売上が立っているところに、Titleのすごさがあるといっていいかもしれません。


160430 Title ミニコミ1

↑レジの脇、階段の登り口の壁面は、リトルプレス・ミニコミ・zineのコーナーになっています。この規模この立地で、ミニコミ類をこれだけしっかりそろえている町の本屋さんはなかなかないでしょう。


160430 Title 文具

↑上段は小規模なフェアコーナーのようになっていて、中段から下はには、bibliophilicなど、一部、文具・雑貨が並んでいます。事務系・学習系文具の扱いはありません。


160430 Title トート

↑鮮やかな青が目を引くこちらのトートは、名古屋のON READINGがつくっているもので、「THE BOOKS ARE ALLRIGHT」とあります。以前に、これと同じデザインのTシャツを紹介したことがありますね。本好きの本屋巡りのお伴に、これほどぴったりのトートもなかなかないのでは。


辻山さんから聞かせてもらったことを、もっとたくさん文章で紹介してもいいのですが、最近、辻山さんのインタビューが読めるものが書籍に雑誌にと続けて出ましたので、当方のレポートは写真中心としました。もっと辻山さんのことばを聞きたい読みたい知りたいという方はぜひ、これらをどうぞ。



書影 これからの本屋書影 本の雑誌 1603

『これからの本屋』では、「第4章 どくりつする」で、SUNNY BOY BOOKSの高橋和也さん、フリーランス書店員の久禮亮太さんらとともに辻山さんが取り上げられています。


『本の雑誌』は辻山さんの店で買おうと思って、他で買わずにとっておいたもの。やっとこの日、買えました。巻頭の「本棚が見たい!」で店内の様子が、書棚の書名まで読める写真でばっちり紹介されているほか、「辻山良雄ロングインタビュー/本質的な本が売りたい」も収録されています。


写真に、辻山さんが登場する本にと、お店のことをいろいろ紹介はしてきましたが、でも、この店のすばらしさを写真と文章でお伝えするのは限界があり、やはり実際にお店を見ていただくのがいちばんです。


今回は、書店部分のみのレポートとしましたが、2階のギャラリーでも、辻山さんらしいとしかいいようのないテーマ・セレクトのイベントが開催されていますし、奥にはこぢんまりしたカフェスペースもあります。駅から少し歩きはしますが、しばらく前の記事でもふれた通り、少し足を延ばせば、周辺には、ブックスポットが複数ありますから、まさに本好き本屋好きの散歩にはぴったりのエリアです。


本屋Titleを訪ねるときは、どうぞ、歩きやすい靴と格好で、時間に余裕を持ってお出かけになることをおすすめします。そして、同店を訪問されたら、本の買い物やお茶を楽しむだけでなく、ぜひ店主、辻山さんにいろいろ話しかけるといいと思います。きっと、本のこと、お店のことを気さくにいろいろ教えてくれると思いますので。


最後に、買ってきた本にもふれておきます。


書影 ソンタグインタビュー

↑ジョナサン・コット『スーザン・ソンタグの『ローリング・ストーン』インタヴュー』(河出書房新社)。先に挙げた平積みの写真に写っていますが、お隣には、ソンタグの『他者の苦痛へのまなざし』(みすず書房)が並んでいました。


『インタビュー』は今年の新刊ですが、お隣の『他者』は少し前の本です。20坪の店でソンタグを複数平積みにするのは、自分が好きかどうかとか、だけではなく、その本(とくに既刊)がどのような売れ方をしてきた本なのか、どのようなお客さんが自分の店にやってきているのか、これからやってきてほしいのか、などを自分の中で明確に描けていないと難しいことだろうと思うのです。



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