高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪、西荻窪……中央線のこれらの駅には、好きな本屋さんや飲食店があるので、会社帰りに途中下車して寄ることがあります。ただ、駅周辺の店はいいのですが、少し離れてしまうと、それこそ、徒歩で、10分、15分ほど離れてしまうと、駅との往復だけで30分ほどもとられることになり、会社帰りにふらりと気軽に立ち寄るのが難しくなります。
行きたいのにふだんはなかなか行けない、という店がいくつもありますから、この連休のどこかで、一日、休日本屋散歩の日をつくろうと、そんなふうに考えていました。
今日、ちょうど家族の用事があって独りの時間がとれましたし、天気にも恵まれて絶好の散歩日和。こんなチャンスを逃すわけにはいかないということで、休日本屋散歩を楽しんできましたよ。
今日、訪ね歩いてきたのは、以下のお店(「お店」でないものも混じっていますが)。
- 文禄堂高円寺店(高円寺)
- 本屋Title(荻窪)
- 杉並アニメーションミュージアム(荻窪)
- 古書 西荻モンガ堂(西荻窪)
- にわとり文庫(西荻窪)
- 今野書店(西荻窪)
- beco cafe(西荻窪)
- 古本バル 月よみ堂(西荻窪)
- 盛林堂書房(西荻窪)
高円寺から荻窪へはJRで移動しましたが、荻窪から西荻窪の各店へは徒歩で移動。「散歩」ですから、最初から歩きのつもりでいたんですが、全部歩きとなると、いやはや、けっこうありますね。1店ごとに荷物(=本)が増えていくので、後半はほとんど修行です(苦笑)。いい運動になりました(笑)。



↑文禄堂高円寺店。あゆみBOOKS高円寺店が今年の2月に改装・改称して再オープンとなったお店です。プレスリリースはこちら。
L字を上下ひっくり返したような形状のお店で、右奥のスペースには中2階のギャラリースペースがあります。


カフェ併設店ですが、お店の正面入り口入ってすぐの左側壁面がカフェスペース(スタンド)にあてられているのが、配置的にはちょっとめずらしい感じです。その向かい、入って右側の棚は、あゆみっぽい感じのセレクトと見せ方の棚になっています。
品ぞろえ、そんなにじっくり見てきたわけではないんですが、サイズや在庫点数からして、コミックがかなり多めだなあと感じました。文庫の棚の天に、本を斜めに置ける台のようなものを置いて、表紙を見やすくする工夫がされているのも印象に残りました。
中央線で荻窪へ。北口に出て、青梅街道をてくてく歩いて、Titleに向かいます。

↑Titleへ向かう途中にある、青梅街道沿いのブックスポットとしては古書店「象のあし」があります。ぼくがよく出版・書店関係の音楽仲間とのイベントに使うライヴハウス、ルースター・ノースサイドの少し先です。

↑本屋Title。オープンからまもなく4か月。店主の辻山さんにいろいろ話を聞かせてもらい、店内の撮影もさせてもらいましたので、こちらは、記事をあらためて、お店の様子をレポートしたいと思います。



↑杉並アニメーションミュージアム。Titleから少し先、青梅街道を歩いていくと荻窪警察が見えますが、その交差点を左に入ってすぐのところにあります。
現在開催中の企画展「SHOTARO Square〜石ノ森章太郎について語ろう!〜」を見てきました。



そこからさらに青梅街道を進みます。桃井四丁目の交差点を少し過ぎたあたりにあるのが、古書 西荻モンガ堂。



↑古書 西荻モンガ堂。右は同店のコースター。今日、買い物をしたときにいただいたもの。
同店のオープンは2012年秋。beco cafeや今野書店のある西荻窪はよく途中下車する駅ですが、同店は、西荻窪駅からだとちょっと歩くため、行きたいなあと思いながらも、なかなか訪問の機会を作れずにいました。
行ってみたら、本の本に、詩集に、ひと昔前の文芸書にと、好みの本がたくさん並んでいるではないですか。最寄り駅近くにあったら、毎日のように通いたくなる感じのお店でした。
桃井四丁目の交差点から、南へ、西荻窪駅方面に向かいます。途中、見たことのない古本屋さんが。


ふらりと入ってみると、「何かお探しですか?」と声をかけられました。カウンターの向こうには、移動式の書架がずらり。閉架の店舗で、店頭販売はしていないそうです。あれ、そう言えば、と思い出しました。
神保町古書センター内にあった中野書店が閉店、跡地に入った夢野書店の開店をレポートしたこちらの記事で、中野書店が西荻窪に移転すること、土曜日のみ閉架式の営業をすることを伝えるチラシを、自分で紹介していました。
徒歩十数分で、JR西荻窪駅に到着。西荻窪は新刊書店・古書店両方の充実した街でしたが、颯爽堂、ブックセラーズ西荻と、このところ新刊書店の閉店が2軒も続いてしまいました。どちらも、跡地はまだ他の店舗が入っていないようです。

↑こちらはブックセラーズ西荻の跡地。
高架下から表に出るとすぐに、にわとり文庫があります。

今野書店に寄ってから、beco cafeへ顔を出し、ここでいったんドリンク休憩。

西荻窪、ふだんは北口の店を利用することが多いんですが、今日は時間がたっぷりあるので、南口のほうへ出て、商店街を散策。一度取材でおじゃましただけで、すっかりごぶさたになってしまっている古本バル 月よみ堂を訪ねてきました。


まだお酒にはちょっと時間が早めだったけど、お酒を片手に、店主さんとおしゃべり。同店は先日1周年を迎えたばかりですが、この1年のことや、これからのことなどを、いろいろうかがってきました。
前回の訪問と違って、今日は休日散歩気分でおじゃましただけで、取材のつもりはまったくなかったんですが、こちらがあれこれいっぱい質問をするし、店主さんも気さくにいろいろ教えてくれるしで、なんだか、途中から取材をしているみたいな感じに話が盛り上がってしまって(笑)、たいそう楽しい時間になりました。
西荻窪の散歩、最後は盛林堂書房へ。


買ってきたものの一部です。


↑月よみ堂で買ってきた2冊。同店の「本の本」棚から抜いてきました。どちらも実は持ってるんですが、『ブックデザイン』のほうは欲しがりそうな人がいるので。『本が書架を歩みでるとき』は、たしか誰かが読みたい、欲しいって言ってたっけなあ、と。でも、誰から聞いたんだっけ……。


↑盛林堂書房で買った2冊。石上三登志『ヨミスギ氏の奇怪な冒険』(盛林堂ミステリアス文庫)、『岡崎武志×古本屋ツアー・イン・ジャパン 古本屋写真集』(盛林堂書房)。

↑古書西荻モンガ堂で買った本。久世光彦『昭和幻燈館』(晶文社)。久世さんの処女作で、第1エッセイ集。中公文庫版はもちろん持っているんですが、これ、大好きな本だし、親本がとても造本的に美しい本なので、単行本で持っておきたかったんですよねえ。とても状態のいいものに出会えました。