空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

現代史、70年、殿様、マブヤー……沖縄本を読む

先日、西荻窪のブックカフェ、beo cafeで開催したトークイベント「沖縄の出版社の編集者に、沖縄の本の話を聞こう!(ついでに)沖縄のお酒も一緒に飲もう!」では、沖縄の出版社ボーダーインクの編集者、喜納えりかさんを迎え、沖縄の本の世界について興味深い話をたくさんうかがうことができました。トーク後の交流会にもたくさんの方が残ってくださり、深夜まで、本とお酒と沖縄の話で大いに盛り上がりました。


驚いたのは、20人足らずのお客さんの中に、沖縄出身の方、沖縄に住んでいたことのある方、沖縄の版元で働いていた方、沖縄テーマで論文を書いた方、沖縄本のコレクターの方などなど、沖縄に縁のある人がたくさんいたこと。トーク当日のbeco cafeは、瞬間最大風速で言うと、非沖縄エリアで、もっとも沖縄度の高い空間になっていたのかもしれません(笑)


会が大成功に終わったこともあり、準備段階から高まっていた沖縄本への興味がますますかきたてられてしまいました。イベント前後に続けて沖縄関連本を手にしましたので、未読のものもありますが、手にしやすい新書を中心にいくつか紹介したいと思います。



沖縄本礼賛 書影沖縄新書2点 書影沖縄現代史 書影

『沖縄本礼賛』、トークイベントの予習というか参考にと読み始めたら、これが滅法おもしろい。途中でやめられなくて、一気に読んでしまいました。ぼくも典型的な本から入るタイプなので、何かに興味を持ったらまず本から入る、100冊そのジャンルの本を買う、というまえがきから共感全開。ユーモアあふれる本文も個人的にとても好きなノリでした。



書名からは、沖縄本の解説本のような印象を受けますが、たしかにそのような要素はあるものの、(珍書プロデューサーのハマザキカクさんいわく)「珍書探索法」指南とも言うべき内容になっていますので、沖縄の本にうとくても、本の本が好きな人なら楽しめそうです。沖縄本を集めているわけではない者が読んでもこれだけおもしろいので、沖縄本がお好きな方ならなおのことでしょう。


著者の平山鉄太郎さんは昨年のブックンロールに喜納さんと一緒に来てくださった方。そのときにお目にかかって、本のことも教えてもらっていたのですが、お会いしてからずいぶん経ってから手にすることに。でも、沖縄テーマのトークイベント直前という、この本を読むのにこれ以上ないぐらいにぴったりのタイミングで出会えたので、それはそれでよかったのかなあと思っています。本との出会いのタイミングって大事ですからね。


ちなみに、著者の平山さんは、ご自身のツイッター( @__tetsu__)で、《いつか続編を書きたい。いま思いついたタイトルは『続沖縄本礼賛 読むまえに買え!』》と書いていましたよ(笑)


残り3冊の新書は、いずれもトークイベント終了後に買ったもので、まだ読み切っていません。それぞれ、版元の内容紹介の一部を引いておきます。


『沖縄の70年』。《沖縄について考え続け,撮り続けてきた著者が,70年の歴史を,戦争と基地を軸に描き出す》。
『沖縄の殿様』。《謙信の流れをくみ、鷹山を中興の祖と仰ぐ名門、米沢藩上杉家。最後の藩主・茂憲は明治十四年、琉球処分から日が浅い沖縄に県令として赴く。本島をくまなく巡り、宮古・石垣両島まで及んだ視察で目撃したのは、困窮にあえぐ庶民の姿であった。(中略)今日もなお沖縄で敬愛される上杉茂憲の二年にわたる奮闘の記録》。
『沖縄現代史』。《2010年代には普天間基地移転・歴史認識を巡り、保革を超えた「オール沖縄」による要求が国に行われる。本書は、政治・経済・文化と、多面的に戦後沖縄の軌跡を描く》。


あと、沖縄関連の新書といえば、こちらもそうですね。



偶然は重なるもので、トークイベント当日、東京では観られない沖縄ローカルの番組ですが、本と本屋さんに関わるこんな番組が沖縄で放送されました。



特集は「本とワタシの○○な関係」。沖縄への関心が高まっているときに、しかも、沖縄テーマのトークイベントの開催日にこんな特集の番組が放送されるとは! 単なる偶然とはいえ、あまりのタイミングにびっくりしてしまいました。


《読書の秋、今回の特集は「本」と今の沖縄のいろいろな関係について探ってみました》ということで、番組では、以下のお店や会社が紹介されました。


  • リブロ リウボウブックセンター店(新刊書店)
  • 近代美術(沖縄eBooksを手がける出版社)
  • 沖縄eBooks(沖縄発電子書籍サイト)
  • くじらブックス(「町には本屋さんが必要です」会議に参加した渡慶次さんが準備中の書店)
  • 金武文化堂(町の本屋さん)
  • みんなのほんだな(牧志公設市場の一角にある交換本棚)

ごくわずかではありましたが、町本会(「町には本屋さんが必要です」会議)にもふれられました。


番組で、もっとも印象的だったのは、金武町にある《本も文具も駄菓子も売ってる町の本屋さん》金武文化堂。店内は、学校帰りの子どもたちがいっぱいで、その子たちが、本当にいい顔をしているんですよ……。小学校の近く、学校からの帰り道に、こんな本屋さんがあったら、毎日寄りたくなるよなあ、いいなあ、などと思いながら観ているうちに、なんだか涙が出てきてしまいました。これが「まちの本屋さん」だよなあ、って。番組の紹介サイトには、こうあります。《地域の本屋さんが、子供達を見守る場所になる。そんな場所を残す努力がいま必要なのかもしれません》。


あと、趣味丸出しで申し訳ないんですが、最後にこれも。



マブヤー DVD1 ジャケ

特撮好きとしては沖縄テーマとなれば、このご当地ヒーローのことを聞かないわけにはいきません。トークイベントで、ぼくがマブヤーの地元での人気などについて質問をし、劇場版がおもしろかったこと、マブヤーのソフビが欲しいけど東京では見かけないことを(調子に乗って)話したら、後日、喜納さんがDVDとソフビ(!)をわざわざ送ってくださったのです。


マブヤー DVD・ソフビ

↑こちら。まさか、ほんとに送ってくださるとは! 喜納さん、ありがとうございます!


で、いただいたDVD『琉神マブヤー』、早速観てみたんですが、いやはや、これ、いいですね! 超でーじ楽しい! 沖縄熱が盛り上がってしまっている身にはぴったりのノリと内容です。って、言い訳っぽいけど……とにかく、マブヤー、最高です。


『琉神マブヤー』、単なる特撮でしょなどと侮るなかれ。ご覧になったことのある方には説明不要ですが、全編に沖縄愛と沖縄ネタが溢れているんですよ。沖縄文化をきちんと説明してくれるし、ウチナーグチの台詞も字幕付きで楽しめるしで、まさに、こういうのが観たかった!という1本でした。ぼくはこれまで、2011年公開の劇場版『琉神マブヤーTHE MOVIE 七つのマブイ』しか観たことがなかったんですが、公式サイトを見ると、続きがいろいろあるようなので、ほかのも順番に観ていこうかなと思っています。もちろん、劇場版ももう一度観なおさなくては。


『琉神マブヤーでーじ読本』は、そんなマブヤーシリーズの解説本。映像で観ているだけではわからなかった沖縄文化に関する解説が丁寧かつわかりやすくなされていて、ぼくのような沖縄初心者にはぴったりな内容です。版元の三月社は沖縄ではなく東京の出版社ですし、著者の山本伸さんも沖縄の方ではないようですが、そういう著者・版元の手になる沖縄本がこうして出てしまうというのも、よく考えたらすごいことですよね。


こんなふうに、すっかり沖縄熱が高まってしまっているわけなんですが、こうなると当然、沖縄に行きたくなりますよね。沖縄でブックイベントを開催、それに合わせて、東京から沖縄ブックスポットを巡るツアーを組んで本好きみんなで沖縄に乗りこむというのはどうかなあ、とトークイベントの交流会でみなさんに話をふってみたところ、(お酒の勢いはたぶんにあるでしょうが)居合わせたみなさんからは大いに賛同を得られましたよ。来年あたり、ブックパーリーNAHAの開催時期に合わせて、実現できたらいいなあ。


もしも「ブックンロール沖縄」が開催されることになったら、沖縄に興味のある本好きのみなさんで、沖縄に一緒に行きたいと思います。飲みネタに終わらせないよう、ちょっと本気で企画してみようかなという気になっていますので、実現のあかつきには、本好き沖縄好きのみなさま、ぜひよろしくお願いします。


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